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オルドディランタ


喫茶店を出て足跡をたどって走った

早くしないとユナさんが危ない

おそらく相手は槍を投げてきたやつで間違いない

喫茶店に残っている傷が証拠

槍を持ったやつとユナさんはどこに行ったのか


「そろそろ白状したらどうだ?」


今の声は…


「…絶対に言わないわ」


これはユナさんの声だ!

ということは、さっきのは僕を探してるやつか!

声を聞くために2人に近づく

…見えた


「子孫を残すことを考える前に、自分の命の心配をしたらどうだ?」

「…命なんて惜しく無いわ」

「…は?」

「あいつが生きてここにいてくれさえすればナノカと子どもがつくれる…それでこの国はまた栄えるのよ!」

「戯言を」

「うっ…!!」

敵は槍をなぎ払った

ユナさんはかわせずに傷つけられてしまう

「男はグラン帝国で管理する。そしてこの世界はグラン帝国が支配するんだ。…すでに滅んだ弱小国に希望も何もあるか!」

敵は槍を掲げユナさんを突き刺そうとした


「死ねっ!」


しかし槍は地面に突き刺さった


「ユウト!」

「あぶなっ!もう少しで死んでた!」

なんとか間に合ったみたいだった

敵が感情的になったようにみえたから助けに入ったんだけど

成功して良かった

「なに…貴様が報告にあった男か…。おとなしくグラン帝国に来てもらおうか」

槍を構え直して言う敵さん

「いや、さっき解放されたばっかだから遠慮しておく」

丁寧に断る僕

「…解放された?…どう言うことだ」

「だから、ナルガ=グランに出てっていいって言われたんだよ」

その言葉を聞いた敵さんの顔は驚きに満ちていた

「…そんなことがあるのか?いや、あってはならない。それでは…いや…」

「敵さん?」

「なら…この男なら…我が国も…」

「ユウト逃げるわよ!」

「ふぇ?!」

敵さんの様子がおかしくなったところをユナさんは逃げるチャンスととったらしい

また僕はユナさんに持たれている

「なっ!ま、待てっ!」

遠くから敵さんの声が聞こえるけどもう追いつけないだろう

そんくらいのところまで逃げれた

「はぁ…ユウト…なんで来たの?」

息を荒げながら聞いて来るユナさん

「ユナさんが心配だったし…僕のせいで傷ついて欲しくなかったから」

僕の答えを聞いてユナさんは立ち止まった

僕を抱えたまま話し始める

「ユウトは優しいのね」

「紳士だからね」

「…助けに来てくれてありがとう」

「え?…ああ、うん」

急にお礼を言われると照れてしまう

「あの…そろそろおろして欲しいな」

「あ!ごめん!」

ユナさんとちゃんと向かい合う

「…」

「…」

いやいや黙ってちゃダメだって!

「あの…ユナさん」

「ゆ、ユナでいいわよ」

「じゃあ…ゆ…ユナ。聞いて欲しいことがある」

「…何?」

気のせいかもしれないけど

ユナさん…いや、ユナの頬が少し赤く見えた

「喫茶店で言われたことなんだけどさ。僕、やっぱりすぐに子作りはできない」

「…っ」

「けどね…僕はこの世界の女性に恋をすること、人を愛することを知って欲しいんだ」

そう、愛があってこその子作り

恋をしないの始まらない

「だから僕は…ユナ!」

ユナの肩に手を乗せる

「はい!」

「ユナに僕のことを愛してもらえるように頑張る。そして恋することを知ってもらう」

ユナだけじゃなくてナノカ…できればあの敵さんにも

「だからユナ…ずっと一緒にいてください」

「ユウト…」

ユナは少しうつむいて

すぐに顔をあげてくれた

「あなたは優しいのね」

その顔はとても可愛らしく笑っていた

「私もあなたを愛するために頑張る。…これは今日のお礼ね」

言い訳ではないが

僕は今ユナと向かい合っていて手をユナの肩のに乗せている

つまりそのままユナがキスをして来てもこばめはしない

いや、こばめてもこばまなかったけど

「…私に恋を教えてね。ユウト」

ユナの声が脳に響いてくらくらして

唇に感じた素晴らしい感触とかもろもろのせいもあってか

僕は気を失った


@


こんくらいで気を失うとは…まだまだじゃのう優斗

「この声…爺ちゃん!」

恋を教える…といっておったが

…逆になっておらぬか?

「うっ」

しかし、心意気は素晴らしい

ワシは優斗ならできると信じている

「爺ちゃん…」

その世界のために頑張ってくれ優斗

ワシはお前を見守っておるからのぉ


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