第9話 彩香の気持ち
物心がついた頃から隣にはつぅちゃんがいた。いや、私がつぅちゃんの隣にいる。
意味は同じように見える絶対に違う。つぅちゃんの心の中はつぅちゃん以外誰も見る事が出来ないから。そう、それはずっと一緒にいる私にも。
つぅちゃん、本名は赤井翼飛くん。実は親同士が勝手に決めたとはいえ許嫁だったりする。それを聞いた時はとってもビックリしたけど、私はそんな事関係なく彼の事が・・・でもつぅちゃんは勝手に決められた事が気に食わないらしい。そんな事なんてことないのに。ううん、引っ込み思案な私にはむしろ好都合で内心嬉しかった。
つぅちゃん家はお隣さんで同い年で私の方が3日だけお姉さん。なのに人見知りで泣き虫な私はいつもつぅちゃんの後にくっついていた。それは今になっても全く変わっていない。つぅちゃんは身長差を気にしていて、そして3日間だけ年下になるのを気にしていて、口では一緒にいる事を嫌がっているけど・・・私は絶対につぅちゃんからは離れたくない。なにがあっても・・・
最近つぅちゃんの横にはよく可愛い女の子がいる。つぅちゃんの隣の席だから必然的に隣にいる事になるんだけど。その女の子の名前は鎌田羽紗さん。つぅちゃんと同じで『つばさ』って読む。当て字・・・なのかな?つぅちゃんと同じ読み方をする名前。ちょっと羨ましいな。
ちょっと前まではつぅちゃんの横は私だけの指定席だったのに。少しずつ鎌田さんに奪われてる気がする。私の気のせいならいいんだけど。鎌田さんはつぅちゃんよりも少し小さくって、可愛くって・・・このままじゃ私だけの指定席が!!!
そんな事考えてたらまた泣きそうになっちゃった・・・ダメダメ、もっとしっかりしなきゃ!私の方がお姉さんなんだから。
今もつぅちゃんと鎌田さんは楽しそうにお話してる。私は(つぅちゃんよりも)大っきいし、(鎌田さんよりも)可愛くないし、つぅちゃんにとっては迷惑かもしれないけど、ここで引き下がれない。つぅちゃんに関しては私が一番知っている。涼風さんにだって負けないって自信があるし、こんな所で負けられないって気がした。
え〜っと、え〜っと、どうしよう。
「なになに?つぅちゃん何の話してるの?」
「うわ!?彩香か。いきなりビックリさせんなよ」
「彩も仲間に入れてよ〜!ね?ね?」
「はいはい、分かったから抱きつくなっての」
気付いたらつぅちゃんに後ろから抱きつき二人の話に割り込んでいた。
あわわわわ・・・無意識に私何してるんだろっ!?は、恥ずかしいよぉ〜!!!
この後、鎌田さんが何か話してたような気がするけど、私の耳には全く届かなかった。
サブタイトルを決めるのが意外と大変です。。lllorz
かなりいい加減だし・・・^^;;;
次回予告
第10話 休日
う〜ん・・・よしっ!起きたっ!!!