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異世界の事情

「私の名前はナノカ=ユーリスですわ」

「僕は木野優斗。よろしく」

握手をしようとして手を伸ばす

「…」

「…」

握手してくれないようだ

「握手くらいしてあげなさいよ、ナノ」

ユナが促してくれるけど

「私は不潔なものには触らない主義なのですわ」

「不潔って…」

傷ついた

でもそれじゃあ子作りもできない気がするんですが

「それはそれ、これはこれよ」

臨機応変だった

「とりあえず、ユウトは私たちの夫になるってことでいいわよね?」

「仕方ないですもの。選べる立場でもありませんし」

「ちょっと待ってくださいな!」

なんか2人が俺を置いて話してた

「ユウトもそれでいいんでしょ?」

「悪くないけど!けど!さっき性交論語ったじゃん!」

愛があるからこそうんたらって15分くらい話したじゃん!

「あー…聞いてなかった」

「何かおっしゃってたの?」

聞いていなかったようだ

ひどすぎる…

「つまりですね…お互いのことをわかっていないのに子作りするのはダメなんですよ!愛があるからこそ子ができるんです!」

「じゃあユウトを愛せばいいのね?」

「う、まあ一応そういうこと」

「なら私はユウトを愛すわ」

な、なんだと!

「好きよ…ユウト」

こ、こんなストレートに言われたらもう1人の僕が元気になっちゃう!

鼓動も早くなってヤバイ!

けどけど!

「偽りの愛じゃだめなんですっ!」

「うっ…ならどうしたらいいのよ…」

ユナさんは泣き出してしまった

「…ユウトさん、何ユナをなかしてくれてるんですか?」

それを見てナノカさんが怒り出した

「いや、だって…子作りなんてそんなに焦ってするもんじゃないでしょ!」

そうだ

彼女たちはあまりにも子作りを急いでいる

まるでそれが使命だとでもいうように

「…ユウトさんは異世界からきたんですってね。なら話してあげますわ…この世界について、詳しく」


@


この世界では女が権力を握っていた

男がするのは家事や雑務、子孫を残すこと

男たちは奴隷のように扱われ子供を作るために毎日犯されていた

女は男を自分の子孫を残すための道具としかみていなかった

その様子をみた神が罰を与えたのか、なぜか男の子供が産まれなくなった

産んでも産んでも女女女

男がいなくなるのも時間の問題だった

子孫を残せなくなるという危機に女たちはそれぞれの行動をおこした

男を牢獄に監禁するものもいれば

男を探し回り旅をするものもいる

それでも男がいなくなるという事実は変わらず女達は焦り嘆いた

男をください、と


@


「とある国では1人の男を王としているという噂も聞きますけど…所詮男ですわ。影にお姫様でもいるんでしょう」

「…男を求めて戦争が毎日のように起こってた時もあったのよ。だから…だからこそユウト…あなたを離したくないの」

子供の顔を見たいの


@


整理したいからちょっと時間をください

そう言って喫茶店のトイレに入った

やっぱりトイレが一番落ち着く

「…結構ヤバイ世界なのかもなぁ」

冷静に考えてみると女が悪いという結論になった

自分勝手な行動が身を滅ぼすってやつ

「けど、男がいなくなった時…ユナさんたちは子供をだったんだろうな」

そうなると親がいけないということになる

親のせいで自分の子供を作れないってことか

…一回子作りから離れよう

「言い換えると…男とイチャイチャできない。男を愛せない。恋人ができない。恋ができない…」

恋ができないのか

なんて悲しいんだろう

僕はニートで根暗なキモオタと呼ばれてるけど

それでも恋くらいしたことはある

クラスのアイドル的存在の子に憧れてたりしてたよ

あのときは本当に胸がドキドキして毎日が楽しかった

…結果は言わなくてもわかるはず

「恋くらいして欲しいかもなぁ」

恋できない人生なんてつまんないもん

「…僕ならさせてあげることできるのかな」

ねぇ爺ちゃん

僕はあの子達に

いや

この世界の女の子達に

恋をするということを教えてあげるんでしょうか?

…爺ちゃんの孫だからできると思う

ってかやってやるよ

「それならハーレムだって作れるし!」

元気でてきた!

早速2人に伝えに行く

君たちに恋を教えよう!とか言ってね


@


トイレからでて最初に見たのは倒れているナノカだった

「ナノカ!大丈夫!って血が!え!どうしたの!なっ!えっ!」

普段見慣れていないから慌てまくる

だって血だし!ヤバイし!

「…落ち着きなさいな。こんなの…かすり傷ですわ」

「嘘だ!ちょっとまって!今ハンカチで!」

ナノカの手が僕の手を止めた

「…ユナが戦っていますわ。ユウトさんが…男がいるってばれたから…」

「なっ!」

「…助けに、行ってあげ…て…」

「ナノカさん!!」

ナノカさんの体には剣で切られたような傷がある

僕を守ろうとしたんだ

僕のせいで女の子が傷ついたんだ

「くっそが!!!」

今僕が行ってもどうにもならないかもしれない

けどじっとしていられなかった

「僕は恋の伝道師になるんだよ!!」

だから、ユナさん

生きていてください


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