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Angel's wing  作者: 水無紫苑
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第6話 婚約解消!?

鎌田さんに貸すためのタオルを取りに戻りグラウンドに帰るとまだ女の子達が走っている途中だった。さすがに彩香は先頭付近を走っているらしい。鎌田さんは・・・彩香のすぐ前を走っている。あの速さからすると、周回遅れ目前みたいだ。運動は苦手みたいだったから・・・うん、予想通り。

なんて失礼な事を考えていると、ついさっきまで女の子に囲まれていた水希が近寄ってきた。


「よう、どこ行ってたんだよ?抜け出したのがバレたらKYな体育教師がまた変な事言い出すぞ〜?」

「ん?これ」

と言いながら左手に持ったタオルを掲げてみる。水希はすぐに理解したような表情をしたが一瞬でその表情が「は?」って感じに変わった。


「お前、異常に可愛らしいタオルが首に掛かってるって事分かってるよな?」

「これ鎌田さんの」

と首に掛かったタオルを指し、

「これ俺の」

と再び左手に持つタオルを掲げる。

「二つもいらんだろ!」

とツッコミを入れる水希。だが甘ぁ〜い!!!手の角度とスナップがもっと!!!って、違う!

それに、

「タオルだらけのお前に言われたくないぞ・・・」

「いやぁ〜いらないって言ってるのにみんな渡してくるから困った困った〜」

「困ってるわりには鼻の下伸びてんぞ・・・この女の敵め!何人か寄越しやがれ!!!」

「別に構わんが・・・彩香ちゃんくれよ?」

「あぁ、彩香ならのしつけていくらでもくれてやる!」

「との事ですけど、よろしいので?」

・・・は?水希は微妙に俺から視線を外してなんだか後ろの方を見ている気がする・・・嫌〜な予感を感じながら振り向いてみたら、

「うぐっ、うぐっ、うぐっ・・・」

何故ここに!?しかも泣いていらっしゃる・・・

「あ・・・彩香さん?えっと・・・」

「うぐっ、つぅちゃんは、うぐっ、彩なんかいらないだね・・・うぐっ、うぐっ、彩なんかより鎌田さんの方がいいんだ?・・・うぐっ」

「彩香?なんでそこで鎌田さんが出てくるのか分からんのだけど・・・えっと、あれはだな・・・そう!言葉のアヤってやつでな。言ってみれば嘘だ!だよな、水希?」

「そうだったのか?俺はてっきり婚約解消して俺にくれるもんだと思ってたけど?」

「つぅちゃん・・・婚約、解消するの?うぐっ、うぐっ、うぅ・・・」

「あ、いや、それは・・・み、水希が言ってることは全部嘘だ!だから、な?泣くのは止めてくれよ?」

「彩香ちゃんをくれるって言ったのは翼飛なんだけど・・・」

「水希は黙ってろ!お前は俺に恨みでもってあるのか?泣きたいのは俺の方だっての!!!」

「俺嘘なんか一言も言ってないけど・・・彩香ちゃんが欲しいってのはホントだし、その彩香ちゃんをくれるって言ったのはお前だろ?それに翼飛に恨みなら、彩香ちゃんに加えて最近じゃ羽紗ちゃんにまで手を出して・・・それこそ掃いて捨てるくらいあるぞ?」

「水希〜もう俺の負けでいいから勘弁してくれ〜!!! それに婚約解消とかわけの分からない事言ってたじゃないか・・・」

「ん?ホントに婚約してるのか?」

「い、いや・・・ 頼むから俺をいぢめるのそろそろ終わりにしてくれよ・・・ 彩香も本気で泣かない!あれは全部冗談なんだから!」

「ぐすっ、じゃあ、婚約解消っていうは・・・?ぐすっ、ぐすっ」

「それは水希が勝手に言ってるだけ! ていうか、俺は婚約したつもりはないんだが・・・」

俺の最後の言葉はもちろん彩香の耳には届いていなかった。


なぁ彩香、泣くのはやっぱりズルイと思うぞ?

そして、それを口に出して言えない俺はヘタレなんでしょうか・・・

次回予告


第7話 ギャラリー

この学校、こんな事許してて大丈夫なのか?

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