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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

こわい夢を見ました。

本日の悪夢、くそゲーの攻略本


 よく悪夢を見ます。


 最近も、めちゃめちゃ頼りない折りたたみのこぎり(小枝払うようなちゃちなやつ)で屈強そうなひとの腕を切り落とそうと頑張って戦ったり、他人の毒親にガチギレして説教かますなど、ろくでもない夢を見ています。

 今日はここ最近で一番かもしれない悪夢を見たので書きます。


 わたしは夢のなかで、家の階段近くに居ます。

 本来そこにはない、背の低い本棚がふたつ並んでおり、その上にプラスチックで蓋のついた、小さめの衣装ボックスのようなものが置いてあります。その向こうに、本来うちにあるのとは違う角度の階段の裏側が見えます。

 階段の向こうではすでに亡くなった家族と、生きている家族が居るのが見えますが、そのふたりはカメラの焦点が合っていないようにぼやけていてかすかな話し声が聴こえてくるだけです。ただ、どうやら楽しい話のようで、雰囲気は悪くありません。

 わたしは右方向を見て、そこにある筈(と、夢のなかでは思っている)の窓がなく、変な位置に壁があるのを確認します。その壁は現実の家と違い、オレンジがかってニスがしっかり塗られた木でできていて、布製のインテリア(状差しのようなもの?)がかかっています。

 わたしはプラスチックの衣装ボックスらしきものへ目を戻します。そのなかには、本やまんががつまっているようです。


 そこに、後ろから家族が来ます。そちらにも中身のつまった衣装ボックスが重ねられていて、ぱっと見は乱雑にしてある倉庫かなにかのようです。そちら方向に本来はない洗面所がありますが、おかしいとは思っていません。

 そちらにある衣装ボックスはひとつ、蓋が開いており、家族から「これ、意味がよくわからないんだけど」「おすすめっていってたよね」「○○のシーンってどういう意味?」というようなことをいわれます。

 どうやらわたしのまんがを勝手にとりだしたらしいとわかって、わたしは不快になります。なにか短くいいあらそいがあり、家族が持っていた本をとります。

 その本は手にとるとずっしり重く、まんがではありませんでした。


 サイズはA4くらい。5cmから8cmの厚みがある。ソフトカバーで、表紙はベビーピンクの地のなかに濃い金色でフレームが描いてあり、フレーム内部は十字に区切られて左上と右下がブルーラグーン、右上と左下がオールドローズ。十字の線は普通に黒でした。

 フレームのなかから外へ飛び出すような表現で、白いジャスミンの花と浅緑の葉っぱが描いてあります。

 表紙上部には、フレームと同色もしくはもう少し濃い色で、ゲルマンゴチック体のタイトルがあります。読めません。

 これってなんの本だっけ? とじっと見つめていると、スマルト主体の帯がかかっているとわかりました。

 その帯には、「今までにない画期的な乙女ゲーム!」「全ルート詳細!」というようなまさしくあおりが。

 乙女ゲームの攻略本らしいが、この帯の文句はあおりすぎじゃない? ていうか、こんな本あった? と疑問を感じます。

 わたしはその本の見返しが芥子色をしているのに気づきましたが中身を読むことを後にまわし、本をひっくり返します。裏表紙はベビーピンクで、中央にオダマキかハナニラのような花の絵、その下に金の筆記体で三行くらいなにか書いてあるという非常に洗練されてスタイリッシュなもの。ただし文章は読めない。目がちらちらします。

 ちなみに小口のほうを見ながら裏返したので、背表紙は見ていません。

 帯も、裏側は表とはだいぶ違い、攻略本っぽい感じです。キャラクターが四人並び、それぞれの名前とCV、決めぜりふらしいものが書いてあります。

 ただし、左からふたり目はぼやけた黒丸のなかに大きくクエスチョンマークが書いてある、という表現で、「アラン・(かい)」という変なキャラ名らしいことしかわかりません。

 帯の下のほうには小さな文字で、


 ☆あなたにもできる全ルート完全攻略! 同時攻略もこれがあれば簡単!

 ☆隠しキャラ出現条件、詳細イベントテキスト、スチル出現条件を網羅!

