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六十話 選抜試験19

俺の言葉に困惑しながら、

アルナさんは手の上のバッチを見る。



そして、彼女は俺の目を見て言った。




「いえ、やっぱり受け取れません。」




「え......なぜです?」



「それでは......

心優しいあなたが合格できないじゃない

ですか。」



「......へ......?」




予想外すぎる返答に間抜けな声が

出てしまった。



「それってどういう......」



「私は負けた私よりも、

敗者を気遣ってくれた、

優しいあなたが合格すべきだと

思います。だから、そのバッチは

私ではなく隼人さんが貰ってください。」




「え......いやいやいや、気遣ってるとか

じゃなくて、

俺は本当にアルナさんが──」



「いえ! 隼人さんが合格すべきです!」



本来、奪い合うはずのバッチを、

なぜか譲り合ってしまっている。


何でだ......何でアルナさんは受け取らない

んだ......あ! そうか



この人はアスナさんでもアルナさんでも

無く



天使だったのか!



だから、俺のことも見捨てなかったし、

性格もこんなにも美しいんだ。



あぁーなるほど、なるほど。



どおりでさっきの彼女が戦う前に

演説していた姿が神々しかったわけだ。



なら、やっぱり彼女にこのバッチを

受け取ってもらわないと!




と俺が天使を発見した時だった。




「整列!」




上階から女性の声が聞こえる。



声の方を見れば、そこには先程、

決闘を止めに入った、タチアナが

いた。











ぞろぞろとバッチを入手した者、

バッチを入手できなかったものが、

彼女の号令に集まる。



「みな、試験ご苦労だった。

早速だが、今から選抜試験の合格者を

発表する。」




「どうせ、バッチをゲットできなかった

俺たちは不合格なんだろ......」



隣にいた落胆している男が愚痴をこぼす。



「隼人さん、このバッチはあなたのもの

ですからね。」



「いえ、このバッチはてん、

アルナさんのです。」



俺達は未だに言い合っていた。



「アルベル、ドッペ、影蜘蛛──」



順々とバッチ保持者が名前を呼ばれて

いく。





この試験合格の条件がバッチの保持

ということならば、このままアルナさん

にバッチを渡せば、俺は不合格になる。



それではこの異世界のクリアする

ことはできないし、メグとの約束である

ペルーをフリーズランドに連れてやって

やることもできない。

それは非常に困る。


ではなぜ、こんなにも俺がアルナさんに

バッチを譲っているのかというと、

まあ、一つの理由として、

彼女が天使だから、ということ。

そして、別にこの試験に合格しなくても

いいと分かったからだ。







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