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妹は双子、カノジョである。~双子がダブるってマ?~  作者: 沢鴨ゆうま


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Folge 62 呪い!?

 下校途中となりました。

 靴の底がベロのようにべろ~んと剥がれた。

 これでは歩けないと、仕方なく体育館シューズに替える。

 恥ずかしい。

 裸足よりはマシよ、と二人に励まされながら帰る。

 道中カラスに襲われる。

 (くちばし)で突かれまくって痛い。

 も~いたい~よ~と歌を歌った。

 途端にカラスはフラフラと飛び去った。

 電柱のてっぺんや民家の屋根、マンションのベランダや看板。

 狙ってきたカラスは何羽いるんだか。

 カラスは元の場所に着いた途端、全羽地面へと落下した。


「サダメちゃんの歌、殺傷能力高いんですね」

「お歌はやめようよ。なんで襲われたのに歌えるの?」

「わかんねえ」


 歌でカラスがやられただと――まさか。


「二人共酷いよ」

「でも、今の見ましたよね?」


 見たけども、認めたくないのだよ。


「どうしてもって言うなら、ボクが口を塞いであげるね」

「じゃあ歌おうかな」

「サダメ、ボクとしたいの?」

「私とはしたくないのですか? したくないんですね」

「いや歌だよ? そんな話になっちゃうの?」

「もう歌はどうでもいいんですよ。私とキスをしたいかどうか、です」

「美咲、キスはボクの担当だってば。無理しないでいいよ」

「サダメちゃん、私の虜になるほどにキスをしてあげますよ」

「美咲? 牛乳飲んだっけ。飲んでないよね?」


 明らかに美咲の目つきが変わっている。

 咲乃からの圧が刺激になってしまったのかも。

 美咲も独占欲は強いんだよな。

 普段は隠しているけれど。

 一度顔を出すと、ヤバい。


「何を言っているのかしら。サダメちゃんは私の。だからキスをするの」

「渡さないからね! ボクのだから美咲には渡さない」

「渡すとか渡さないなんて元々無いでしょ。だって、私のなんだから」


 お、オレはどうしたらいいんだ。

 まだどちらかをなんて決められないし、決められる立場じゃないんだ。

 だって、どちらも素敵じゃないか。

 そうか――妹の時と同じようにしよう。

 それがオレのやり方で、それしかできない。


「二人共、ごめんな。どっちとか決められないんだ」


 左腕で美咲、右腕では咲乃を思いっきり抱きしめた。


「ちょっと、私が抱えるんですから、逆よ」

「サダメ、きついよ。優しくして。ボクは逃げないから」

「黙って抱えられていろよ!」


 力を増す。痛くなるのは承知の上で。

 その痛さもオレの気持ちとして受け取ってもらいたかった。

 ただ、必死に抱きしめる。


「……分かったわ。今はサダメちゃんの好きにしていいですから」

「……あん。ボクはいつもサダメの好きにしていいんだから、落ち着いて」


 そういや、ここは外だった。

 体育館シューズを履いて、カラスに突かれ乱れた髪。

 その容姿で美人姉妹を抱きしめている、路上で。

 カッコいい? カッコ悪い?

 ご近所さんは慣れているはずだけど。

 抱いているのは妹じゃないからなあ、目立っているよな。

 急に恥ずかしくなってきたから二人を開放しよう。


「サダメからあんな言葉を言われるなんて、ドキっとしたよ」

「サダメちゃん。あなたからの想い、確かに受け取りました。離さないわ」


 美咲は変わっていないね、結構オレなりに頑張ってみたのだけど。

 本心からの勢い、慣れていないから手が震えてきたよ。


「驚かせてごめん。でもな、今の気持ちだよ。この手の震え、笑えるだろ」


 改めてそれぞれの腕に二人は抱き着く。


「帰ろう。テスト終わりの休みが欲しい」

「待って、サダメのお尻が――」


 お尻?

 咲乃、どこ見てるんだよ。


「それってカラスの糞じゃないかしら」


 ああ!?

 爆撃までしてやがったのか!

 また綺麗に谷間へ掛けやがって、汚ねえなあ。

 でも替えは無いし、なんてこった。

 体育館シューズを履いて、髪は乱れ、鳥糞を付けたズボン。

 まさかこれって、裕二の呪い!?

 あいつ、侮れないな。

お読みいただきありがとうございます!


楽しんでもらえていると良いのですが。

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なにとぞ!

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