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小さなエルフの子 マーヤ  作者: 迷子のハッチ
第2章 神聖同盟の国々
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第53話・2 カー爺の提案(2)

 王様から再び呼び出されるまで、ホテルで待つ事になった。

 王様との話し合いが行われた後、結論が出るまで待っている様に言われた。

 その日から既に三日たった。

 その間、ホテルローデシアの上の階に在る、王家が宿泊代を払っている部屋で何もしないまま過ごしている。


 やる事はそれぞれあるので、皆自分の部屋(腕輪の空間収納)で色々しているらしい。

 私はポリィーとマイセル君のお世話のお手伝いの他には、保存食やお菓子などを作っているので結構忙しい。


 神域へはワイバーン達の様子を見に行った、家には寂しくなるので寄ってない。

 ラーファが居ないので、キーグも寂しそうにしていた。

 ピースィは、成熟する前なのでワイバーンを増やすのはまだ先だろう。

 (イガジャ領へ贈ったラーファの餞別(飛竜の卵)は卵母細胞を採取して作った byマーヤ)


 他にも神域の作り込みや改造は一通り終わったので、育てる植物や動物の種類を増やしたり、発生させる鉱物の量を増やしたりしている。

 神域の神力(魔力)を大量に使うような事は何度も出来無いので一通り増やした後は、増やす事よりもちょっとした改造や修正を主に行っている。

 そう言った事情もあり、今は動物より植物の方を主に品種改良して、様々な作物を作っている。


 カカリ村に居た時最後に作ったのは、ゴムの樹液を出すトレント種のゴムの木だった。

 今は、砂糖を作るためにサトウキビ、甜菜、楓の木などを新たに作って神域に植えている。


 ポリィーは砂糖が簡単に手に入るようになったので、お菓子作りに熱心に取り組んでいる。

 勿論神域からの持ち込みだとは言っていないけど、薄々察している様だ。

 神域では無くスキルの空間収納からだと思っているのだろう。


 ワイバーンが住んでいるぐらいだから、ポリィーも私が持ってる|スキル(空間収納)がとても大きい事は知っている。

 私が赤ん坊の頃、その空間に入れられていて、ラーファがこっそりと育てていた事も知られている。


 其処に置いてある在庫から少しづつ持ち出していると思っている様だ。

 この頃持ち出しが多くなって、在庫がなくなりはしないかと心配したのか、しきりに節約をしようとか言い出した。


 私たち以外は、ホテルから出歩いてミンスト市の中を目的が在るのか知らないけど出歩いている。

 食事で皆が集まった時、好奇心から話題にしてみた。


 「私とポリィー以外は皆今日は出かけていたけど、何処へ行ってたの?」


 「儂は、スマイラス(ミンストの影の組織の長)と話していただけじゃよ。」


 カー爺は中身は言いませんが、色々打ち合わせているようです。

 其の内何か進展が在れば教えてくれるでしょう。


 「俺とダルトは傭兵ギルドに行っていたよ。」

 「傭兵クラン”緑の枝葉”の全員の昇格が決まった事の確認とギルドから幾つかの話についてどう思うか聞かれたぐらいだな。」


 アントさんとダルトさんは傭兵ギルドへ呼ばれて行ってたようです。

 カー爺の代わりに行っていた様で、傭兵ギルドの話が気になる所ですが、まだ話す程の事では無いようです。

 恐らく、傭兵ギルドが求める事への傭兵クラン”緑の枝葉”の反応を探っているのでしょう。


 傭兵ギルドの思惑はダンジョンの探索か、ギルド専属とかそのあたりだと思っています。

 スタンビードの終わった後のダンジョンは魔物の発生が一時的に止まっています。

 ダンジョンの深層を探索するには絶好の機会なので傭兵ギルド以外にも個人の探索者が幾組も潜っているそうです。


 今の所、10層までで魔物は居ないとしか聞いていませんが、探索者はもっと奥まで入っているのでしょう。

 ギルドも魔物の発生が無い内に最深部を探りたいと考えても不思議ではありません。


 他にも、今回の魔物の落として行った物を売り、食料を購入するための商人の活動が活発になっているそうです。

 その護衛依頼が傭兵ギルドに殺到しているそうで、私たちに護衛依頼を受けれるか聞いたのでしょう。


 ケンドルさんは「別に変らんよ、材料になる鉄や銅などを購入しに行っただけだ。」


 と相変わらず鍛冶や修理をしているようです。


 次の日、傭兵ギルで私たちに新しい傭兵ギルドの会員札を渡されました。

 何時ものように名前を呼ばれ一人一人に新しい会員証(札)が渡されます。


 皆揃って、ギルドの階級が一つ上がったのです。

 ギルドランクは5級のカー爺が4級に、7級のアントさんとダルトさんは6級に、8級のポリィーは7級になりました。


 10級だった私とケンドルさんは9級になって、ミンストの傭兵ギルドに正式に傭兵として登録されました。

 これで、傭兵ギルドが在る国へは自由に出入り出来る事になります。

 マイセル君は傭兵クラン”緑の枝葉”の一員ですが、傭兵ギルドの会員では無いのでそのままです。


 今までの木札から9級と刻印された金属の札に変わったギルド会員章を見ながら嬉しさがこみ上げてきます。

 なんだかとっても嬉しいです。私も一人前の傭兵になったのですから。


 と言っても見習いから駆け出しになっただけですが。

 見習いは登録したギルドだけの会員なのに対して、駆け出しとは言え9級は何処のギルドへ行っても通用する会員なのですから。


 王様からの連絡がカー爺に在ったのは、10月も終わりに近い29日でした。

 スタンビードが有ったのが22日なので、次の日から6日も待っていた事になります。


 次の日全員で王宮へ再び行く事になりました。


 次回は再び王様と話します。

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