表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹は双子、カノジョである。~双子がダブるってマ?~  作者: 沢鴨ゆうま


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/101

Folge 81 BBQ

「目が、目があああ!」

「食欲をそそる目くらましね」


 家族で食べる初めてのバーベキュー。

 香ばしい煙幕に翻弄されながら食を進めている。


「痛いけど美味しいね」

「なぜこんなに苦労しながら美味しい思いをしているのか」

「ふふふ。サダメちゃん、こちらに来ると少しは楽ですよ」


 美咲に呼ばれて移動。

 お? ちゃんと見えるじゃないか。


「これなら美味しいだけになるな」

「それは良かったですね。まだまだ食材はありますから」

「なんで兄ちゃん平気なの? あたし一口も食べられないよ」


 ツツツっとオレの傍に来たのはカルラ。

 自分の分とオレの分を取り分け始めた。


「ああ、そういうことか」


 タケルも鉄板の対面に移動。

 ツィスカ以外は横一列に並んでいる。


「あたし一人だ。なんでよお、一人にしないで」


 美咲を押しのけるようにしてオレの横に来る。

 いつでも妹のサンドウィッチ。


「ああ! ここなら目が見えるじゃない。ずるい」

「風の向きってだけなのよね」

「よ~し、それじゃあ……」


 鉄板の熱さと格闘しながら焼けたモノを回収。

 皿の上は山盛りだ。


「そんなに食べたらお腹が苦しくなるぞ?」

「はい、兄ちゃん。たぁんとお食べ」

「ツィスカばあちゃん!?」

「失礼ね。カルラよりたくさんよそってあげたのよ? 喜んで」


 これ、オレの分か。

 カルラがそれなりに盛ってくれているんだけどなあ。

 腹が苦しくなるのはオレのようだ。


「ありがと……ちょっと多いぞ、これ」

「なので、たぁんとお食べ」

「はい。たくさん食べさせたいんだな。……頑張るか」


 と言っておかないと姫が旋毛(つむじ)を曲げてしまうからね。


「わたしのは無理に食べなくていいわよ。タケルにあげるし」


 耳元にカルラホットラインが届いた。

 姉に譲るらしい。

 それを可愛く思うと踏んでのことかな。

 はい、可愛いと思いました。

 カルラに有効ポイントが加算されたようです。



 ◇



「食べた食べた。もう入らないぞ」

「アイスクリームがありま~す」

「お、デザートがあるのか」


 女子か!

 腹一杯なのに締めを食べたくなる衝動。

 食欲って怖いな。


「バニラアイスです。掛けるものもあるので、お好みでどうぞ」


 チョコクリーム、ハチミツ、イチゴジャム、ブルーベリージャム……

 他にもたくさん用意された。

 なんでもあるのな、この別荘。


「普段いないのにこういうのとか食材とか、備蓄されているの?」

「いえいえ。ウチの知り合いの方にお話ししておくと、いつも何か届けてくれるんです」

「へえ。流石に食材の備蓄は無理があるか」

「家から持って来るのも大変ですし。一泊なら持って来るのも考えたのですけど」

「使えるものは使おうってことだよ」

「咲乃、言い方ってものがあるだろうに」

「小さい頃ボクが迷子になってさ、川に落ちかけた時に助けてくれた人なんだ」

「それから私たちのこととなると、何かと気に掛けてくれるようになって……」

「恩人じゃないか。なおさら使えるものってのはどうかと思うが」


 ベロを一瞬出して見せた。

 咲乃、お前も可愛すぎるんだよ。

 そういう仕草が似合うって魅力の成せる技だと思う。

 見事に悩殺されている人がここにいます。


「ちゃんと感謝しているから。今回もお話しいっぱいしたしね」

「連絡をした時に長い事話し込んでいましたよ」


 ああ、良い子だった。

 言葉と裏腹の行動があるんだよね、咲乃は。

 そこかな、魅力と感じてしまうのは。

 心は相当に綺麗な子だから守りたくなるんだろう。


「なんだか羨ましい関係だな。良かったね、大切にしてくれる人が居て」

「もちろんそうなんだけどさ、サダメも……その一人で居て欲しいな」


 おっと、そのトロンとした眼!

 やめなさいって! 好き度が跳ね上がるから。


「ただその一人ってだけじゃなくて、一番大事にしてくれる人になってよ」


 はい、もうだめ。

 すでに開けてある心の扉。

 そこに投げ込まれると落ちるんだってば。

 女の子は配球が上手すぎだよ、がっちりつかまれちゃってる。


「はあ。かなわ――」

「あああああああ!」


 へ? 何?


「ちょっと喉がすっきりしないから発声よ。失礼したわね」

「ツィスカちゃん。今ボクにとっては重要な言葉を聞けるはずだったんだよ?」

「何のこと? あたし、何かしたっけ」


 妹ガードが発動されました。

 こういうことに敏感なツィスカ。

 風の噂というものがある。

 この妹ガードによってオレへの告白が全て消されている、と。

 弟妹のようにモテているとは思えないから単なる噂なのだろうな。


「一度ツィスカちゃんとは、ゆっくりと話し合う必要があると思うんだ」

「兄ちゃんとの時間が割かれるからしないわ」


 ツィスカのスキル、鉄壁が発動されたようです。

 この子達って、本当にオレを好きでいいのかな。

 妹はまだしも、さくみさって……。

 ああ、妹は妹だし妹だから離れないし、妹なので離しません。

 妹から好かれていないと落ち着かないし、妹も好きでいてくれるらしい。

 だから安心して妹を好きでいられる、妹バンザイ。

 たぶん、ゆっくりと話すべきはオレとさくみさなのだろうな。

 いつもお読みいただきありがとうございます!

 楽しんでもらえていますか?

 よろしければブクマ&評価をポチッとお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