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小さなエルフの子 マーヤ  作者: 迷子のハッチ
第1章 イタロ・カカリ村
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第12話 ダンジョン騒動(1)

 マーヤは神の恩寵型ダンジョンかどうか、調べるために探索を始めます。

 マーヤはダンジョンの入り口を見ながら考えます。


 闇の森ダンジョンから伸びている魔脈がカカリ村に在ります。

 此のダンジョンが神の恩寵型ダンジョンだとすると、エルフの誰かが作った事に成ります。

 魔脈の先端で魔力が溜まって出来たダンジョンなら子ダンジョンの可能性もあります。


 どちらなのか中に入って調べれば分かる事です。

 問題はカークレイ爺様が中へ入る許可を出してくれるかです。


 「カー爺様、中へ入って調べてみませんか?」

 「私は、これが神の恩寵型ダンジョンなのかそれともダンジョンと違うのか分かりません」

 「分かっているのは、魔力がこの中から出ている事とこの穴が出来たばかりだと言う事です」


 穴の周りを見ると、壁からはがれたと思われる物が散らばっています。

 棚の一部や棚に乗っていたと思われるツボの破片、その破片の周りには液体が入っていたのか濡れています。

 お酒だったのか微かな匂いを嗅ぐと酔いそうです。


 「魔女っ子、ダンジョンの壁が黒い石の様なレンガで作られているじゃろう、これが神の恩寵型ダンジョンの特徴じゃよ。」

 「子ダンジョンは土や岩の洞窟じゃから見れば違いが直ぐ分かる。」


 「ではこのまま引き返して、男爵様に報告しますか?」

 アントニー様の声がダンジョンの穴の側から聞こえます。


 アントニー様とダルトシュ様がダンジョンを前に好奇心を抑えられない様子で見ています。


 「みんな入りたくて仕方が無いようじゃの、良し入るか!」


 カークレイ爺様はちらりとポリィーを見た後、躊躇なくダンジョンに入られました。

 マーヤもポリィーも直ぐに後へと続きます、当然アントニー様とダルトシュ様はカークレイ爺様の直ぐ後に続いて入っています。


 階段を下りた先は同じ黒いレンガの通路に成っていた。

 ダンジョンの中は黒いレンガに付いた苔が発光して照らされたほの暗い空間です。

 灯りの魔術は必要なさそうですが、念のため最小の大きさにして前後に浮かべたままにしている。


 石で出来た通路なのに5人が歩いても足音が響きません、音が反響しないのです。

 本当にダンジョンって不思議な空間です。


 通路が2ヒロ(3m)ほどで分岐点に出ました。


 通路は下が広い道で天井部分がアーチに成った黒いレンガで作られています。

 その先の分岐も分岐の通路も黒いレンガなのに、苔が照らすほの暗い明るさで通路の先まで見通せます。


 空間把握では、イガジャ邸の地下とは違う神域に似た感じの空間のようです。

 マーヤの頭の中でダンジョンの最初の階の地図が把握されて見えてきました。

 分岐の先は3つの通路が在り、其の両側に小部屋が5室づつあります。


 小部屋群の先は又一つになり、その少し先に通路の横に部屋と部屋から入れる此処で一番大きな部屋が一つあります。

 マーヤには小部屋に魔物が1匹づつと大部屋に2匹の魔物が居る事が分かります。


 通路の最後は更に下への階段が在って、それ以上空間把握では把握できません。

 階段の先はまた別のダンジョンの空間が在るのでしょう。


 カークレイ爺様が目の前の3つに枝分かれした真ん中の通路に踏み込み、足を止めて振り返ります。


 「ここはの、ダンジョンの最上階じゃ、此の階は部屋の中のみ、10級の魔石を落とす魔物が1匹出てくる。」

 両脇の部屋を両手で指し示し、次に奥を指さして続けます。


 「奥にボス部屋が在るがそこでも10級の魔物が2匹が出て来るだけじゃ。」


 「神の恩寵型ダンジョンって人に都合の良い作りに成って居るのですね」

 ポリィーが感心した様にささやきます。


 「そうじゃのう、神の贈り物と言われるだけあって最初の階から5階分は同じような作りじゃよ。」

 そう言って、ニヤリと顔を歪められて、アントニー様とダルトシュ様の方を見ます。


 「よし、最初のアタックは誰が行くかの?」


 アントニー様とダルトシュ様がカークレイ爺様の提案に、先陣の栄誉と思ったのか動こうとして、慎重なダルトシュ様が一瞬出遅れてしまいました。

 「魔物が10級の1匹なら、余裕でしょうこのアントニーにお任せください。」


 「良いぞ、ほれそこの最初の部屋で良かろう、行ってこい!」


 アントニー様に先を越されて、ダルトシュ様は悔しそうです。

 アントニー様が真ん中の分岐の右手の部屋のドアを開けると、中にゴブリンが1匹こん棒を持って立っていた。

 マーヤがゴブリンを見た時は、部屋に踏み込んだアントニー様がゴブリンに駆け寄りざまの一閃で首を刎ねた後だった。

 ゴブリンが倒れるとその体は消えてしまい、後には10級の魔石が一つ残った。


 「10級の魔物ならこんなモノですか。」

 たわいないとはかりに魔石を拾い上げてマーヤにくれた。


 「ありがとう! アントニー様」

 彼から貰った10級の魔石は魔力の充填された魔石に間違いなかった。


 「では! 今度は俺だ!」とダルトシュ様が反対の左の部屋へ入った。

 開いたドアから一瞬見えたのは剣を持ったゴブリンです。


 入ってものの一つか二つ呼吸するぐらいでゴブリンは消えてしまった。

 ダルトシュ様は部屋から出て来て、マーヤに魔石を渡してくれた、今度も10級の魔石です。


 小袋を後ろの背嚢から取り出して魔石を2個入れます。

 今回の調査隊が得た魔石ですから、調査隊の隊長として預かる事にします。


 「カー爺様、私も戦ってみたいです」


 ダンジョン初挑戦は続きます。

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