Part 4
ショップ「グリモアのアトリエ」、アルビオン 2013年1月9日 13:16
エースは疲れたため息をついた。二日間、巡回任務で徹夜を強いられていたのだ。王国からの宣戦布告を受け、セブ市をめぐる戦闘は不安の種を撒き散らしていた。そのためエースは徹夜でジェード王国からの攻撃に備えた。部下のキアとジェラールはまだ学生だったので、早めに下校するように命じていた。エースは、王直属の騎士である十三花(なぜかメイド服を着た美女ばかり)と自分なら、ジェード帝国からの攻撃を防げると保証した。
十三花の存在は、相手に攻撃を躊躇させるきっかけを与えたかもしれない。エースはある意味嬉しかったが、最強の騎士たちと一緒だからといって油断はできなかった。結局、敵が転向してこなくても、エースは無理やり寝ずにいた。
フワあ
「あの娘たちは本当にすごいな…」 冷たく湿った夜、敵を待ち構え、一歩も動こうとしない十三花たちのことを言っていた。
エースは今、『グリモアアトリエ』という店にいた。靴からドレス、そして女性が好むアクセサリーまで、ありとあらゆるものを作る店だ。真夜中の会衆、特にアルビオンでは、家宝となる可能性のあるブランク・スレートを作ることで、彼の店は最も人気がある。
戦争が迫る中、エースの店は忙しく、今朝だけでも二つのソード家とその部下が店を訪れ、スレートの注文をしていた。
「本当に疲れていないのか?」
エースは、新しく雇ったアシスタントに心配そうな視線を向けた。彼女は客の世話を手伝った後、アトリエ内のビーカーや道具を掃除していた。エリザ・フレミングスという名の彼女は、ひょんなことから真夜中の会衆の活動に関わることになった。おとなしい彼女は、ただ元気いっぱいの笑顔を浮かべた。
「国王がアルビオンの紋章と加護を与えてくださったのだから、その価値に見合う働きをしなくてはならない」行き場のないエリザは、アルビオン国王から直接祝福を受けた。その儀式には、後見人として、そして唯一エリザに国王のアトリエの上の空間での生活と助手として働く場所を勧めてくれたエースが同席していた。
「国王も王妃も優しくて、まるで父と母を思い出させた…」
「信じられないかもしれないが、アルビオンの玉座に座る二人は、エリザの兄弟姉妹ほど幼い…だから、父と母と呼ぶのは…」
エリザがエースの言葉を理解するまで、3秒ほどかかった…「えっ!」
数ある王国の中でも、アルビオン国王の正体は他国に知られていない。国王の側近の間でも、13スード家の跡取り息子だけが正体を知っていた。彼は謎に包まれていた。華やかな印象を受ける一方で、政治的駆け引きも巧みだった。しかし今、その王は軍議を開き、領土防衛に動くよう命じた。
キアとジェラールがカイルとエリザをバビロニア兵から救出した夜、エースはすぐに王に直接状況を報告した。彼の優しさが、少女にアルビオンの紋章を、そして最も苦戦するであろう少年にもう一つの紋章を与えるという作戦を導き出した。舞踏会用の仮面は、彼にクールな優雅さと神秘性を与えていた。
「本当に年寄りだと思っていた…ごめん…」
「気にしないで…」
「今夜もまた戦いがあるの?」エリザはより陰惨な話題へと話題を変えた。
「ええ、怖いんですか?」
「真夜中の会衆は、ずっと良い理想を持つ場所だと思っていました」エリザは、生まれ故郷ではない国で孤独だったからこそ、真夜中の会衆に加わりたいと思った。そして、自分の居場所を作りたかった。今もそう思うが、戦争はどうしても乗り気になれなかった……。
確かに、どの王国にも素晴らしい理想がある。良い理想だと思っているからこそ、それを国の唯一の目標として実現したいのだとも言える。しかし、戦争を起こせば、真夜中の会衆の存在が政府に察知される可能性が高くなり、再び「IUDICIUMの反乱」が起こる可能性が避けられなくなる……それはエースにとっても、アルビオン国王にとっても、到底容認できないことだった。だからこそ、これまでジェイド王国の侵略を容認し、侵略行為を否定し続けてきたのだ。
しかし、公式に認められた今、彼らの選択肢は少なくなってしまった。彼らにできることは、守りたいものを守ることだけだ。
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アルビオンとジェイド帝国の国境線 2013年1月9日 22:16
涼しい風と夕立の湿り気は消え、再び青い月が夜空を支配した。サンパギータの花も満開だった。今夜は二つの王国、二つの軍勢の出会い、そして初めての大戦の始まりを告げる夜だった。エース率いる国境警備隊騎士を中心とするアルビオンと、彼の唯一の仲間であるキアとジェラード、そして王直属の騎士である十三花(わずか13人)の計16名と、ジェイド帝国の前線先遣隊(F.A.T.)の100名が対峙する。
「こちらは人数に対してたった16人しか送ってこないとは、油断はできないのか!?」翡翠帝国の誇り高き兵士の一人が声を上げた。
「油断するな…それとも、前回の侵攻で20名も送り込んだのに、たった3名にしか勝てなかったことを忘れたのか?」 ジェード帝国F.A.T.の将軍は、アルビオンの戦力を決して侮っておらず、部隊に戦闘準備の指示を出した。
「…この大軍。少々、やり過ぎではないか…?」 ジェラールは圧倒的な数に不安を隠せない。普段はテンションの高いキアも、ジェラールの不安を共有していた。
「数が増えると予想する…」 エースは部下の不安をさらに高めたくはなかったが、これから起こる事態に備えさせておく必要があった。…今回の戦いには、前線に投入される少数の戦闘員に加え、多数のサーヴァントを召喚し、自らの代わりに戦う召喚士が多数投入されていた。これで、彼らの顔に浮かぶ100の数字は、間違いなくさらに倍増するだろう。
ジェード帝国の将軍が攻撃を命じるのを聞いて、キアとジェラールは二人とも唾を飲み込んだ。
「公基!」
2013年1月9日 22時25分 4日間続く戦い、「SRPの戦い」が始まる。




