死闘の報酬
深淵の王が灰となって霧散すると同時に、森を支配していた不浄な冷気が嘘のように晴れ渡った。
木々の間から柔らかな陽光が差し込み、平穏な森の静寂が戻ってくる。
「……ふぅ。これで少しはレベルが上がったか」
俺は返り血を拭い、刀を腰に帯び直すと、心地よい肉体の疲労感とともに街への帰路についた。
その頃。
エルミンデア王国の遥か北方に位置する、軍事国家『ヴェルドラ共和国』。
不気味な静寂を纏った夜に沈む漆黒の城内では、悍ましくも淫らな宴が繰り広げられていた。
「あ、あぁ……っ! はぁっ、あぁああ……っ!!」
部屋の中に響くのは、高熱に浮かされたような女の狂おしい悲鳴。
独特な精の匂いと、甘ったるい愛液の香りが充満する広大な寝室。
そこには、全裸で虚脱状態に陥った四人の美女が、文字通り「ゴミ」のように転がされていた。
いずれも他国で「最強」の名を欲しいままにした女騎士や聖女たちだが、今はただ、股間を無様に開かれ、だらしなく中出しされた精液を溢れさせながら、白目を剥いて失神している。
パンッ、パンッ、パンッ!!
肉と肉がぶつかり合う、鈍く暴力的な音が室内に反響する。
ベッドの上では、男が五人目の「苗床」――王宮のメイドを、獣のごとき狂気で貫いていた。
「や、あぁぁ! 壊れる、そこ、奥すぎっ……! 抜いて、ひぐっ、あぁぁぁあ!!」
女は、涙とよだれで顔をぐちゃぐちゃに濡らし、狂ったように頭を振る。
男の巨大な剛棒が、彼女の狭い産道をミシミシと押し広げ、子宮口を容赦なく叩き潰していた。
男が腰を叩きつけるたびに、女の豊かな乳房が激しく弾み、快楽の限界を超えた引き攣った喘ぎ声が漏れる。
「……ふん、これしきで壊れるか」
「いやぁぁ! もう、入らな、ひ、ぎぃぃぃぃぃっ!!」
男が低く唸り、最後の猛りを込めて腰を深く沈めた。
血管が鋼のように浮き上がった男の筋肉が、爆発的な熱量とともに脈打つ。
次の瞬間、女の胎内、最も深い場所へと、灼熱の「精」が怒涛の勢いで射出された。
「あ、あ、がぁぁぁああぁぁぁぁぁっ!!」
女は全身を弓なりに反らせ、喉を枯らして絶叫した。
ドクドクと注ぎ込まれる膨大なエネルギーに、女の脳は真っ白に焼き切れ、全身の穴という穴から力が抜け落ちる。
そのまま痙攣を繰り返し、五人目の犠牲者もまた、汚された肉体を晒して意識の深淵へと沈んでいった。
男は荒い呼吸ひとつ乱さず、股間を白濁した粘液で汚したまま、ぐったりとした女を足蹴にしてベッドから降りた。
全裸のまま月明かりの差すベランダへと歩み出すその姿は、一人の女を使い潰したことで、さらに凶悪な魔力を全身から放っている。
男は冷徹な眼差しでエルミンデアの夜空を睨み、愉悦を隠さぬ声で呟いた。
「……面白い。俺以外に『覇射』の気配がするな」
暗雲が月を隠し、夜はいっそう深く、重く沈んでいった。
王都に戻る頃には、すっかり夜は更けていた。
戦いの緊張が解けると、猛烈な空腹感が襲ってくる。
俺はふと、路地裏の一軒の食堂の看板に目を止めた。
「……『快楽亭』? どんな名前だよ。風俗店か何かか?」
思わず突っ込んだが、漂ってくるスパイスの香りは本物だった。
誘われるままに暖簾をくぐると、人の良さそうな大将が声をかけてくる。
「いらっしゃい! 兄さん、いい体してるね。
うちは飯で『快楽』を与えるのがモットーなんだ。オススメは絶品カレーだよ!」
「……ああ、それをお願いします」
運ばれてきた一皿から立ち昇る湯気は、もはや芳香の暴力だった。
数十種のスパイスが複雑に絡み合い、鼻腔の奥を熱く刺激する。
漆黒に近いほど煮込まれたルーは、熟成された肉の脂で宝石のように鈍く光っている。
スプーンですくい上げ、口へと運ぶ。
(……ッ!! なんだこれ、めちゃくちゃうめえ……!)
舌に乗せた瞬間に、ホロリと崩れるまで煮込まれた大ぶりの牛肉。
噛みしめるたびに、溢れ出す芳醇な肉汁とスパイスの辛みが脳を直接揺さぶり、五感を強制的に覚醒させる。
後から追いかけてくる野菜の濃厚な甘みが、痺れた舌を優しく包み込む。
白飯の熱とともに喉を通り抜けるたび、戦いで消耗した俺の細胞一つ一つに、熱いエネルギーが充填されていくのがわかった。
(……文字通り『快楽』だわこれ。名前負けしてねえな……)
汗を拭いながら一気に完食し、満足感に包まれながら城の自室へと戻る。
服を脱ぎ捨て、湯気の立つ風呂に浸かった瞬間、今日一番の吐息が漏れた。
(……さて。今日のルーティン)
湯船の中で、俺は迷わず自分のモノを握った。
一日の毒が抜け、研ぎ澄まされたコンディションが整った。
俺はそのままベッドへ倒れ込み、泥のような深い眠りについた。
——翌朝。
「刃! 起きろ! 緊急召集だ!!」
部屋の扉を叩き割らんばかりの勢いで、ヴィクトリアの声が響く。




