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百五話 エレディア村11

「あぁ、まかせろ。」



「助かるよ、隼人。ありがとう。」



タチアナは俺に微笑む一方で、

少し寂しそうな表情をした。



俺がさっき怒ったせいか、あれから

俺の正体について尋ねて来なくなった。



なぜだろう。さっきの罪悪感が

蘇る。



いや、これでいいんだ。



俺が自分のことを詳しく

他者に教えないのは、あまり

仲良くなりすぎないためだ。



彼女とどれだけ仲良くなったって、

いつかは別れがくる。



そのときになって辛い思いをするのは

わかりきってる。




けど、なんだろ......

俺の力のことは詮索させないように

しといて、その力を彼女の前で岩を

壊すために使うっては、なんかこう......

ひどく失礼に感じてしまう。



話してもいいんじゃないのか?

彼女には。



タチアナは真面目でしっかりしてるし、

他の人には黙っておいてくれって

頼めば守ってくれそうだ。


それに、討伐軍のリーダーである

彼女が俺の境遇を理解していて

くれれば、討伐軍と合流しても

俺が目立たず、魔王を倒せる

ように上手く取り計らって

くれるかもしれない。



第一、今後も俺が彼女の前で力を

使う度に、彼女にこんな

私には何も話してくれないんだね......

みたいな顔をされては俺が

何か悪いことをしてるみたいじゃんか。



よし、話そう。



「......あ、あのさ......タチアナ。」




「ん? どうした?」



「じ、実はさ、俺さ......俺──」











「あ! いた!」



「いた! おっさんだ!」



はい。どうもおっさんです。



「ど、どうしたんだよ。」



俺が意を決して彼女に話そうと

したところで、この村の

元気な子供三人が俺を見つけて

駆け寄ってくる。



「さっきあそぶっていったじゃん!」



うわっ、そういえばしたな......



「え? してないよ?」



俺はせめてもの反抗として記憶喪失を

演じる。




「したじゃん!」



「あ! 鳥だ!」



俺の演技も通用せず、子供達の

注目はペルーに移る。



「ピィ!」



先ほど気持ち悪いと言われたからなのか、

ペルーは俺の背後に隠れる。



「一体どうしたんだ? 隼人。」



「いや......」



「あのねおねえちゃん、うちらがね、

あそぶね、やくそくしたのにね、

このおっさんね、うそついてるの。」




「それは本当か?」



「いや、まぁしたけど。」



「したのなら、遊んであげれば

いいではないか。」



「違うんだ、今は──」



「ねー、ねー、おねーちゃんもあそぼ。」



「あそぼ、あそぼ。」



「私もか?」



「あのね、うちらね、おっさんたちね、

つれていってあげたいとこあるの。」



「おれらのひみつきちなんだ!」



「そうか。では私も連れていって

もらうとするか。」



「え、行くの......」



「おっさんもはやくはやく!」



俺とタチアナ、および俺の頭に

のっかって座るペルーは

村の子供達に連れられ、遊びに

行くのだった。

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