英雄の最後
自分が書きたいシーンだけ書いています。
表現などまだまだ下手ですが、どうぞ良しなに。
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夕日の当たる、木が生えている少し小高い丘があった。
そこには、木を背もたれにして青年が座っていた。
目を閉じ静かに、呼吸をやめたかのように少しも身動きをしなかった。まるで何かの終わりを確認するかのように。
数秒間待ち、ゆっくりと目を開け涙ながらにつぶやいた。
「やっと……やっと終わった。もういいんだ。戦わなくて」
彼女の目の前に広がっていたのは、広大な平原。それと数えるのも面倒なほどの死体の山。
首を切られている者、矢で射抜かれている者等々、死にざまは様々だが、なぜか皆やり切ったような、清々しい顔をしていた。
そんな、誰一人として動かない丸太の山から何かがもぞもぞとかすかに動いた。
勿論のことながら、動かないはずの丸太が動くなど到底あり得ない。xxxxxは見逃さず、直ぐに人だと気が付いた。
何人ものの人間が野良犬の如く脆く死んでいった中、よく生き残れたと思い、自分の隣に置いていた剣を持ち立ち上がった。
すぐさま動く者の場所まで走る。
自分以外に生存者が居て嬉しいのか、xxxxxは心なしか少し微笑んでいた。
そこには先ほどまで敵軍として戦っていた兵士だった。
「……だ、誰かいるのか?目をやられた。見えねぇんだ。おまけに、上に木か何かが乗ってやがる。手を……貸してくれないか?」
かすかに聞こえる程の声で敵兵はxxxxxの裾をつかんだ。
しかし、正直もう虫の息であるこいつをこのまま助けていいのか?助けたところで、こいつが以前のように過ごせる保証はあるか?このまま放っておくか、ここで殺しておいたほうがいいのではないか?
xxxxxの中でそう葛藤していたが殺さず生かそうとした。
敵兵に乗っかっていた、死体を動かそうと死体に手をかけようとした時。背中を刺された。
「な……なんだ!何があった。おいアンタどうした!」
刺された刹那、剣を抜き回転して斬り返そうとしたが、蹴られ前のめりに倒れ吐血した。
何とか……逃げないと……。殺される……クソまだ死ねない……。
xxxxxは地を這い必死に逃げようとした。だが逃げられるわけでもなく、すぐに追いつかれまた刺される。
「っ……!」
声にならない声で耐える。
嫌だ。死にたくない。
剣を地に刺し、杖代わりにして立ち上ろうとする。一歩二歩と少しずつ進んでいくが、ぴったりと後ろから足音が聞こえる。こんどは足を刺された。
杖にしていた剣はもう二度と動かなくなり、血がポタポタと垂れている。
「しぶといね。さすがはエルフといったとこかな。でももう終わり、足のふっといところ斬ったからもう無理っしょ」
ああ……死ぬのか、私。死にたくないな。@@@@@や*****の時もこんなのだったのかな。
自分は死を乗り越えたつもりでいた……。けど違った。それは、ただ単に自分が死を、死という存在そのものを認めなかっただけだった……。だから@@@@@の時や*****の時も何も思わなかった。
だが今死が自分にきて確認した。死は恐ろしいと。死にたくない。死にたくない。といくら思っても死はそれを認めてはくれない。
xxxxxはうつ伏せのまま泣いた。血を吐き、今まさに襲い掛かろうとしている死に恐れおののいていた。
…………いくら程経っただろうか。体は冷たくなり、動こうとしなかった。視界は白くなり、視線だけがかすかに動くだけだった。
まだ生きたかったな。逝きたくないな。ああ……もう考えるのやめよう、余計辛くなるだけだ。あれ、考えるってなんだっけ……。
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