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小さなエルフの子 マーヤ  作者: 迷子のハッチ
第2章 神聖同盟の国々
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第36話・6 商人と言えど油断大敵

 野営するマーヤ達に商人が引き連れた一団が襲って来た。

 今日の野営地は先ほどすれ違った一団とは3ワーク(4.5㎞)以上離れた場所です。あまり大きな空地では無かったので、街道沿いになりました。

 ゴーレム馬は鞍を外して解除し、土の塊にします。明日もゴーレムを作る時使えるので土の塊はそのままにしています。


 今日は早めに結界を張ります。街道にはみ出さない様、少し小さめの光の結界です。

 『わが身に宿る聖なる光よ、皆を守り、助ける壁と成れ!』

 「聖光セイントライト


 結界を張り終えると夕食の準備です。


 今日は既に暗くなっていたので焚き付け用の柴は集めず、ポリィーが魔術で竈の薪に火を付けました。魔術で薪に火をつけるのは、火が付くまで時間が掛かるので魔力の消費が多くなって大変なのです。

 今日の夕ご飯は昼のピクルスとハムを挟んだパンが男共に不評だったので、ソーセージを沢山入れたポトフです、野菜がたっぷり入っています。


 カー爺たちはステーキが食べたければ、王都に着いてから食べれば良いのです。


 カー爺たちが食後のお酒を飲んでいますが量を控えているようです。どうも商人たちの馬車を見ている様子が怪しかったそうで、警戒する事にしたらしい。

 私はすれ違う時馬車の後ろから見ていたのですが、誰が商人やら護衛なのか良く分かりません。商人なら襲われる事は在っても襲って来ることは無いでしょう。


 食後の片付けを終わらせ、寝る用意をするため、部屋(腕輪の空間収納)でシャワーを浴びていた時です。私の空間把握に大勢の人が近寄って来るのを把握しました。

 急いで体を拭き、脱いだ服をもう一度着ます。戦闘になるかもしれないので、汚れても良い服にしました。


 馬車の中から焚火の側で不寝番の準備をしているカー爺に呼びかけます。

 「カー爺、大勢の人が近寄って来るよ!」


 カー爺がチョット考えた後、返してきました。

 「商人らがった場所の方からか?」


 「うん、街道を通らずに森を歩いてくるよ」私が状況を説明する。


 「今日の結界は何時もより小さいが、もっと小さくする事はできるかの?」


 うーん、もっと小さくですか? 出来無い事も無いけど半球形のままだと、小さくすると結界の端で頭が結界から出て危険だわ。いっそ円柱型にして、上の蓋を半球型にしてみようかしら。

 考えれば考える程その方が動きやすいように思う。決めると直ぐに結界を張り直す事にした。

 「全員結界を張り直すから、馬車の中へ避難してね」


 ぞろぞろと皆が馬車の中へと入って行く、カー爺が馬車の中から「入ったぞ。」と知らせてくれる。

 私は馬車の御者席に座り、もう一度張る位置を確認する。中心は私、囲う範囲は馬車と竈ぐらいまでにする。


 では、前の結界は消して、新しく光の結界を張り直しましょう。

 地面に円柱型の結界を立てて、上蓋を半球形にする。頭の中で陣をしっかりと描く。

 『わが身に宿る聖なる光よ、皆を守り、助ける壁と成れ!』

 「聖光セイントライト


 馬車と竈を囲うように円柱状に結界を張る。ちゃんと上は半球形の屋根になっている。

 結構狭い範囲の結界になったけど、囲った馬車と竈の間ぐらいなら動ける位の広さがある。


 「カー爺、結界張れたよ」馬車の中のカー爺たちに知らせる。


 「どれどれ。」


 みんな出て来て、新しい結界を調べ始めた。みんな魔力視を持っているので、頑張って目に魔力を籠めれば結界を見る事が出来る。

 「ふむ! このくらいなら奴らが近寄っても結界に弾かれる位置まで来ることはあるまい。」


 いったいカー爺は何を考えているのでしょう?

 敵を引き付けてから叩く?

 前の結界でも良いよね。もっと肉薄させて集まったところを一気に叩くとか?


