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伝説の回避盾は姪っ子とともに渡り歩く  作者: 物戸 音
第一章 Ver.1.00 正式リリース
23/44

第023話 回避盾ははぎとともに

「とにかく、お前を倒せってことだな!」

「理解が早くて助かるのう」


 はぎは髪の毛を蜘蛛の巣のように張るとふわりと空中に浮いた。

 どうやら、糸で浮いているようだ。


「まぁ、理由は……勝ってから聞くか」

「勝つ気か。さすが、ワシが認めた男よの」


 はぎの背中から蜘蛛の足が生えた。


「うわっ、キモ」

「な、何を言う! 美しきワシの足を見て、キモイじゃと!?」

「だって、毛がなぁ……すね毛?」

「なっ、いうに事欠いて、すね毛じゃと!!! 貴様、どうやら(くび)り殺されたいようじゃな!」

「どうせ殺されるなら貧乳のロリババアじゃなくて、こうもっと胸の大きいおっとりお姉さんに殺されたいな」

「む、胸がなんじゃーーー!!! えらいのか!! 胸があったらえらいのか!!!」


 はぎの叫び声と同時に、スキルウィンドウが開いた。


 『スキル:非道を取得しました。』


 スキル:非道

 取得条件:非道であること

 効果:挑発行動の効果が上昇する


「いや、まぁ、予定通りなんだが……」


 若干腑に落ちないが、仕方がない。

 はぎに聞こえないようにリタとハクロに声をかける。


「ヘイトは俺に集めた。

 2人は態勢を整えてくれ」

「任せてええの?」

「もともと、俺はタンクだ」

「ってことは、回避盾なん? 同じアタッカーやと思ったのに」

「そんながっくりすんな」

「分かった。あなたが攻撃を惹きつけている間、私たちは態勢を整えて、すぐに加勢するわ」

「助かる」


 俺は、それだけ言うとはぎのほうに飛び出した。


「ミヤコよ。お主の戦い方は知っておるぞ! 攻撃を開始し、力を上げるタイプじゃな」

「よく見てるな」

「後ろからじっくりとな。お前の弱点は分かっておるぞ!

 こちらから攻撃しなければ、お前の能力値は上昇しないのじゃろ?」


 はぎは宙に浮いたまま、攻撃せずカウンター狙いのようだ。


「……はぎ、お前バカだろ?」

「ふ、ふん、安い挑発しおって」

「いや、だってさ。どうやって勝つんだ?」

「無論! お主が飛び込んできたら八つ裂きよ!」

「リタ?」

「は、はい」


 俺に急に名前を呼ばれて驚いたみたいだ。


「魔法剣士だから、遠距離魔法打てるよな」

「えぇ」

「じゃあ、あれに向かって一発よろしく」

「分かったわ」


 リタが火球を作るとはぎに向かって投げた。


「ぬっ、おおおおぅ」

「おっ、避けたな。よし、リタ、連発だ」

「き、貴様!」


 ロッククラブの時に苦労したのはパーティーに遠距離役がいなかったことにあるからだ。

 現状、リタがそれを担うなら、こちらとしてはカウンター型はただの的だ。


「仕方がない、お前がよけやすいように手拍子をしてやろう」

「くっ」


 リタが打つたびに、手を打ってはぎにそれを知らせる。

 テンポよく手を打つたびに、はぎが火球を避ける。


 慣れてきたなと思うタイミングでたまに手を打つタイミングずらすと、それに合わせて避けようとして、火球に当たりかける。

 ちょっと戸惑っていて可愛い。


「はいっ、はいっ、もっと軽快に」


 パンっ、パンっ、と軽快に手を打ち、はぎに回避の合図を送る。


「やってられるかぁ!!!」


 はぎが怒りの一撃を俺に向ける。

 が、そんな単純な攻撃は俺には当たらない。


「はい、1回目」

「くっ、貴様、遊んでいるな」

「はいっ、足が止まってるよ! 火球がくるよ!」


 にこりと笑って、パンっと手を打つとその音に反応して、はぎが思わず回避行動を取る。

 が、火球は飛んでこなかった。


「っ~~~!!!!」


 はぎが顔を真っ赤にして、俺を見る。


「この鬼畜めがーーーッ!!!!」


 『スキル:鬼畜を取得しました。』


 スキル:鬼畜

 取得条件:NPCから鬼畜とよばれること

 効果:挑発行動の効果が上昇する


 おう、こんなスキルもあるのかよ。

 まぁ、挑発効果があがるなら俺にあうスキルではある。


「ミヤコ、準備ができたで!」

「こちらもよ」


 ハクロとリタが俺の横に並んだ。


「貴様! 謀ったな!」

「さて、理由は分からんが、俺を襲ったんだ。

 お仕置きタイムと行こうか」

「ふんっ、対多数はワシの得意とするところよ!

 領域展開! 土蜘蛛の吐糸(といと)!」


 カウンターに徹すればという先ほどの言葉をもう忘れたみたいだ。

 まぁ、あれはいい的だったので仕方がないか。


「リタ、この蜘蛛の糸を何とかできるか?」

「もちろんよ! 輝け! 光の壁! 極光壁(オーラバースト)!!」


 リタを中心に光の壁が広がり蜘蛛の糸を押し返す。


「さて、ハクロ。

 畳みかけるぞ」


 極光壁(オーラバースト)は攻撃判定がないらしく、蜘蛛の糸を焼ききることはできなかったが、押しとどめるだけで十分すぎる。


 俺とハクロははぎの懐に飛び込んだ。


「格闘乱舞 アトミックファントム!」


 ハクロが乱舞で攻める。


「≪影分身≫……からの――」


 はぎの苦しまぎれの攻撃を避けて火力を上げる。


「二刀乱舞 星屑龍星(ほしくずりゅうせい)!!!」


 超過速組の多重連撃。

 はぎの攻撃はすべて宙を切り、こちらの怒涛の攻めがはぎの体力を削っていく。


「くそっ!」


 はぎの渾身の一撃が俺の顔のすぐ横を空ぶった。


「残念だ」


 俺の最後の一撃に耐え切れず、はぎはその場に倒れこんだ。



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