4話 異世界人の集い4
俺とウィンクさんの関係?
「そんなの俺が知りたい。」
「あはは、確かに。私とはやっちの
関係ってなんだろ? 友人じゃ無いし
......戦友?」
戦友。ウィンクさんからそんな言葉が
出てくるなんて、思わず苦笑して
しまった。
「戦友? なわけないでしょ。」
「えー、昔はよく一緒に助け合った仲
じゃん。」
「助け合った? まだ異世界についての
知識が浅い俺のお金を騙し取ったり、
助けるふりして俺を敵地のど真ん中に
置き去りしたりした人を、戦友とは
呼ばないですよ。」
「......? 私そんなことしたかな?
もう忘れた。」
これだよ。だから、この人苦手なんだよ。
「いいね。その顔。はやっちのその顔
すごく好き。」
その顔とは、今俺がしている
この渋面であろう。
俺は毎回、ウィンクさんに出会うと
無意識にこの顔をしてしまう。
そんな俺の情けない表情を
見て楽しんでいるかのように、
ウィンクさんは言った。
「んー。久々にはやっちのその顔を見れた
ことだし、もういいかな。」
ウィンクさんは体を猫のように
ぐーっと伸ばして、俺から視線を外し、
今度はタチアナに向けた。
「彼女さんにも悪いしね。じゃ、
バイバイ。」
その言葉に、タチアナが反論仕掛けて
いたが、ウィンクさんはいつものように
スタスタと俺の前から居なくなった。
「はぁ......」
ウィンクさんがいなくなった代わりに、
どっと疲れが襲って来る。
一体あの人は何を考えているのか、
全くわからない。
まあ、どうせ俺が動揺しているのを
見て楽しんでいるのだろうが、
こちらとしてはいい迷惑でしかない。
人に迷惑をかけてはいけないと
親から教育されなかったのだろうか。
「あ、嵐のような人だったな......」
隣にいたタチアナがそう呟く。
「あれは嵐よりもたちが悪い。」
俺は思わず苦笑したが、嵐が通った
後には何も残らないように、先程まで
俺達の周りでざわついてた連中が彼女の
お陰で一人残らずいなくなっていた。
これでようやく用事を済ませられる。
「タチアナ、こっちだ。」
そうタチアナに声をかけて、俺は
ギルドでいう受付のところへと
足を運んだ。
「いらっしゃいませ。どのような
ご用件でございましょうか?」
にこりと笑ってぺこりとお辞儀をする
受付嬢の前には、キーボードが搭載された
謎の機械が十台ほど並んでいた。
俺の記憶が正しければ
「すみません。会員登録をしたい
のですが。」
これで、用事を済ませることができる
はずだ。




