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小さなエルフの子 マーヤ  作者: 迷子のハッチ
第3章 闇魔術師
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第61話・2 会議前(2)

 6階にある特別室に入ってる貴族は庭で子供と遊ぶ私たちを見て呼び寄せようとした。

 王宮からの召喚状を貰った次の日(15日)、私とポリィーそしてマイセル君の3人は昼食の後日向ぼっこを兼ねてロビーの奥にある庭園へと出ていた。(3才までは宿泊は無料、ただし食事は無い)


 庭園のベンチでマイセル君を座らせて機嫌を取りながら久しぶりの日向ぼっこをさせていた。

 離乳食も少し粒粒の在る物へと変わり、しっかりと立ち上がって歩くようになってきた。


 カカリ村を離れる時は乳離れが出来なくて悩んでいたのが嘘のようによく食べ動き回る様に成った。

 ポリィーは腕輪の空間収納に使い魔を置いて一人にする事が多いマイセル君を見張らせている。


 「マイセル君 少し体重が増えた?」


 「もう12グラン(約8㎏)ぐらいになったのよ、ここ二月程の成長がとても早いの」

 「離乳食が上手く行ってるのだと思うわ」


 マイセル君を抱っこすると結構重くなってる、一緒に生活をしてると成長が実感出来る。

 マイセル君を立たせて、下草の刈られた歩きやすい庭で歩かせている時、貴族の一行がロビーへと降りて来た。


 何のためにロビーまで降りて来たのか知らないが、貴族の一人が私たちの姿を見て話がしたいと思ったらしく。


 従僕の一人がやって来て「話がしたいからロビーへ来るように。」と言ってきた。


 「御覧の様に子連れです、貴族の方にどんな阻喪をするか分かりません」

 「如何かあなた様からお執り成しをお願いします」


 ポリィーが丁寧な口調で従僕の人に説明したけど、返って怒らせる事になってしまった。


 「サロメ様のお言葉を何と心得る。」

 「呼ばれたなら、さっさと来るが良い。」


 貴族は”サロメ”と言う人らしいが、ポリィーの話を一蹴して怒鳴りつけた。

 ポリィーも私もその言葉にカチンと来てしまった。


 「私どもはクラン”緑の枝葉”と言います、話が在るのならクランの代表を通して下さい」


 そう言って、ポリィーはマイセル君を抱き上げるとロビーから出入りするドアへと、従僕を置いて歩き出した。

 私も遅れないように小走りで追いかけ、ドアを開けた。

 ポリィーとマイセル君を先にロビーへ入れて、私も入るとドアを閉めた。後ろから追いかけて来た従僕は目の前でドアを閉められたので、ドアを乱暴に開けると怒鳴った。


 「こらぁーっ!! 逃げるな、戻って来い。」


 私とポリィーは階段の在る方へと移動したけど、それを見ていた貴族が護衛に何か言った。

 庭へのドアは受付の真正面、上への階段は受付の左側、貴族が降りて来た昇降機は右側。


 庭の反対側に在る玄関近くに居た貴族と護衛は、貴族の言葉で一人が階段へと走り出した。


 「先に行って、カー爺に知らせて!」ポリィーへ声を掛けて、護衛が来る方へと近寄った。


 走って来た護衛は、私が近寄って来たのを見ると立ち止まった。

 私が立ち止まると、いきなり掴みかかって来た。とっさに避けようとしたら肩から斜めに掛けてる薬入れのバッグを掴まれた。


 普段は持ち歩かない魔女薬を入れたバッグだけど、今日はマイセル君を庭で遊ばせるからケガをしたら使おうと用意していたのだ。(回復魔術は見られたら不味いので使えない)


 「離して!」私がバッグを取り返そうと体毎引っ張った時、護衛もバッグの蓋を持って引っ張った。


 かばんは革製で蓋をはめ込んでいるのでゆすっても蓋が取れる事は無いけど、引っ張られて蓋が取れた。蓋が無ければ中身は飛び出てしまう。


 「魔女のポーションだ!!」中身を見て護衛が叫んだ。


 床に落ちた魔女薬の入った箱を取るため しゃがみ込もうとした時、後ろから来た従僕が私を捕まえた。

 動けない私に変わって護衛が箱を拾い、書いてある名称”初級回復薬 10個入り”を読んで、更に言った。


 「間違いない! 魔女のポーションだ! しかも箱入りと来た。」

 「娘! 何で金貨10枚はする魔女のポーションをお前ごときが持っている?」


 動こうとしても後ろから従僕ががっちりと両肩を掴んで動けない。


 「それは私のだ! 返せ!」


 成人した男に両肩を掴まれると7才児の私では、どうあがこうと動けなかった。

 護衛は薬の箱を近寄って来た貴族の女へ見やすいように名称を書いてある方を上にして見せた。


 「ふむ、白いロープを着た医者モドキの女どもだと思っていたが、・・・」

 「娘、お前は何処から来た?」


 「そんな事より、返せ!!」貴族へ向かって言い放った。


 護衛が私の言葉に反応して殴りかかって来た。とっさに身体強化(金剛身)を行使し両肩を押えている従僕を振り払った。

 護衛の拳は従僕が振り払われた勢いでぶつかったので、私には当たらなかった。従僕の左わき腹に当たった様だけど私のせいじゃ無い。


 従僕が「ギャッ!」と叫んで、「ドサッ!」と床に落ちた。

 貴族の周りに護衛が数人囲むように出て来た。


 「こ奴、金剛身(身体強化)を使いますぞ、サロメ様どうか後ろへ。」


 一際大きな男が貴族の前へ出て来て、貴族へ言った。


 「その娘を捕まえて置け、其の内師匠が戻って来るだろう」


 サロメと呼ばれた女が前に立つ男へ命令した。どうやら医者の師弟と思われた様だ。

 護衛の男は両手をファイティングポーズを取る様に構え、私に迫って来た。

 私だって魔女学園の護身術を卒業見込みまで進んだからには少しは戦えると思う。

 飛竜舎での北の大公の息子と揉めた時も戦えた。あの時は相手は剣を抜いていたけど今度は素手だ。


 正面の大男が仕掛けて来た、けど、足は動かさずに上半身だけ動かした。それと同じくして魔女薬を盗んだ男が私の右側からタックルをしてきた。


 正面の男に気を取られて居たら、タックルしてきた男に潰されていただろう。私は最初からタックルしてきた男を注目していた。なぜなら彼が私の魔女薬を持ったままだったからだ。


 タックルを交わしざま男の脇腹へ拳を撃ち抜いたのは、足さばきと突きが上手く決まったと思った。

 タックル男はそのままうめき声を上げながら、最初の従僕の上に覆いかぶさるように倒れた。


 片手にはまだ薬の箱を持ったままだ。

 掴んだまま力を入れたからか箱はだいぶひしゃげて居るが、まだ箱の形は保っている。


 さっと近寄って取り上げた。で、私も大男に捕まえられた。

 宙づりになって後ろから男に腰を抱えられてしまった。

 手足を振り回して暴れても、大男はビクともしない。身体強化(金剛身)しても同じ金剛身を使う男には通用しなかった。


 次回は、捕まったマーヤです。

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