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十一話 タチアナ

「なんだ……魔族の匂いがするな……。」



誰もがみな彼女を称賛し、天才だとか

逸材だとか言う。


確かに彼女には恵まれた才能があった。

戦闘面においても人を指揮する力量にお

いても、どれをとっても並外れた強さが

彼女にあった。

だが、しかし彼女をそれほどの人間に

したのはそれだけではなかった。

彼女には生まれ持った戦場においての

桁外れな感の良さがあったのだ。



「ドッペ、センサースキルを使える

アサシンを連れてきてくれ。」



「わかりました。」


一人の部下に命じる。



「何かまた見つけたのですか?」


もう一人の部下が尋ねる。



「あぁ……。」



今度は外れで合ってほしい。


彼女は心の中でそう思った。




「……魚類系の魔族の足

跡が男の部屋の中に。」



フードを被って顔を隠している

男が、蜘蛛のように床を這いずり

ながら言う。



「それで、その足跡はどこへ?」



部下の一人であるドッペが尋ねる。



「消えている……だが……

あんた等とは別の……まだ新しい人間の

足跡がある……」



「人間の……? その足跡は

どこに向かっている?」



「こっちだ……」



タチアナ達はアサシンの言うとおり、

彼の後ろをついていく。






「ここだ……」



「機関室? 本当にここに?」



「この鉄のドアの前で足跡が

消えている。」



「タチアナ様、中に魚人が

潜んでいるやもしれません。

ここは私達が。」



「いや、ここは私が行く。

そんな顔をするなドッペ、

私が魔族一匹にやられるとでも?」



「そのようなことは――」



「なら心配するな。

では、行ってくる。」



不安げな部下を尻目に重たいドアを

力を入れながら開け、タチアナは

部屋の中に入っていった。



部屋の中に入っても別段、

誰かが潜伏してそうな様子は無く、

見回っても怪しいところは

なかった。

だが、タチアナの感が働いたのか

道具をしまう小部屋に目をやる。



「おい、誰かいるのか?」



小部屋のドアをノックしても返事が

ない。



「開けるぞ。」



タチアナは慎重に小部屋のドアを

ゆっくりと開けたのだった。

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