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七十一話 見送り4

私は五年前にも同じ光景を見た。

誰かを見送る今の光景を。



その人達は帰ってこなかった。



帰ってくると約束したのに......




『帰ってきたら家族みんなで

下の大陸に行こう。』



パパが言った。



『帰ってきたらメグの好きなもの

何でも作ってあげるからね。』



ママが言った。




『メグは心配しないで。

パパとママは私が守るから。』



お姉ちゃんが言った。




でも、誰も帰ってこなかった。




パパもママもお姉ちゃんも。





それから私はずっと一人だった。

ずっと孤独だった。

そんなとき、ある鳥に出会った。



「一人なの?」



そう私が聞くと、その鳥は



「ピィ......」



と寂しそうに鳴いた。



私と一緒だ。



私と一緒でペルーも孤独なんだと

そう思った。



けどペルーには家族がいた。

それがわかったのはある男の人の

おかげ。

ならせめて、ペルーには

家族に早く会ってもらいたい。


この孤独の痛みから抜け出して

もらいたい。



だって、辛いもの。一人は。



そう考えていたら、彼が言ってくれた。



連れていってやるよ。って。



出会ってまだそんなに経ってないのに、

何故かわかんないけど、彼なら

やってくれるって思えてしまった。


いつもは酒場のおじさんみたいに

ぼーっとしてるのに、どこか彼には

大人っぽさがあった。

そんな彼だから

信用できるって思えた。



だから、ペルーのことも

彼に預けたし、仕事も

忙しかったけど全部今日は

断って見送りに来た。



でも......あれ?


どうしてだろう......


彼が行ってしまうのを見て、

昔の光景を思い出してしまった。



「隼人!!」



そしたら勝手に口が動いて、

彼の名前を叫んでしまった。



あぁ......そうか......いつの間にか

隼人は私にとって家族ぐらい、

大切な存在になっていたんだ......




「隼人も絶対、無事に帰ってきて!」




もう嫌だから......大切な人が帰って

来ないのは......。



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