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今後のスケジュール

お久しぶりでございます。

我が家の猫があと1ヵ月以内で寿命を全うするとのことです。

ちゃんお別れができるよう時間を使うことがあるため、今後でてこなくなったら猫の死で落ち込んでるっておもっといてください。



ジョバンニがパーティーに参加するかもと恐ろしい発言をしたことをいまだに覚えていたエレナは医者に試しに聞いてみた。


「…それは無理だろう、君継続的に殴られ続けてきただろう。本能的に冷たすぎるもの、熱いものを拒否しているんだ」

「…そ、それは」

「無意識だからいいんだよ。君の心はなんともない、あんな女って思っているけど体はとても怖がっているんだ。だから、最低でも3か月。ここの場所がちゃんと安全な場所なんだって体が受け入れるようにするべきだ」



ノーストラ家専属の医者であるコデリックさんは昔隣国の研究機関で精神医学について研究していたらしい。心の不健康は体の不健康につながると訴えていたが、それを立証される見込みがないと研究所から追放されノーストラ家で保護された。

腕は確かで、元の世界の医者と変わらないことを言っており、いかにコデリック先生がこの時代に置いては先見の明がある医療を行っていると実感した。


身体が拒否反応を起こしていることに関して、無知であったが今はこうして意識できることになり困ったことに時たまにフラッシュバックを起こすことになった。幻影が重なる、という表現で正しいのだろうか。無性に誰かを守ろうとしてしまい、メイドや遊びに来たマルツィア様などを背後に隠そうとする癖がでてしまう。


医師コデリックさんがフラッシュバックが始まった原因は自分の発言によるものかもしれないと謝ってくれたがそれは違う。と首を横にふった。それでもコデリックさんは今後の過度な負担をかけないようにジョバンニにエレナの状況を説明し3か月は死んでも守れと言ったそうだ。

ロレンツィオ・ノーストラにも発言したそうで、彼はすぐに娘マルツィア、孫ヴォルテール、ジョバンニや重要なポジションにいる従業員の全員を集め今後の方針として「いいか、我が家に可愛らしい宝がきたのだ。愛が大事だ。我がノーストラ家の末娘エレナは心に未だ傷を負っている。手負いの熊のようにはさせん、いいか彼女の祝賀会は3か月後の定期健診でコデリックから許可が出た場合のみ開催する。愛しのジャンニ…可愛らしい花嫁をはやく知らせたいのはよおおく理解はできるが、お前の真の愛情をしっかりエレナに伝えねばいずれエレナにはもっとふさわしい奴に渡すからな」と結構強めに言ったそうだった。


ノーストラ家ではマルツィアが心臓部ではあるが、司令塔は今だ指揮をとるロレンツィオである。

彼は幼少から帝王学を学び、マフィアになるべくして生まれた生粋のマフィア兼貴族である。

己の矜持を貫いており、妥協することは許されない。裏切者にはかなり厳しく接する本物よりのマフィアである。

彼に集められ、周囲の視線を集めたジョバンニは会合の後さすがにしなしなになっていたらしい。

兄のヴォルテールさえ、気休めの水を一瞬で飲み終えてしまうほど緊張していたらしい。



やはりここはマフィア一家なのだろう。普通の貴族ならこんなに圧をかけることはないだろう。

それほどこの家の行うことは一線を画しているのだろう。



「エレナ様」



一連の流れを説明され、メイドのリンに名前を呼ばれる。



「これからの日程ですが、お体は順調に治癒が始まっておりますが、まだ心根が静まってないと承っております。今後としては、お心の療養に専念するためにマルツィア様より治療プロジェクトがございます」

「治療…プロジェクト…?」


聞き慣れない言葉かと思ったが、片仮名が現れ鉄砲豆を喰らう。


「はい、もともと孤児院当てに考えてましたが色々考慮することがありエレナ様でまずはどのような過程が生まれるのか実践的に取り入れるためとのことです」

「それってただの実験台では?」

「いいえ、治療プロジェクトです」



リンは確固たる決意でそう断言した。

そういわれてしまえばそうなのだろうと考えてしまう人間なのでとりあえず聞くだけ聞くかと詳細をうけるとあまりにもファンタジー企画に「やる!」と二言返事をしてしまった。



ーーーー魔法動物の保護活動ってやらない訳、ないでしょうが…!



誰もが一度は心躍る“魔法動物”の飼育はエレナがエレナになる前から気になっていたのだ。

もともと動物が好きなエレナにとって魔法動物は夢のまた夢のような存在なのだ。

彼らに出会い、懐いてもらえると考えると普通にうれしすぎて昇天してしまいそうだ。


エレナは残り2か月間、座学をベースに魔法動物の保護に尽力をささげることとなった。





ご拝読ありがとうございました。

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