剣聖はハーレムを築く
「はぁ、はぁ、はぁ、うっ」
俺はスマホの画面を眺めて事を達していた。
「やっぱ恋鐘ももちゃんは最高だな」
スマホに映る映像を眺めながらトイレから出る。
学校でやるやつなど居ないと思うが1日3回のルーティンをこなすにはどうしても必要な儀式だった。
同級生からバレないように毎回トイレの場所と時間を変えている。
うん、バレてないと思う。
いつの頃からだろう、1日3回のルーティンは出来上がっていた。
もしかしたら恋鐘ももちゃんを観た日からかもしれない。
「おい、刃!お前どこ行ってたんだよ」
同級生の研二から声を掛けられる。
研二とは幼稚園の頃から一緒で高校も同じという腐れ縁だ。
親同士も仲良く、BBQなど一緒にやっている。
「悪りぃトイレだよ」
「お前は毎日快便だな」
「健康的だろ」
研二とは毎日このような会話を繰り返している。
「午後の授業始まるぞ」
「おう、教室戻ろうぜ」
俺のルーティンはバレたことがない。
教室に戻りながら研二がニヤリと笑う。
「で、今日もももちゃんか」
ゲッという俺の顔を見て研二が爆笑する。
「もしかして知っていたのか」
「だいぶ前からな」
「まじかー!!!!」
俺の声が校内中に響き渡った。
放課後に聞いたが研二は俺が昼休みに行くトイレを不審に思い、跡をつけていたとの事。
イヤホンから漏れるももちゃんの声で分かったと。
なんとも不覚。
そして一生の後悔。
だが研二は自分以外は知らないし話さないと約束してくれた。
流石俺の心の友だ。
そんなこんなで学校から帰り夕食を食べ、いまに至る。
「さて、夜の部を始めますか」
部屋の鍵を閉め、ズボンを脱ぎ恋鐘ももちゃんの映像を映す。
ももちゃんはセクシー女優の新人として現わるスーパールーキーだ。
大きなタレ目に、ぷっくりとした唇、世の男を悶絶させる笑顔、そして何よりHカップという破壊力。
非の打ち所がない完璧さだった。
映像の中のももちゃんを観ているとボルテージが上がりMAXになり絶頂。
頭が真っ白になって行く。
本日3回目の発射の余韻に浸り、目を開けると目の前には森が広がっていた。
「はっ?」
さっきまで自分の部屋にいたのに理解が追い付かない。
「えっ、ここはどこだ」
森の中がざわめき鳥たちが飛び去るが、どの鳥も見たことない種類ばかりだった。
鳥以外にも、目の前を小動物が横切るが日本はおろか世界でも見たことない紫色のリスだった。
「服は着ているし、どこも怪我はしていない」
俺は立ち上がりながら自分を状況を確認して行く。
聞いたことのない鳥の鳴き声が響く。
周辺を見渡しながら歩いてみるが、森が広がるばかりだった。
「これって、異世界かー!!」
俺の声が森に響きわたった。