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2話 始まりの異世界

これは、後に最強の異世界人として、

人から恐れられることとなる男の、

始まりの物語。



時を遡ること、約100年前。











「誰か! 助けてくれ!!」




走り疲れて、今にも立ち止まってしまい

そうな俺は、必死に助けを求めた。

しかし、辺りに人気はない。

そもそも、ここが何処なのかもわからない。

なぜ俺はここにいるのか。

どうして裸なのか。

そして、今背後から追いかけてくる

この謎の生き物は何なのか、全く

わからなかった。

わかるのは、立ち止まれば、この生物に

殺されるということだけ。




「何なんだよ! こいつ!」



そういえば、今になってようやく

思い出したことがあった。

俺はついさっきまで謎の老人に会っていた

のだ。ベット以外何もない、白い部屋で。


俺はあの老人に誘拐されたのか?



そんな不安が頭を過る。

だが、そうしている内に、とうとう

限界が来てしまった。



何とか森の中から脱出し、道らしき場所に

出たものの、俺にはもう助けを呼ぶ声すら

出なかった。



ああ......マジで死ぬ......



地面に倒れながらそう思った、その時

だった。



「何でお前裸なんだ?」



背後から男の声がした。



危ないにげろ! 後ろから謎の生き物が

迫って来てるぞ!



そう警告しようとしたが、

その必要は無かった。



「ファイアレン!」



後ろを振り向けば、そこには青髪の

筋骨隆々な青年が、ファンタジー物語に

出てきそうな剣で、迫り来る謎の生物を

斬り殺していた。

そして、目を疑うことに、その剣は

炎を纏っていた。



「......!?」



ようやく出せたのは言葉にならない

驚きの声だった。



「おいおい、推定レベル2の

モンスターを倒せねえとか、

お前どんだけ弱いんだよ......」



何故か知らないが、その青年は呆れていた。

だが、そう言いつつも彼は俺に手を

差し伸べる。



「た、助かった......あ、ありがとう。」



「いいから。とりあえずこれで

ぶら下がってるもん隠せよ」



言って、彼は自身の荷物から

バスタオルぐらいの布を取り出し、

立ち上がった俺に投げる。

俺はそれを受け取って腰に巻いた。



「んじゃあな」



「え!?」



「何だよ」



「え、あ、いや......」



「あのな......俺はてめぇの母親

じゃねぇんだよ。自分の命ぐらい、

自分で守れ」



確かに正論だ。だが、何処かもわからない

こんな危険な場所で、はいそうですかと

単独行動できるはずもない。



だから俺は......とりあえずこの青年の後を

追うことにした。

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