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第042話 回避盾はゲートキーパーとともに

 格闘都市ザンから少し東にいったところに深い森がある。

 その森の洞窟そこが第6都市に行く唯一の道だった。


「ここを過ぎればいんですね」

「情報だとそうだね」


 コトハの問いにピティが答える。

 こういう情報を持ってくるのはいつもピティだ。


 コトハちゃんとプレイするようになってから俺は攻略情報は極力見ないようにしている。

 というのも、今までのプレイを鑑みるに下手な印象をつけるとレアなイベントを逃しかねない。


 例えば、右に行くのが正解の道ですとなっているところ延々と左に行くとゴールはないが何かイベントがある。

 そんな捻くれた仕様をしているのがここの運営なのだ。

 だったら、初めから効率なんか捨ててやりたいことをやるのがある意味最も正解に近いと感じた。


 進みたくなったら進み、その道が間違っていようがとりあえずはやってみる。

 そうプレイするほうが楽しい。


 が、今回はコトハちゃんのたっての願いだった。


 それは新しく搭載されたフリューゲルズ機能。

 おそらく名前からして飛翔に関する新機能だと思われる。

 もし飛べるとなると。

 その想像がコトハちゃんを次の都市に駆り立てた。


 正直、俺も興味がないことはない。



「情報だと、最大パーティーは4人まで。

 この洞窟の最奥にいるボスを撃破すると新しい都市への道が開くそうです」

「攻略組はもう新しい都市を見つけたのか?」

「それが、まだみたい」


 どうやら話に聞くところによると、目視では確認できたが、道が分からないらしい。

 まぁ、理由はここを抜けたら分かるだろうし、詳細は聞かないでおいた。


「とっと、攻略するわよ」

「はいはい」


 サッシャがどんどんと洞窟の奥へと進んでいく。

 出てくるモンスターはマレクス鉱山の甲殻系とは違い、こちらは爬虫類に虫系と枚挙にいとまがない。


 俺たちのレベルもすでに50を到達しているので、ほとんど苦労することなく洞窟内のモンスターを倒していく。


「さすが50ともなれば、ここらへんの雑魚敵は余裕だな」

「旧レベル上限だからね。

 まぁ、私はまだ50じゃないけどね」


 ピティが恥ずかしそうにペロッと舌をだした。


 旧上限。

 Ver.1.00までのレベル上限は50だった。

 今回のバージョンアップに伴いレベル上限が70まで上がった。


 俺とコトハちゃんはすでに50に到達しているが、サッシャとピティはまだだった。

 とはいえ、間近には変わらず、追いつくのも時間の問題だ。


「さて、そろそろですよ」


 それほど長くない道を抜けると、広い空間に出た。

 そこはドーム状になっていた。まっすぐ石畳が続き、その左右には高い石柱が続いていた。その風景を見てふとピティと潜った洞窟寺院を連想した。

 石畳の先、そこには見上げるほど巨大な扉があり、その左右には巨大な石像が仁王立ちしていた。

 左の巨像は頭のみ馬の顔だが、身体はヒトのそれで大きな剣を持っていた。対して、右の巨像は牛の顔とヒトの体を持ち大きな盾を持っていた。


「これって、動く……よな?」

「まぁ、お約束よね」

「た、倒せるかな」

「おじさんがいるから大丈夫です!」


 過大な期待だ。

 とはいえ、姪に期待されるのは悪くない。

 きっちり答えるとしよう。


「じゃあ、行くか」


 俺が先頭で石畳を進む。

 コツコツと靴が石畳を鳴らしていく。


 扉の前に近寄ると馬の巨像が剣を扉の前に突き刺した。


「我は新たな世界へ続く扉の番人。

 この扉の先を見たければ資格を示せ」


 「やっぱ、ボスはこちらか」


  まるで皮が剥けるように、石像から石が剥がれ落ち、その下からは筋が浮き出す本物の身体が出てきた。


「我らを打ち倒し、資格を示せ!」


 突如、馬の巨像が剣を振り下ろした。


「固まっていたら一発だ。散るぞ!」


 俺の言葉に三人が一斉に方々に走る。

 

「さて、お前らこっちだぞ! ≪挑発≫!」


 馬の巨像の注意がこちらに向く。

 振り下ろした剣を再度振り上げ、俺に向かって振り下ろす。

 それを紙一重で避け、振り下ろされた腕に剣を叩きつける。

 剣が弾かれまるで岩にたたきつけたような振動が走る。


「硬い!」


 さすがに今の攻撃力ではこれを叩き切るに至らない。

 続け振られる剣を避ける。

 剣を避けながら、ステップを刻む。

 攻撃を避ければ避けるほど攻撃力が上昇する≪剣の舞≫。

 避ければ避けるほどヘイトを溜める≪不敵の舞≫。


 連続で振られる攻撃を避ければ避けるほど馬の巨像は俺しか視界に入らなくなっていく。

 そして、俺は避ければ避けるほど強くなっていく。

 

「ここまで溜めれば!」


 馬の巨剣を避け、横に回り込む。


「二刀乱舞 星屑流――なっ!」


 その瞬間、ずっと静かにしていた牛の巨像が間に割り込んできた。

 そいつは大きな盾に身を隠し俺の星屑龍星を防いだ。


「おじさん! 私が!」


 背後からコトハが飛び込んできた。


「ジャッジメントパニッシャー!!!」


 一撃必殺。

 コトハちゃんの杖が牛の持つ大楯を叩きつけた。


「これで――きゃっ!」


 馬の巨像に杖を振り下ろした瞬間を狙われた。

 巨剣にあたりコトハちゃんの身体が遠くに飛ぶ。

 牛の巨像は盾をゆっくり持ち上げると後ろに下がった。


「コトハちゃん! 大丈夫!?」

「だ、大丈夫です。問題ありません」


 コトハちゃんは立ち上がるとリアヒールを使い減った体力を回復させた。


「ゲートキーパーと名乗るだけはあるな。

 あの盾、≪ジャッジメントパニッシャー≫もきかないのか」


 ≪ジャッジメントパニッシャー≫を防いでいるので、おそらく物理無効と言ってもいいくらいの防御力を誇っている。

 これらを倒すにはあの牛の持つ盾を攻略する必要がありそうだ。


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