ユナとナノカ
第6章ユナとナノカ
「わかった…なら私はユウトと一緒に暮らす」
「それって私たちとも一緒に暮らすってことになるんだけど」
「ユウトを愛するためだ。仕方ない」
なんか勝手に決まってる気がする
「って僕ってユナたちと暮らすことになってんだ」
「じゃあどこで暮らすのよ」
ここはユナたちに甘えておこう
「私はいいけど…ナノカがなんていうかわからないわよ」
「ナノカ…ああ、あいつか。わかった」
それからシンフィアは黙って僕たちについてきた
そして家に着いたんだけど
「ナノカいないじゃないの」
ナノカさんはいなかった
そういえばさっき喧嘩?してしまったんだった
とりあえず帰ってくるまで待つことになった
しかし時間が経ってもナノカさんは戻ってこなかった
「もう日が暮れちゃうわ…どうしたのかしら」
「…仕方ない、私が探してこよう」
「あ、ちょっと待ちなさいよ!」
シンフィアが家から出てってしまった
「ナノカのことだから信用してくれるわけないわ、きっと」
「あー…確かに」
「早く追いましょう」
シンフィアを追って外に出るとすぐ見つけることができた
「シンフィア!…ナノカも!」
なんとナノカもいた
嫌な予感がする
「キノユウト…あやつとは話が合わないようだ」
「あなたも男も…みんな信用なりませんわ」
2人ともなぜか臨戦態勢
止めないとまずい
しかし僕にはそんなことできなかった
多分止めに行ったら死ぬ
「やめなさい2人とも!」
「ユナ…!」
「…ふんっ」
僕の代わりにユナが止めてくれた
「ナノカ、この人はもうユウトを捕まえないって言ってくれたわ」
「嘘ではないかしら」
「本当よ。…あと、国の再建を手伝って欲しいってユウトに言ってきた」
「いいんじゃないですの?どうせ、私たちと一緒にいてもやくにたたないのですし」
「ナノカ…」
どうやら話を聞いてもらえないようだ
「国の再建とおっしゃりますが…その方はグランの者では無いのかしら?」
「グラン帝国の名を借りていただけだ。この装備も自前だ」
「そう」
というか本題を切り出しても良いだろうか
「ナノカ」
「気安く呼ばないで」
「…ユナ」
「うん。ナノカ、シンフィアさん…えと、この人なんだけど、住む場所を探してるみたいで」
「私たちの家はダメですよ」
「でも部屋は空いてるよ?」
「この家は私とユナの、2人の家。部外者は立ち去ってください」
取りつく島もないってやつか
ユナはナノカの態度に戸惑っているみたいだし
多分こうなった原因って僕なんだよな
だから僕がどうにかしよう
「ナノカさん」
「だから気安く呼ぶなと…」
「僕もユナを愛してる!」
「…は?」「えっ!!!」
「だから呼び捨てで呼んでる。ナノカさんみたいに」
本当はそう呼べって言われたからだけど
「…ユナはあなたのことを愛してませんわ。私はユナのことを愛していてユナも私を愛してる」
「え」
「え?」
「…ナノカって私のこと愛してるの?」
「え、ええ。愛してるわ」
「それってLOVEってこと?」
「そうよ」
「…わたしもナノカのこと好きだけど」
真っ赤な顔で言いつつ目を背けるナノカ
「私ってそっちの気はないの…ごめんね」
「そうじゃないわよっ!!」
ナノカさんが怒った
「親友っていうか家族っていうか…そういう意味よ!変な意味じやわないわ!」
「僕の愛してるはそういう意味じゃないから僕の勝ち…」
「お前は黙ってろ!!」
石投げつけられた
痛い
「だから…私にはユナだけいればいいのよ」
「ナノカ…」
「ならキノユウトは私がもらう」
「ダメよ!」
ユナが叫んだ
「なぜだ?ナノカはユナがいれば良いのだろう?その逆もしかりということではないのか?」
「私はユウトがいないとダメなの!」
「…ユナ」
ナノカさんの顔色が沈んでいく
「私はもういなくてもいいのね」
「違う!」
ユナは僕の手とナノカさんの手をとって言った
「私は2人のことが好きだから、2人と一緒にいたい」
ユナの笑った顔はとても可愛い
こんな笑顔で言われたらユナのことがもっと好きになってしまう
「ユナ…!!やっぱり大好きです!!」
「私もだよ!」
抱き合ってる2人を見て一安心
「ユウト」
「なんでしょうか」
「あなたがユナのことを呼び捨てにするのを許します」
「ありがとうございます」
「だから私のことも呼び捨てにしなさい」
「わかりまし…え、いいの?」
「ユナがして欲しいと言ったことは私にもして欲しいの。ユナと同じ扱いをしてもらわないと困りますしね」
同じ扱いというと
「じゃあナノカに恋してもいいの?」
「の、望むところです」
顔を赤くしたナノカはとても可愛かった
「よろしく」
「よろしくね」
ナノカが差し出してくれた手を握り返した
@
これは過去の話
とある国の喫茶店でのこと
「なんで貴族の私がこんなところで待たせられないといけないのかしら」
この町の貴族の娘がまるで酒を飲むかのようにミルクを飲んでいた
「お母様もお父様も王にペコペコしちゃって…あー早く帰りたいです」
彼女のそばには従者が1人いるがただのボディーガード
いくら彼女の態度が悪かろうと何も言わない
しかし彼女に話しかけたものがいた
「行儀悪いよ?女の子なんだからもっと上品に飲まないと」
「…なんですの、あなた」
彼女と同い年くらいの女の子だった
「私ここで働いてるの!」
「は?」
どうみても働いているとは思えなかった
「ここにいさせてもらってるお礼なの」
「…もしかしてお母様たち」
「どこかに旅に行っちゃったの」
そう言った女の子の顔は今にも泣きそうな顔だった
まだ幼い彼女だったが女の子の境遇を察することができた
「話し相手になりなさい」
「え?」
「私今暇なの。何か面白い話をして」
「…うん!」
2人の幼い娘が出会った日の話
とりあえずひと段落です
読んでくださり感謝です!
ヤン囲がクライマックスなのでこちらの方にも力を入れて更新して行きたいです
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