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伝説の回避盾は姪っ子とともに渡り歩く  作者: 物戸 音
第一章 Ver.1.00 正式リリース
33/44

第033話 回避盾は戦いの始まりとともに


 だるい仕事を終わらせてようやく週末になった。

 土曜日の10時から今回のメインイベントであるバトルロワイヤルが始まる。

 状況はライブチャットで常に表示され、参加者以外は誰でも観戦することができる。


 体調を万全で参加したかったが、金曜日の夜からもうちょっと、もうちょっと遊んでいる間にいつの間にか徹夜していた。


 格闘都市ザン。

 バトルロワイヤル参加者はイベント開始時までにこの町にいることになっている。


 ある程度準備は整えた。

 俺は改めて自分のステータスを整理する。


 AGI(敏捷)特化のステータスでそれを補助するスキル。

 このスキルが俺の唯一の命綱だ。



 ≪パッシブスキル≫

 紙の命:被ダメージが2倍になる

 不敵の舞:回避をするたびにヘイトをあげる

 覚悟完了:デスペナルティが10倍となる代わりに、STR(筋力)AGI(敏捷)が大幅増

 身代わり:自分とそっくりな身代わり人形を置く

 泥の英雄:稀に被ダメを無効化する

 刹那の見切り:攻撃を避ければ避けるほど敏捷性が上がる

 非道:挑発行動の効果が上昇する

 鬼畜:挑発行動の効果がさらに上昇する

 幸運のケットシー:戦闘中一度のみ任意の確率効果を必ず成功させる


 ≪アクションスキル≫

 剣の舞:演舞中に回避すれば回避するほど攻撃力が上昇する

 挑発:モンスターのヘイトをこちらに向ける

 影分身:自らの分身体を作り出す

 星屑龍星:二刀短剣の乱舞系スキル


 ≪アクティブスキル≫

 泥泳:泥の中でも移動速度が落ちない 

 スライドウォーク:一定距離移動動作なしで進む

 潜水:水中で長時間潜ることが可能になる

 水中会話:水中でも会話が可能になる

 水泥の交わり:地形制限を受けない


 ≪装備≫

 両手:泥の短剣 +1

 腕:精霊手甲

 足:迅雷の具足

 身体:蟲毒の呪装衣

 アクセサリー:絆の指輪(蜘蛛族)


 スキルはプレイヤー(P)×(v)プレイヤー(P)よりもプレイヤー(P)×(v)モンスター(M)に偏っている。

 挑発系スキルが軒並み死ぬのがちょっと痛いところである。


 ≪蟲毒の呪装衣≫ははぎから貰った≪猛毒の蜘蛛糸≫を布にしてケットシーから貰った≪運命の糸≫で縫いあげた。

 正直、ユニーク装備に勝るとも劣らない高性能の防具だが、唯一の欠点は常に猛毒状態になる。

 が、利点もある。

 猛毒状態になる代わりに他の状態異常を受け付けないという効果があった。


 これは正直大きい。


 回避系として最も警戒したいのは麻痺や石化などの行動不能系の状態異常だ。

 猛毒は体力が常に減少し続けるが、体力は1残るのですべて避ける前提の俺にはちょうどいい。


 もちろん、鈍足結界のような状態異常ではなく行動自体が変異するタイプは相変わらず警戒する必要があるが、それでも、警戒すべき選択肢が減るのは嬉しい。



「おじさーん!」

「おっ、コトハちゃんか」


 待ち合わせの時間になるとピティ、サッシャとコトハちゃんの3人が揃ってやってきた。


「ミヤコ、早いね」

「早いっていうか……」


 ピティの言葉に思わず言葉を濁す。


「あら、もしかして、徹夜したの?」

「あ……えーっと、まぁ」

「呆れた。昨日体調万全にしろよっていったのはあなたじゃなかったけ?」


 サッシャは相変わらず勘がいい。


「おじさん、そんなんじゃ、私が倒してしまいますよ」

「おっ、言うようになったな。

 こっちは準備万端だぜ」

「体調は万端じゃないと思いますよ」

「なに、このくらい」


 1徹くらいならまだいける。


「そういえば、おじさん、詳細なルールみました?」

「おぉ」


 フィールドはバトルロワイヤル専用フィールドで、天候はランダム変化。

 マップ機能だが、プレイヤーの箇所は分からないが、戦闘が発生した場合、即座にマップに表示される。

 戦闘発生時にマップに表示されたアイコンは5分後に消滅。


 ちなみに、対モンスター用の挑発系の技は戦闘未発生でも使用時に即マップに表示される。


 持ち込みに関しては体力回復アイテムは不可。

 ただし、状態異常系の回復アイテムは合計10個までは持ち込み可能だ。

 その他、強化系やトラップ系のアイテムも持ち込み数に制限がある。

 唯一トラップ系の持ち込みアイテムに制限がないのはハンター職の中でもトラップを専門に扱うジョブのみ制限がない。


 バトルロワイヤル参加者は、開始時に専用フィールドにランダムに飛ばされる。

 専用フィールドは時間とともに縮小していくので、最後まで逃げ続けるというのは不可能なようだ。


「緊張しますね」


 コトハちゃんがぎゅっと力強く手を握りしめた。

 大会開始前の緊張感は独特のものがある。

 特にこういう待ち時間はむずむずする。

 それは、コトハちゃんだけでなくてピティもサッシャも同じようで落ち着かなさそうにそわそわしている。


「そろそろ、時間か。

 見つけたら手加減抜きだから悪く思うなよ」

「はい、おじさん!」

「楽しみだねー」

「まぁ、私はそこそこ楽しめればいいので」


 お互い拳を出し合ってこつんとぶつけ合った。

 ちょうどそのタイミングで、バトルロワイヤル開始の鐘が鳴り、俺の視界が真っ暗になった。



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