籠の外9
取り敢えずこの大通りを歩いてみるか。
男は背がとても高かったし、人混みでも分かるかもしれない。
「うわぁー!ここはプレイヤーの巣か?見た事ない服着てるぞコウジ!」
慌てて右腕にしがみついてくるシュガーは相変わらず目を輝かせているが、握る手から震えが伝わってくる。
そうか、シュガーからしたら大勢の人間は恐怖でしかないかもしれない。
俺は迷子にならないよう、シュガーの手を握った。
「今度は迷子になるなよシュガー」
俺を見上げてニッコリ笑顔をみせる姿に、何故か懐かしさを感じた気がした。
今度は俺が守る番なんだ——。
少し歩くと隣に連なる建物から1軒ごとに看板が下げられている事に気がついた。木製や鉄製でそれぞれがオシャレだったりユニークだったりと工夫を凝らしてある。書かれた文字は漢字やかな文字、英語みたいな横文字や変な記号がついていたり、絵のような物の羅列等など無茶苦茶でさっぱり分からない。
「コウジ!あれ何だ!?キラキラしてるし、変な匂いがする!」
シュガーが指さす建物は木製のオシャレな造りで、通りに面した壁やドアが硝子製の為、中が見てとれた。沢山の棚に綺麗に積まれた包みを抜けて店の奥には硝子製のケースが置かれている。その前で女性が指を指して指示をするとケースを挟んで奥に立つ男がケースを開けて中の物を取り出して女性の隣にいる小さな女の子に渡していた。
何かの店見たいだな・・・
『イチゴのケーキがいい!』
そうそう、ケーキ屋のショーケースみたいで——。
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不知火美月




