第61話・1 会議前(1)
オースネコン国で開催される闇魔術師討伐会議の前に王宮へ呼び出された。
何件も探してやっと取れた宿の4人と2人部屋へ男女2つに分かれて泊まることが出来た。
マイセル君は3才以下なので食事無しなら無料との事だった。
ここは川湊から続く大通り沿いに在る、宿としては老舗になる「リバティー」と言う名の宿です。
石の基礎と木造の見た目と言う組み合わせで、6階建ての宿になる。
一泊で銀貨20枚(6人で2部屋、朝夕食事2回)なので、一人当たりだと銀貨3枚チョットになります。
部屋で値段が違う(2人部屋の方が高い)し、食事の内容も違っていたので、受付で同じ内容にして貰った。
王宮へ招かれても王宮に泊まるのは無いでしょうから、此処に少なくても14日は泊る事になりそうです。
ただしオウミの貨幣は使えませんでした。
貨幣の両替はホテルでも専用の窓口が在って、其処で両替して貰いました。
両替の手数料と税金は、手数料が10枚までの金貨をオース銀貨へ両替だと銀貨1枚で、税金は両替した1割です。
買い物や会議が何日続くのか分からないけど、とりあえず14日間の宿泊費としてオウミ金貨3枚を両替しました。
戻って来たのはオース銀貨285枚とオース銅貨20枚だったので、ものすごく目減りした感じがします。
ギリギリ宿代が払えるから良いけど。
手数料と両替率は両替する時板に書かれた物を見せて貰いましたが、オウミ金貨1枚でオース銀貨106枚だと書かれてました。
両替して銀貨318枚、税金が引かれて銀貨286枚と銅貨20枚、手数料を引かれて先ほどの金額になる様です。
オースネコン国では自国の金貨と銀貨と銅貨の間の両替は全て100倍で取引する場合は手数料も税金も掛からないそうです。
つまり1金貨は100銀貨で10000銅貨の換金ならだれがしても無料で税金も掛からない仕組みなんだそうです。
銅貨と銀貨で日々換金率を気にしなければならないオウミ国やミンストレル国と違って細かな計算が必要無いオースネコン国はとっても買い物がしやすそうです。
大きな両替商へ持ち込めばその時の相場での両替は出来るでしょうけど、手数料と税金1割を取られるので余程大量の貨幣で無ければ固定で済ませる人は多いと思います。
換金して14日分の宿の支払いを済ませると、カー爺たちの武器を受付に預ける様に言われた。
下船前に各自の部屋へ防具や大きな武器は皆置いて来てますが、男性は腰に剣を佩いています。
私とポリィーは何時もの白いロープだけです。ポリィーはマイセル君を抱っこしています。
宿にも傭兵は少ないけど何組か泊まっています。私たちのような傭兵は武器を受付で預ければ宿屋内を自由に歩けます。
ただし貴族とその護衛は別の様です。
宿屋リバティーでも特別室は最上階に在るそうです。今日もその最上階には貴族の方が泊まっているそうで最上階とその下の階には近寄らないようにと受付で言われました。
1階のロビーには泊まっている貴族の護衛だと思われる武装した人が数人見受けられます。
カー爺たちが腰の剣を受付に預け、案内された部屋へ行くと3階の中程に在る4人部屋と4階にある2人部屋に分かれる事になりました。
この宿は6階建で5階と6階が貴族も泊まれる特別室が在るそうです。そして上へ行くほど値段が高くなります。
最上階だと一日泊まるだけで金貨が数枚消えていくそうです。
オース市は王宮の在る城壁に囲まれた王都オースと城壁外に広がるオース市に、行政区が分かれている。
受付での説明では、此処はオース市の港区で私たちが歩いて来た大通りを真っすぐ行くと城門に行きつくそうだ。
宿の代金を支払う時、王宮から連絡が在るかもしれないので、あればカー爺の居る3階の部屋へ知らせてくれるように頼んだ。
王宮から知らせが在るかも と言ったら、驚いた顔を一瞬していたけど直ぐににこやかな顔で「畏まりました。」と頷いていた。
王宮からクラン”緑の枝葉”へ面会の知らせが在ったのは、次の日の昼7前(午前中)だった。
カー爺が受け取った内容は「11月20日昼9時(午後2時)までに外務大臣ガルーティア伯爵の執務室まで来られたし」との内容だ。
別の紙に、当日は王宮から案内人が馬車で迎えに赴くと書かれて在った。
オースネコン国は外務大臣が闇魔術師討伐隊結成会議の取りまとめを行う様だ。
今日は11月14日だから王宮へは後6日この宿で待つ事になった。
闇魔術師は既にミュリネン国へ移動しているのではないかと思っているけど、闇魔術師討伐隊結成の茶番劇を熟さなければ闇魔術師を追う事も出来ない。
会議が何日続くのか分からないけど、27日以降も続くのなら27日までに宿泊の延長をしなければならないだろう。
それでなくとも会議まで10日以上待たなければならないのだ、出来れば27日にはミュリネン国へ出発したい。
ミュリネン国でスタンビードが発生しているのではないかと焦る気持ちは有ったけど、母との久しぶりの日常生活に浮かれていた。
その気持ちが、特別室の貴族からいきなり来いと言われた時、そっけない対応に繋がったのかもしれない。
正直貴族と関わるのは、王族だけでも鬱陶しいのに他の有象無象の貴族と関わる気は無かった。
マイセル君を連れていたポリィーを逃がし、私が対峙したのは仕方が無かった。傲慢で気位の高い人は貴族だろうと王族だろうと大嫌いだ。
魔女の回復薬を入れたバッグを掴まれ抗ったら、バッグから落ちた回復薬を巡って争いになった。
掴みかかってきた貴族の護衛を金剛身でぶちのめしたのは、私に落ち度は無かったと思う。
現代人の感覚でお金の価値は、金貨1枚10万円、銀貨1枚1千円、銅貨1枚10円です。
実際の生活する中では金貨4か5百万円、銀貨3か4万円、銅貨2か3百円ぐらいの価値感です。
次回は、貴族に絡まれました。




