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橘彰の受難

女心わからん(中学2年)

作者: 中根玲

「どうしてこうなった」


12月の初め、中学2年生の俺、橘彰(たちばなあきら)はストーカーと呼ばれ、一部の女子から蔑まれていた


事の発端は今年の9月にまで遡る

俺は当時席が隣だった同級生の池田真美と仲が良かったが、真美は少し(?)おっちょこちょいなところがあり、見ていて危なっかしかった


そんな真美だったが、親友の芦沢由実(あしざわゆみ)と一緒にいる時は比較的落ち着いていて、安心して見ていられた

それを口に出したのが間違いだった


「芦沢と一緒にいると危なっかしくなくてそいつ(真美)安心して見てられるわ」

「見てられるって何?真美ちゃん見るのが趣味ってこと?ストーカーじゃん!w」


そこから芦沢は仲の良い女子たちに俺が真美のストーカーであると言う噂を流し始めた


途中で噂を聞いて俺が真美のことを好きだと勘違いした女子が真美の連絡先を俺に渡してくるハプニングもあったが、それ以外は芦沢の思った通りに事が運んだ

3ヶ月も経つ頃には俺は学年の半数からストーカーと言われるとようになっていた


そんなある日

『彰がストーカーって呼ばれなくなるかもしれない』

と真美からメッセージが来た


正直俺はこの段階でかなり精神が落ち込んでいたので今さら呼ばれなくなってもどうでもいいと思い、送られてくるメッセージを流し読みしていたのだが、要約すると

真美にも良くわからないが芦沢から唐突に

『この事態が終わるかもしれない』

と言われたらしい


このときの俺はそもそも言い始めたのが芦沢であることも半分忘れて呆然と終わるのかーとだけ考えていた


翌日、放課後に俺は芦沢に呼び出されて屋上に来ていた


「真美ちゃんからこの事態が終わるかもって話聞いた?」

「そもそも始めたのお前だろ」

質問は無視して不快感を隠そうともせずに吐き捨てる


「そうなんだけどさ、私、彰のことすきなんだよね!」

「──え?」


あまりにも唐突な告白に俺の思考は停止した


「最初はちょっと怖い人かなって思ってたんだけど意外と優しくて──」


聞いてもいないのに俺の好きなところを話し始めたが、不快感が強すぎて覚えていない


「俺のこと好きならなんであんなこと(ストーカーという噂を広める)したの?」

告白を受ける気は毛頭ないが、純粋な疑問をぶつける


「彰と真美ちゃん、隣の席で仲良くしてたから嫉妬しちゃって」

「そうか」

あまりにも理解できない言葉に理解を諦める


「それで、返事って」

「ごめんなさい」

「そう、だよね…ごめんね…」



これ以降俺はストーカーよりも芦沢を手酷くフったとして女子から目の敵にされ、睨まれることはなかったが、友達に愚痴ったのがどこかから漏れたらしく、女子たちも芦沢の異常性に気づき、俺に向けられる視線は少しずつ軽蔑よりも憐憫を含んだものになっていった



2ヶ月後、俺はその先に待ち受ける地獄も知らずに真美からの告白を受け、付き合うことになるのだが、これは別の話



余談だが、芦沢は別の男子にも粘着したあとに告白、見事玉砕し、3年生に進級すると同時に他校に転校していった




女心ってわからない

深夜テンションで書いた作品の前日譚です

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