 敵の殲滅位手段を問わなければ今すぐにでも出来るけど? 魔力マシマシの火球だと、森が火事になっちゃうからできないかぁ。


 色々考えていたら敵の集団が馬車の周りを取り囲み、ジワジワと輪を縮めてきました。


 私たちは迎え撃つ体制を取ります。馬車と竈の間にカー爺、その後ろにアントさんとダルトさんが背中合わせに立って居ます。

 ケンドルさんは馬車の御者席に、ポリィーと私とマイセル君は私の部屋(腕輪の空間収納)に入っています。


 ポリィーと私は使い魔を召喚して、迷宮灰色狼にパライズの魔術を付与します。カー爺が「殺すな、儂に考えがある。」と言ったので使い魔に付与するのをパライズにしたのです。

 後は追いはぎ強盗の商人一団が襲ってくれば後ろの人間から麻痺させていくだけです。


 馬車を取り囲んだ強盗団から一人の男が馬車に近寄ってきました。話し合う積りなのか2ヒロ(3m)ぐらい離れて立ち止まりました。

 前の結界ならぎりぎりかぶつかっていた位の距離です。

 「俺は、若旦那の使いだ、あんたらの人数を確認させてもらいたい。」

 「抵抗は無駄だぞ! 俺たちゃ50人は居るからな。なぁに、若旦那がチョット確認したい事が在るだけなんだ。」


 「ふん、話にならんな! かかってこい! 返り討ちにしてやるから。」カー爺が一蹴して煽ります。

 「お前ら馬鹿か! こっちの人数はほんとに50人居るんだぞ!」


 強盗団の男は何が言いたいのでしょう? 人数が多いから戦っても負けるぞと言いたいようですが、カー爺が「かかってこい」と煽ってもまだ話しかけてきます。


 男はカー爺が降参もせず、かと言って戦うために剣を抜く事もせずに立って居るだけなのを見て、後ろを向くと森の中の誰かに話しかけました。

 「若旦那、こいつら話し合う気が全然ありませんぜ。」


 すると森の中から若い男の声で返事が在りました。

 「子供を渡す様に言え! それで他の奴らは見の逃がしてやるから。」


 「お前ら、子供を渡すなら見の逃がしてやるとよ!」


 「知らん! 勘違いじゃ。」カー爺は知らぬ存ぜぬで行くようです。


 「若旦那、 子供は居ないようですぜ。」


 「馬鹿野郎! 馬車の後ろからこっちを覗いているのを見たんだ、絶対いるから寄越せと言え!」


 「だ、そうですぜ。」男が、若だかバカだか知らないけど旦那らしき声を伝えるのが嫌になったのか適当な事を言っています。


 「知らん! 勘違いじゃ。」カー爺は知らぬ存ぜぬを繰り返します。


 「こっちはベロシニア子爵様からエルフの女の子がそろそろ来そうだと聞いているんだ。」

 森の中から大声で叫ぶのが馬鹿旦那でしょう。しかしベロシニアですか?


 「そんな貴族は知らん! 勘違いじゃ。」まだカー爺は繰り返しています。


 強盗団の男が、やり取りに疲れた様子で言ってきました。

 「なぁ、あんたらの仲間を見せてくれんか? 見るだけで何にもしないからよ。」


 「知らん! 勘違いじゃ。」カー爺は同じ事を繰り返すだけです。


 急に男が凄みを出して脅してきました。

 「いい加減こっちも焦れて来たんだが、いいのか?」


 「知らん! 勘違いじゃ。」カー爺は同じ事を繰り返すだけです。


 「呆れたぜ! ここまで頑固だと逆に感心するぜ!」


 そう言うと、腰から剣を抜くと大声で「かかれー!」と号令をかけた。


 「・・・・・ へ?」森に潜んでいる50人の男らは誰一人として出てきません。


 号令に誰も反応し無いのですから、男がきょとんとした顔をするのも分かります。


 実は、男が話している間に、ポリィーと私で私たちを囲んでいる男らを後ろから、全員パライズで痺れさせてしまいました。バカ旦那を含めて全員痺れて森の中にひっくり返っています。


 最後にこの男を痺れさせて、夜の騒動は終わりました。


 次回は王都ミンストへ到着しても厄介毎が後から後から出てきます。

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