籠の外6
男について歩いていると、今いる場所が大きな橋の上である事に気がついた。レンガのように均等に組まれた岩が脚となり橋を支え、その続きで橋の床も綺麗な石畳となって美しい緩やかなアーチを描く。手すりは木製で、朱色と黒が色付けされている。
何だか和洋が融合したみたいで変な橋だな・・・
そう思いつつ下を覗くと予想に反して水が一滴も無く驚いた。
そこに引かれたのは川では無く線路であった。
「コウジ!何やってるんだ、危ないぞ!」
慌てたシュガーが隣まで来た瞬間、大きな音と共に橋の下を小型の電車が通り過ぎた。
「何だあれ!?見ろよコウジ!水じゃなくて変なのが走って行ったぞ!!」
「おい!シュガー落ちるぞ!!ったく、危ないのはどっちだよ・・・」
興奮した勢いで橋の枠に飛び付き、一生懸命短い手を伸ばして訴えるシュガーを抱え下ろした。
「なーなー!アレは何だったんだ!?教えてくれよコウジー!」
少し気になるが、男を見失う訳にもいかないので再び歩き始めると、シュガーが前方に飛び出してきて両手で俺の右手を掴むと、引っ張ったり揺さぶって俺の進行の邪魔を始めた。
「今は出来る限り周囲を観察したいんだ。また後で教えてやるから」
正直少し面倒な所もあり簡単にあしらおうとするが、シュガーは諦める何処かキラキラした瞳で此方を一心に見つめて期待に胸を踊らせている。これでは俺が悪いみたいじゃないか?
きっと小さな子を持つ親も、こんな複雑な気持ちなんだろうなぁ・・・
『いやぁーだ!!』
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不知火美月