王国の姫
「そういえば、この狼はあなたのペットでしょうか?」
リリアンがフェンリルを見ながら問いかけてくる。
「あー…こいつはペットというか相棒みたいな奴です。多分襲わないと思うので安心してください」
「安心できるか」
ヴィクトリアがツッコむ。
「でも、今のところは大丈夫そうですね。そしたら参りましょう」
リリアンは特に気にした様子も無く歩き出す。
「このエルミンデア王国はアウロリア大陸の中にあります」
リリアンが歩きながら説明し始める。
ピンクのドレスの上からでも分かる巨乳がゆさゆさと揺れている。
眼福だ。
「アウロリア大陸にはエルミンデア王国、ヴェルドラ共和国、セレスティア王国、クリスタリア公国、そしてマルキス連邦の5つの国があります」
リリアンのおっぱいから目が離せない。
「現在は皇暦369年。エルミンデア王国が建国して369年経ちます。各国はそれぞれの文化を築き、独自の国家として発展、大陸内の多様性と交流を築き上げています」
リリアンの説明を聞くと改めて異世界に来たんだなと思う。
果たして帰れるのだろうか。
「あっ、すみませんちょっと」
2人はなんだとはてな顔をしている。
「放尿してきます」
「別の言い方は無かったのか」
ヴィクトリアが額に手を当て呆れている。
俺は草むらに入り、ズボンを下ろす。
ギンギンにそびえ立つ息子がお出ましになる。
「我慢できるわけねー!」
俺は2人のおっぱいを思い浮かべながら高速で手を動かす。
「うっ」
勢い良く射精してスッキリし、お昼の日課を終えた。
「すみません、お待たせしました」
「遅かったな」
ヴィクトリアに釘を差されながらも再び街へ向け歩き出す。
そうこう話しながら歩いていると遠くに街並みが見えてきた。
街道も人通りが増え、馬車もよく通るようになった。
「あれがエルミンデア王国を象徴するグランベリー城だ」
ヴィクトリアが指を指す。
街の中央に巨大な城が建っている。
青い屋根に真っ白な外壁の城、まるで大人気のネズミのキャラクターが住んでそうな城だ。
「姫様はあちらに住んでらっしゃる」
「すげー」
俺は感嘆の声を出す。
「ところで、あんな巨大なお城に住んでる姫様が何故森の中にいたんですか?」
今思えば不思議だった。
「それは…」
「あの森の主を倒すためだ」
リリアンを遮りヴィクトリアが話し始める。
「あの森には闇の者達の巣窟になってしまったのだ。セレスティア王国を繋ぐ街道の途中にあるのだが、貿易の品を運ぶ最中に闇の者達に襲われてな。困っている状況なんだ」
「それを何とかしたくて…」
「一国の姫様が自ら出ていく必要があるんですか?」
「私は何度も止めたが姫様の意志は固くてな。だから護衛として一緒に来ているのだ」
「いや、でも2人って」
闇の者達を何とかしたいのは分かるが、姫様と女騎士2人だけでは危険すぎる。
「ヴィクトリアはこの国1番の騎士です。たとえ男の人が100人かかってきても物ともしないでしょう」
「そんなに強いんですか!?」
「あなたも見れば分かりますよ」
リリアンは相当ヴィクトリアを信用しているようで、自身もあるようだ。
2人の信頼関係は強そうだなと思いながら歩いていると、街の入口に到着していた。