 ☆今までにない「決闘」イベントで、攻略対象同士があなたを奪い合う!


 みたいなことが書かれています。

 そこでふっと、その乙女ゲームの内容、もしくはcmのようなシーンが流れます。

 主人公はヨーロッパふうの、お城のような学園に居ます。そこには女子生徒あこがれの貴公子達が、多分五から九人程度存在する模様。幅がひろいのは出現条件などがあって、プレイスタイルによってはお目にかからないキャラが居るから、っぽいです。

 主人公は勉強したり、お菓子をつくってプレゼントしたり、デートしたり、なんやかんや頑張って攻略対象となかよくしようとするようです。

 このゲーム、どうも同時攻略を推奨している様子。というのも、「決闘」というイベントが存在するからです。

 決闘イベントは、一定以上親しくなってイベントをこなした攻略対象がふたり以上居ると、おそらく休日(不確定。とりあえず、決闘イベントが起こる日数には結構シビアな制限がある)にランダムで起こるもの。

 主人公が庭園へ赴くと、そこでは主人公と親しくしている貴公子ふたりが。ふたりは(練習用ではあるものの金属製の)武器を持っていて、向かい合っています。主人公が呼びかけると、主人公を巡って決闘になったと判明。主人公が停めようとしますが……というところでスチル表示。

 決闘は決着がつかないのか、主人公との親しさで変化するのかわかりませんが、とにかくその決闘イベントがゲームの売りのよう。ムービーが付随しているVerもあるらしい。


 わたしは攻略本をまたひっくり返し、なにこのくそゲー、こんなの買ったかな、と思います。

 正真正銘のくそゲーだと思います。

 決闘って。攻略キャラ最大九人くらいおるんやろ。ほんで何人かはある程度ゲーム内時間進まんとでてこんのやろ。で休日とか、決闘が起こる時期に関しては制限があるんやろ。

 多分一回で全決闘スチル見るの不可能やん。もし親密度でパターン違いイベントなんやったらその分周回せんとやん。なにそれめんどくさい。親密度調整できる方法が豊富にあればいいけどそれでもめんどうやわ。

 しかも隠しキャラってなによ。まためんどくさいな。時間経過とかで勝手にあらわれてくれ。せいぜい全キャラのエンディング見たら出現とかで。それなら同時攻略してエンディングだけ埋められるから。

 大体「画期的な乙女ゲーム」ってあおりすぎやろ。炎上したいのか?

 そもそも乙女ゲーでこのサイズの攻略本てなによ? こんなん太閤立志伝かFFか信長の野望かって感じやん。勘弁してくれ。


 イベント網羅したい&スチル・ムービー埋めたい勢にはつらすぎるゲーム。なんじゃこら。こんなゲームまじで買ってないよ。やる気失せるもん。内容とかキャラが気になったのか?

 と思っても、そもそも学園云々は好きじゃないし帯に描いてあるキャラもそんなに好みじゃない。


 めちゃくちゃげんなりした気分で攻略本を表に戻し、またひっくり返し……。




 はっと目が覚め、うわー悪夢、と朝からいやな気分になりました。

 ここ最近で一番の悪夢かもしれません。おもちゃみたいな折りたたみのこぎりでひとと戦うよりも、正体不明のばけものに追いまわされて心臓破裂しそうなほど走るよりも、彫刻刀的なもので手とか足とかをぐっさりさされて地面とか床に縫い止められるよりも、くそゲーをやらないといけないかもしれない夢のほうがぐったり疲れました。

 皆さまによい夢が訪れますように……。




すみませんちゃんとスチル埋めてるゲーム少ないです(;´∀`)


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― 新着の感想 ―
[良い点] 弓良様のげんなり感がすごく伝わってくるお話でした(笑) 後半に書かれている悪夢コレクションのクセの強さよ…。 夢をすぐに忘れてしまう&見ることがめったにない自分には、羨ましいような怖いよう…
[良い点] いつも弓良様の作品を拝読して思うのですが、夢の中の詳細をつぶさに覚えていらしてすごいなぁと思います。 私はそういうのは20代前半まででしたね。年取ったらもう無理です。 さっき起きて、夢を…
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