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ループ・繰り返し・過去改編な作品

観測者の視点

作者: 仲仁へび



 世界から世界へ転生させた、一人の男性。

 私は、何の変哲もない、ありふれた見た目の男性を見つめている。


 この私は多くの者達から神、と呼ばれる存在であるが、万能ではない。

 できる事は小さな事だけだ。


 神の力で、数多の魂を導く事と、そして神の力の一部を授ける事。


 この私は、先の男性を転生させる時、時を戻る能力をさずけた。


 私の視線の先では、異世界に転生したの男性がいる。

 能力を駆使して、様々な場所で、様々な行いをし、様々な者と関わっている。


 彼は、その能力を理解し、利用しつくしていた。


 その姿に、かつての友人の姿が重なる。


 神であるこの私には、その昔友人がいた。


 その時の私は、神ではなく、ただの人間だったため、彼の悩みに気づけなかった。


 彼は、その身に時を戻す力を宿していた。


 だから、いつも見えない場所で苦悩していた。


 私がそれに気づいたのは、彼が全てを救いきった後。


 代償に、彼の全てが消えてしまった後だった。


 この私は、そんな彼の気持ちが分からなかった。


 自分と引き換えに、いったい何を得ようとしたのか。


 だから、それを知るために、神となった私は様々な人間を転生させて、力を授けて観察していた。


 今も目の前で、一人の男が少女を救う。


 その行為に至るまでに、何度彼が苦渋をなめ、心と体に傷を負ったか。誰も気が付いていないというのに。


 私はそれからも、その男性を観察し続けるだろう。


 いつか、彼らの心を理解するその時まで。



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