一時の休み
街の入口は巨大な門が構えており、門番も立っていた。
「姫様、ご無事で」
門番の一人が俺らに気付き声をかけてくる。
「はい、今日もお勤めご苦労さまです」
「あ、ありがとうございます!!」
門番は感激し泣き始めた。
巨大な狼を見て少し怪訝な顔をされたが、姫様の顔パスで俺もすんなりと中に入れた。
「あっ、リリアン様だ」
街の中に入るとリリアンに気付いた子ども達が声をかけてくる。
「リリアン様、今日採れたてのリンゴです、お食べください」
「リリアン様、先日はご相談に乗っていただきありがとうございました」
「リリアン様ー!愛くるしいお姿をありがとうございます」
街を歩いているだけで、道行く人達から声をかけられる。
リリアンは全て笑顔で受け答えしている。
こうして見ていると、リリアンは姫でありながら庶民と別け隔てなく接しているようだ。
街の人達からの人気が凄い。
「刃、お前は今日の宿はまだであろう」
「あっ、そういえば無いです」
「お主の宿はこちらで手配しておく。そこの角を左に曲がった先に大楽園という宿があるから、そこで今日は休むがいい」
大楽園、ラブホテルみたいな名前だな。
「ありがとうございます」
「では、助けていただいたお礼はまた改めて」
リリアンの笑顔が眩しい。
「準備が出来たら使いを寄越す。それまで休め」
ヴィクトリアはリリアンを伴い城へ向かっていった。
「何とか街へと辿り着けたな」
「うおっ、フェンリルいきなり話しかけないでくれ」
「私が居たら目立つ。ゆっくり休ませてもらおう」
そう言ってフェンリルは瞬時に姿を消した。
「何なんだあいつは」
俺の言葉は宙を舞う。
ヴィクトリアに指示された通り歩き、無事に大楽園へと辿り着いた。
見た目は超豪華で、いかにも高そうなホテルだった。
仕事が早すぎるのか、フロントに俺の名前を言ったら笑顔で部屋へと案内してくれた。
部屋のプレートには絶頂の間と記されてあった。
絶対ラブホだろここ。
部屋に入ると豪華なスイートルームが広がっている。
「すげー豪華!」
自分がセレブになったような気がしてくる。
キングサイズのベッドに横になっているとドアがコンコンと鳴る。
「はーい」
ドアを開けると目の前には眼帯美女が立っていた。
銀髪のロングヘアーに黄金に輝く目。
黒い眼帯の中央に青い薔薇が描かれている。
そして青い鎧を着ていて、腰には2振りの剣を帯刀していた。
そして何より、鎧を壊さんとはち切れんばかりの主張をしているおっぱい。
俺の息子も急速に元気になっていく。
「ん?髪の色が茶色ではなく、眼帯着けてるから気付きにくかったけど」
俺は大声で叫んだ。
「美園ねねちゃん!!」
最強のJカップ美女、美園ねねちゃんが目の前に立っていた。