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第四話 槍騎士と仮面の武術家

SIDE:サンダン


「あっちにガイさんがいるってことは、あなたが僕と戦うってことでいいですよね。ナナシさん。」

僕は目の前の飄々とした態度の仮面の男に向かって言った。相手も武術家のはずなのになぜか武装がほとんどない........というか普段着だ。僕でさえナックルをつけているのに、なんだか不気味だ。

「まぁ、そーなるよね。ところでさ、君の周りを回ってるその鏡は何なのさ?はっきり言って怖いんだけど?」

「それに関しては答えませんよ。戦ってみればわかることです。」

と、僕は僕の周りにある鏡、〈鏡の国の牢獄(シュピーゲルジェイル)〉を指さして言った。

僕のスキル、〈鏡よ鏡(ミラージュ)〉の能力は「鏡と鏡をつなげる」というものが多い。そのうちの一つ、〈鏡の国の牢獄(シュピーゲルジェイル)〉は僕の体の周りに張り巡らせた鏡が僕に加えられた衝撃や魔法を別の鏡か「鏡世界(ミラーメイズ)」に転移させてダメージを軽減する、という能力だ。そのおかげで僕は高火力攻撃を食らってもしばらくは耐えられる。

「答えてくれないなら仕方ない。・・・・本気で行くよ。」

ふっと笑うと目の前のナナシが光りだした。

「〈武装変更(アーマーチェンジ)戦闘態勢(バトルモード)〉!」

確かこれは、光魔法の一種で一瞬で武装するといった風な能力だったはず。ということは、やはり素手だったのはフェイクか。ならば今のうちに仕掛ける!

「〈武装籠手能力(ガントレットスキル)衝撃強化(インパクトブロウ)〉!」

僕のナックルに刻印された魔法を発動させ、ナナシに向かって殴り掛かる。すると、覆っていた光がはじけ、内部のナナシが見えた........と思った瞬間、ナナシが消えた。

「なっ!?」

僕の拳は空を切り、地面を殴りつけ、土ぼこりが舞った。すぐに体勢を立て直し、立ち上がった瞬間、後ろから殴りつけられた。

「カハッ....!」

「おや、そこまで効いてないか。やっぱりその鏡は衝撃吸収か。」

後ろから声が聞こえ、振り向くとナナシがいた。しかし、その体は黒い拘束着と鈍い光を放つ黒鉄の拘束用のナックルのような大きさをした手錠に包まれていた。

「なんでそんな恰好をしてるんだ............?」

「いやあ、僕のスキルは厄介でね。攻撃力やスピードが上がる代わりに、防御力がすごい下がるんだよね。だからこういう防御がたくさん上がるのを着てるんだよ。でも、鎧なんかじゃまだ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()脆いままなんだよね。だから防御力が最大の()()()()()()()()()()()()()を着てるってこと。それだけの代償を払ってるんだから、攻撃力とスピードの上り幅は........わかるよね?」

ニヤッとした笑みを浮かべたナナシを見て僕は怖気が走った。犯罪者用の拘束着なんて一般人なら着ただけで動けなくなるし、犯罪者が引きちぎれないよう硬く作ってある。それを準一級犯罪者用のものを着てるってことは防御力もその分高いはず、なのにそうでもしないといけないぐらいの代償があるスキルということは.........それだけの能力上昇があるということだ。

「じゃあ、()()()()()()().......追いつけるかな?」

その瞬間、ナナシの姿が消え体に強い衝撃が加わった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


SIDE:メルト


槍と剣の打ち合う音が響く。

「おいおい、そんなもんか武闘大会の準優勝者さんよぉ!」

口汚く罵りながら槍を受け流し、切り返す。最初に切り合わせたとき、すぐに分かった。「こいつは強い」と。威圧感も半端じゃない。こうやって強がっていないと今にも立ちすくみそうだ。

「テメェに言いたいことは多々あるが、まず一つ。」

唐突に、平気そうな顔をしながらガイが口を開いた。

「お前はまったく『こんなもんか』なんて思ってねぇだろ。切り返し方を見てりゃあわかる・・・必死だろ?テメエは」

ハッとして、少し切り返すタイミングが遅れた。左肩に衝撃が加わり、少し熱を感じる。

「・・・だったらなんだってんだよ!」

「二つ。お前の力では俺に勝つことはできない。力に技がついてきてねぇんだよ、テメエはな。」

大きく切りかかった俺の剣が弾かれ、体制を崩した。

「三つ。これが一番言いたかったことだが。」

そこでガイは一呼吸つき、槍を深く構えてから言った。

「俺は()()()()()()()

「なっ!?」

あいつ(サンダン)の情報が間違ってんだよ。俺達は()()()()()()()だけだ」

そう、言い切ったと同時にガイが槍を突き、俺の剣が弾きとばされた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


SIDE:フェイ


「まずいっ..........!!」

城から戦況が見えているボクはサンダンとメルト、どちらに助けに行こうか考えていた。

今は一応城の防衛をしているが、サンダンもメルトも押されている。

「しょうがない.......〈多数思念通信(アーミー・テレパシ)〉!」

発動させたのは同時に多人数が思念で通信をできるようにする魔法だ。便利な代わりに、発動させるのに結構な魔力が必要になる。

「サンダン!メルト!大丈夫!?」

『フェイ!僕、結構ヤバ......ゴハッ!』

『おうフェイ!俺も結構ヤバい......けど、()()使っていいなら何とかなりそう!』

「わかった。.......まあ今回はしょうがない、使っていいよ。」

『うっしゃあ!了解っ!』

「サンダンのほうには今からボクが向かう!ちょっとだけ持ちこたえて!」

『了か...グフッ』

『大丈夫かサンダン!!』

「今すぐ行くからねー!!じゃあ、」

「『反撃開始だ!』」


次回、反撃開始。



『ゴハッ』

『サンダン~!』

結構間が空いてしまいましたがすいませんでした!次回かその次で決着がつくと思います。お楽しみに!

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