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伝説の回避盾は姪っ子とともに渡り歩く  作者: 物戸 音
第一章 Ver.1.00 正式リリース
5/44

第005話 回避盾はソロプレイとともに

「コトハちゃん」

「はい、なんでしょう?」


 愛らしい顔がにこりと俺に微笑んでくる。

 本当に可愛い。

 なんで、こんな可愛い子があの姉から生まれてくるか不思議でならない。


「さて、コトハちゃんはどんなプレイヤーになりたい?」

「どんな? ですか?」

「そうそう、まぁ、大雑把に言うと、前線で戦えるヒーラーになりたいか、後方で支援に徹するプレイヤーになりたいかだな」

「難しいですね……おじさんはどんなプレイヤーなんですか?」

「俺? 俺は俗にいう回避盾って奴だ」

「回避盾?」

「そそ、敵からの注意をひきつけて、敵の隙を作り出す役割。

 ステータスポイントも回避特化で主にAGI(敏捷)に特化して振っている」

「ステータスポイントですか?」


 そうか、この子はそれも知らないのか。


「主に振られるのがSTR(腕力)VIT(体力)INT(知力)MEN(精神)LUC(幸運)かな。

 俺みたいに回避特化はAGI(敏捷)だし、ピティみたいな生産職はDEX(器用)に振ることが多い」

「私みたいなタイプはどういう振り方になるんですか?」

「そうだな。基本はINT(知力)で効果をあげて、MPの絶対量を増やしたいからたまにMEN(精神)をあげるくらいかな。MEN(精神)はMPの他に状態異常の判定や範囲魔法の判定だったりするんだ。

 そうそう、もちろん死なないようにVIT(体力)も必要だね」

「考えることが多いですね」


 小さい子には複雑なのだろうか。

 俺みたいな色々ゲームをやっている人間からしたらちょうどよい複雑さなのだが。



「じゃあ、私は支援でお手伝いしたほうがいいですか?」

「うーん、どうだろう。

 俺とだけパーティーを組むわけじゃないから、好きに考えていいけど」

「そうですか……」

「まぁ、まだ具体的にイメージできないか。

 じゃあさ、試しに修道院に入ってみるか?」

「修道院ですか?」

「そそ、僧侶の職業スキルを得るのに、そこが一番手っ取り早いんだよ」

「おじさんは?」

「俺は、その間レベルでもあげておくよ」

「待っててくれるんですか?」

「もちろんだろ。修道院ではスキルもレベルもあげられるから、物は試しに行ってみたらどうかな?」

「はい、分かりました!」


 ティレスに死に戻りしたのもあってちょうどいいということで、コトハちゃんを修道院まで送った。


 修道院につくと、NPCの修道女が俺たちを出迎えた。


「ようこそ、精霊修道院へ。

 精霊の教えを受けますか?」

「俺じゃなくてこの子を頼む」


 そういうと、コトハの背中を軽く押した。


「承知しました。

 では、こちらへどうぞ」

「行っておいで。

 怖くないから大丈夫だ」


 少し怖気づいている、彼女に優しく声をかける。


「おじさん、行ってきます」


 そういって、彼女は修道女に連れられて精霊修道院の奥へと入っていった。

 素直でいい子だ。

 あの姉の娘だとは思えない。


「うっし、じゃあ、1人になったし、アレやるか!」


 ベータで猛威を振るったスキルコンボ。

 まずはその下準備だ。


 コトハと別れると、おれはティレスにある酒場に向かった。

 酒場に入ると向かうのは、カウンター。


 ではなく、踊り子のいる裏口。

 裏口に向かうと踊り子たちが待機する場所がある。

  

「すみませーん」

「ちょっと、ここは部外者立ち入り禁止だよ!」


 踊り子の中でも特に身長が高く褐色の肌を持った女性が俺の姿を見るとすぐに前に出てきた。


「踊りを教えてもらいたいんですけど、いいですか?」

「踊り?」


 すらりと長い手足に大きな胸。

 露出の高い服を着ており、紫の長い髪の毛は後ろに一つで束ねていた。


「はい。今なら時間があるかと思ったんですが」


 まだ日は高い。

 彼女たちが働く夜にはまだ時間がある。


「変わったやつだね。私はララ。

 いいわよ。ただし、私は厳しいわよ」


 彼女がそういうと同時にクエスト受注のウインドウが開いた。


 クエスト:ララの踊り子修行

 達成報酬:踊り子職の初期スキル


 修道院のクエストは精霊修道院で一日過ごす必要があるので、ちょうど時間的にも同じくらいだ。

 明日の朝にはコトハは僧侶スキルを、俺は踊り子スキルを取得しているはずだ。


「じゃあ、早速着替えるよ!」


 そういうと俺は裏口から控えの場所へ入っていった。



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