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八話 約束

地図に記されていたのは赤い島が

7つと、青い島が1つだった。



「そして、その唯一の青い島が

ここヤナハ国だよ。」



「ここが!? それじゃあ

ここは次に魔族が侵入してくる

ところじゃないですか!」



「そう……だな。ここが次の……

失う島だな。」



ガビルさんは酷く悲しげに

そんな声を漏らす。



「だから、ここに元々住んでいた兵や

戦士達はこの島を捨て、下の大陸に

行っちまった。今この島で戦えるのも

あそこに集まっている連中と

彼女だけだろうよ……。」



「じゃあこの任務の目的は

魔族に奪われた島を1つ取り戻す

ということですね?」



「そうだ、そのとおりだよ、

あんちゃん。だけどそれは簡単じゃあ

ない。魔族は統治する島一つ一つに

幹部を一人置いてやがる。

奴らを倒すには帝国精鋭隊が少なくとも

二人は欲しいところなんだが……」



「帝国精鋭隊?」



「レベル600超えの化物のことだよ。」



そう言って

ガビルさんは金髪の彼女を指差す。



「ちなみに、彼女もその一人。

名はタチアナ。騎士の最高位職業である

勇者にわずか十五歳でなり、その後も

幾多の偉業を成し遂げ今ではレベル630。

過去に類を見ない逸材だよ。」




「それほどの実力者でも

幹部を倒すのは難しいんですか?」



「あぁ……確か彼女の他にあと

五人いたんだがその内の三人

は幹部との対戦で重症を負い、

今は下の大陸で療養中らしい。

あと二人は王を守るために城内で

護衛を務めているという噂を

耳にした。」



「城内の護衛って……そんなことより

この緊急任務に参戦すべきでしょ。」



「全くもってそのとおりだよあんち

ゃん! ったく、下の大陸の奴らはおそ

らく帝国精鋭隊が万全の状態になってか

らとか考えているんだろが、それは

つまりこの島を見捨てるってことじゃ

ねぇか! ふざけんなってんだ!」



「声、少し下げてください、また

怒られますよ。」



「すまん、すまん。つい興奮しち

まった。まぁそんな状況でも彼女は

仲間を連れてこうやって立ち上がって

くれた。わしにとっては彼女とこの任

務は希望なんだよ。

だからさぁ、あんちゃん。」



ガビルさんは持っていた酒をテーブルの

上に置き、俺の手を強く握ってこう言っ

た。



「ほんっとに頼んだよっ!」



その力の入った目にを見ながら

俺は答えた。



「わかりました。この任務が

終わった後はまたここでのんびり

お酒が飲めるようになりますよ。」

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