二人の女優
「えっ!?あなたは誰でしょう?」
目の前のももちゃんが目を丸くして俺を見ている。
「あっ」
俺は片膝をつき頭を垂れる。
「あっ、失礼しました。俺は刃です。」
緊張のせいか敬語をうまく話せなかった。
「俺…わ、私は貴女の大ファンで御座いまして、デビュー当時から注目しており、いまや最新作まで全て動画を購入済みで御座います。毎晩毎晩お世話になっております。」
「わたくしの大ファンなのですね!ありがとうございます!」
「はい!もちろん!最新作の『Hカップで挟んで貴方の愛液頂きます』は最高でした。まさかももちゃんがアソコの毛を全部剃ってしまうとはビックリ仰天です!」
「はぁ…」
ヤバい、熱が高すぎたと俺は思った。
「そのー、ももちゃんて誰ですか?」
「えっ?」
目の前のももちゃんははてな顔で俺を見つめている。
「いや、恋鐘ももちゃんですよね?セクシー女優の」
「いや、私は…」
その時遠くから女性の声が聞こえてきた。
「姫様ー!」
黒い髪を後ろで束ね、青い鎧に身を包んだ女騎士が走ってくる。
「ん?」
女騎士はももちゃんと俺、フェンリルを見た瞬間顔色を変え剣を抜き放つ。
「姫様から離れろ!」
女は疾走に変わり俺に剣を振り下ろしてきた。
「うおっ」
兼定で受け止め弾き返すも、剣戟の猛攻。
女騎士は一旦距離を取り剣を正眼に構え。
「吠えろアマテラス、唸れ…」
「待って下さい!」
ももちゃんが女騎士に叫んだ。
「その方は私を助けて下さった方です。無礼は許しません!」
「はっ!」
女騎士はももちゃんの一声ですぐに剣を収めた。
「姫様、失礼いたしました」
「いえ、大丈夫です。ありがとうヴィクトリア」
ヴィクトリアと呼ばれた女騎士は頭を垂れた。
俺は気づく。
ん?この顔はまさか!
「滝川ゆあちゃん!」
二人の女性は俺をみた。
「あの熱烈Fカップボディに、スラッとしたくびれ、キリッとした目にぷっくり唇でチャームポイントは口の下のほくろ!おぉ!こんなところに推しの最強女優が2人も!」
俺は嬉しすぎて涙が出てきた。