表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

1

 妖精騎士ルミナリア。


 左手に光翼鳥の刃ファルシヴォル、右手に光冠石の剣レガリス、二つの光を携え、王国の希望となる。




 妖精の女王が治める国から、やや離れた深き森で、30代半ばのドルイドのゼオは、敵軍を待ち構えていた。


 ドクロ山から進軍してくるオークの軍勢300に対し、こちらは10人のドルイド、少数のトレント、ドライアド、フェアリー、そして森そのものが守りについている。


 今まで何度も小競り合いはあった。


 しかし、これほど統制された大規模な攻撃は初めてだ。


 もっと多勢な敵の本隊は、妖精王国と戦闘中である。


 すなわち、エルフの素晴らしきアーチャーや、強く美しい妖精騎士の助けを、今回は得られないのだ。


 鋼の巨人を操る3人の巫女たちは、彼女たちの占いが(うなが)した時しか味方はしてくれず、灰色の洞窟から出ることなく、沈黙を貫いている。


 さらに敵軍は、魔法都市ガイダンの支援を受けているとも聞く。


 戦闘経験豊富な凶暴な戦士と、闇魔法の組み合わせは、想像しただけでゾッとした。


 現在の戦力で生き残るしか道はない。


 ズラリと隊列を並べたオーク軍は、日の出と共に騒々しい銅鑼(どら)を鳴らし、深き森へと侵入を開始した。


 彼らの装備する無骨な鉄鎧のガチャガチャという音が、重苦しい。


 次々と踏み入る敵を、森の仲間が迎え撃った。


 ゼオは戦況を見つつ、的確に味方を援護し、戦線を支える。


 ドルイドの防御と回復に優れた魔法は、守備には有効だ。


 依然として、敵の戦意は旺盛(おうせい)だが、こちらも善戦している。


 問題は、戦いが長引いても、いつものような援軍は来ないということだ。


 突然、ゼオの耳に、仲間のドルイドの叫びが聞こえた。


「ブラックウルフ・ライダーだ!」


 南部に住むハイオークの部族は、驚くべきタフさの大きなブラックウルフを飼い慣らし、馬のように乗りこなす。


 彼らの族長の7人の息子は、その強さから「7牙傑(がけつ)」と呼ばれ、恐れられていた。


 だが、戦いの前、彼らの姿を見た者は居ない。


(そんなバカな!)


 その疑問の答えは、続いて聞こえた仲間の声で判明した。


「ゲートだ!」


 いくつかの条件はあるものの、離れた場所と場所を繋げる魔法を駆使して、ハイオークたちが現れたとするなら、ガイダンの魔法使いたちの介入は事実だということになる。


 絶望感が、ゼオの胸を締めつけた。


 これで、戦局は不利に傾く。


 オーク軍とは逆の方向に開いたゲートから突撃してくるブラックウルフ・ライダーたちは縦横無尽(じゅうおうむじん)に、深き森の軍を切り裂く。


 何とか奮闘し、味方を鼓舞(こぶ)するゼオの前に、大きな黒狼に乗った大柄なハイオークが現れた。


 両刃の戦斧を右手に持ち、長い柄を右肩にかけている。


 鉄鎧に描かれた牙のマークが、彼が「7牙傑」の1人であると示していた。


「ハッ、ハッ!」


 ハイオークが笑った。


「お前はオレを楽しませてくれるのか?」


 ゼオには、荷が重かった。


 しかし、逃げるわけにはいかない。


「ハーッ!」


 ハイオークはブラックウルフを駆り、突進してきた。


 ゼオは地に伏せ、左手を大地につける。


 魔法に呼応した地面が盛り上がり、土の防壁を作った。


 そこにハイオークの渾身の斧撃が炸裂する。


 あまりの衝撃に壁は四散し、ゼオは吹っ飛ばされた。


 何とか立ち上がるものの、全身が痛む。



















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