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三十四話 鳥と少女4

「ほら、ペルー、外だよ!」



そのまま外まで抱いて持ってきた

ペルーをメグは離す。



「ピーー!」



ペルーは元気よく、空に飛び立つ。


そんなペルーの姿をメグは少し

名残り惜しそうに見上げていた。



もう、お別れか……




そう思ったであろうメグの思いとは

裏腹に、ペルーは空を円上に巡回すると

再び、俺達の元に下りてきた。



「どうしたの、ペルー? 行って

いいんだよ?」



メグの言葉にペルーは反応せず、

再び元いた岩陰に戻っていく。



そんなペルーの姿を見て、

俺とメグは顔を合わせて首を傾げ

るのだった。





次の日も俺は特にすることも無いので、

メグと一緒にペルーを外に連れ出す。


しかし、何度やっても空を少し

飛び回ると岩陰に戻ってきてしまう。



その次の日も全く結果はおんなじ

だった。



「もー、なんで? どうして

飛びったってくれないの?

もう傷も治ったのに。

ねえ、どうしてだと思う?

隼人。」



「わからんなぁ……単純にここが気

に入ったんじゃないのか?

ここに居れば餌も貰えるし。」




「そんなの困るよ。私もずっと

ペルーにつきっきりじゃいられない

し。」



俺とメグはぼけぇと座っている

ペルーを見る。



「ピィ?」



首をひねるペルーをみて、やや諦め

気味になっていたメグがため息を

ついた。



「そういえば、メグ、前にこの鳥の

名前、なんて言ったっけ?」



「ペルーだけど?」



「違う、そっちじゃない。」



「あぁ、氷鳥ね?」



「それだ。それは正式名称なのか?」



「多分違う。」



「多分違う? それはつまり

知らないのか?」



「そうだよ。だって当たり前じゃん。

私、鳥の名前が載ってる本なんて

持ってないもん。」



「この島に図書館とかもないのか?」



「無い無い。本を無料で見せてくれる

ところなんて下の大陸にだって

無いよ。」



「そうか。」



「でも、どうしてこの鳥の名前が

知りたいの?」



「そりゃ、この鳥の習性とか

を知るために。」



「習性? 隼人はペルーが

飛ばないのは習性だからだと

思ってるの?」



「断言はできないけど……なんかペルー

が空を飛んでんの見てると……

なんていうか……迷子? みたいって

いうか……」



「わかる! どっちに飛べか

いいのかわかんないみたいだよね。」




第一、ペルーは足を怪我して

いただけであって、飛ぶために

必要な羽は無傷だった。


多少無理をすれば、ペルーは

傷を負ったままでも飛べただろう。

そして、傷が治った今でも、

どこかに飛び立とうとはしない。

考えられることはこれしかなかった。




「この鳥について分かればなぁ……

本か……図書館とかが無いんだと

したら……そうだ!」



「何か思いついたの?」



「まぁな、メグ、ペルーを

抱いてついてきてくれ。

本が手に入りそうな場所の心当たりが

ある。」








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