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三十八話 鳥と少女8

「どうしてそんなこと聞くの?」



「いや、なんでメグはそんなに

働いてるのかなって思って。」



「あぁ……そういうこと。違うよ。

私は職業者になりたいんじゃ

なくて、孤児院の

修道女になりたいの。」



「修道女?」



「うん、実はね私二年前まで

孤児院にいたの。」



それからメグは淡々と自分の過去を

話してくれた。

俺はそのことをガビルさんに

聞いていたが、彼女自身が

自分の過去を明かしてくれたこと

が、少し意外と思いつつも

もう一度聞くことにした。




「だからね、私は将来、修道女

になって私みたいな

孤児たちを幸せにしてあげたいの。

そのために勉強しないといけないから、

その時のために今はお金を貯めてる。」



「そっか……きっとメグなら

いい修道女になれるよ。」



「ほんと? ほんとにそう思う?」



「あぁ……だってほら、メグは

ペルーのことこんなに気にかけて

やってるじゃないか。

親を無くして傷ついた子供達を

メグならきっと癒やしてやれるさ。」



俺の言葉に嬉しそうな

顔を浮かべ、あまりこんなことを

言われたことがないのだろうか、

メグは不器用に微笑んだ。



「でも……どうして隼人は私が

職業者になるために働いてるって

思ったの?」



やはり俺のさっきの聞き方は少し

まずかったようで、メグは

痛いところをついてくる。



「え? あ、なんとなくだよ。

なんとなく。特に意味はない。」




「ふぅ〜ん。ならいいけど。」



若干何か言いたげだった

が、メグは納得しペルーを

撫でる。



どうやらメグが職業者になって

家族を探そうとしてるというのは

ガビルさんの思い過ごしだったようだ。

俺はそう思いつつ、おもむろにペルーの

今後のことについて聞いた。



「なあ、メグ。ペルーは親が

来るまでお前が面倒見るのか?」



「うん。だってさ、可愛そうだよ。

親に置いていかれて、

一人ぼっちだなんて。」



そう言ってメグはまたあの顔をした。


ペルーが親に置いていかれたと

知ったあの時の悲しげな顔を。




「迎えに来てくれるかな……」



俺はその時、何か心がもやっとした。



その言葉はペルーに向けられたものでは

ない感じがした。



「ねぇ……隼人……迎えに

来てくれるよね? だって家族だもん。

何年経ったって迎えに来てくれなきゃ

酷いよね。」



その言葉はペルーではなく、俺にでも

なく、自分に言い聞かせてる

ようだった。





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[気になる点] 修道院じゃなく修道女じゃない?
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