第1章 【風を好む妻】他
これはツイッターアカウント「呟怖 -つぶこわ-」様(@tsubukowa)に、
「#呟怖」というハッシュタグをつけて投稿した怪談を集めたものです。
今後も新作投稿したら、この続きに掲載して行きますね(^^)
【風を好む妻】
妻は風を好む。
先日も台風の日にベランダに出て手を広げて笑っていた。 妻は良く寝言で不思議な節の歌を口ずさむ。
気になって録音し、知り合いの大学教授に調べて貰った。
教授は言った。
「これは紀元前の言語で風の魔王を讃えている歌だよ」
【末代までの呪い】
曽祖父の父親が何かやらかしたらしい。
曽祖父は22歳の誕生日に死んだ。
祖父は33歳の誕生日に死んだ。
父は44歳の誕生日に死んだ。
明日、私は55歳になる。
【youtube】
俺は怖い話が好きだ。
ある日、youtubeで怪談を語るラジオ番組風のチャンネルを見つけた。
豊橋に住む三人が軽快に語り合う面白い怪談動画だ。
俺は今、彼らが録音している現場にいる。
なのに三人は誰も俺に話を振ってくれない。
【投げているのは誰?】
私の友人は以前に亡くなったプロ野球の投手が好きだった。
未だに球場にその選手のユニフォームを着て行く。
しかも彼は必ず内野自由席のとある1つの席に座る。
今日も彼は走って行ってその席を確保した。
試合が終わって彼が言った。
「今日も彼は良い投球だったね」
【資格】
私は余命宣告を受けて入院している。
ある朝、目が覚めて安堵した。
今日も生きている。
朝の検温に来た看護師に私は言った。
「今日も生きていた。だけどいつでも天国に行く覚悟は出来ている」
すると看護師は薄笑いを浮かべて言った。
「あなたには天国に行ける資格があるの?」
【鏡】
ある朝、出勤前に身支度をする為に洗面所の鏡の前で髪をとかしていた。
今日の髪は寝癖のせいか、上手くまとまらない。
何とか誤魔化して鏡の前から台所へと行こうとして凍りついた。
鏡の中の私は、私より先に台所へと向かって行っていた。
【鼻血】
ある朝、鼻血が出て止まらなくなった。
ティッシュを詰めたり、首の後ろを叩いたり……
色々試してみたが止まらない。
ふと気が付くと顔中が濡れている。
私は慌てて鏡の前に立った。
背中に冷たいものが走る。
鼻だけでなく、私の目からも耳からも口からも止めどなく……
【夏の寒い目覚め】
暑い夜にやっと眠った私。
ふと、やけに寒いなと思った。
扇風機にしては風が強い。
私は目覚め、目を疑った……
私は、空から落下していた。
【仕事】
今日、仕事をしていて、ふと気が付いた。
俺は昨日帰っただろうか?
一体、何日前から働き続けてるんだろう?
家に帰った記憶も会社に出社した記憶も休憩した記憶も思い出せない。
そもそも、俺はこの会社にいつ入社したんだっけ?
【好きだ】
私は美味しい物が大好きだ。
焼肉が好きだ。
すき焼きも好きだ。
豚の角煮も好きだ。
鶏のから揚げも好きだ。
妻と娘も好きだった……
【落ちていたスマホ】
道にスマホが落ちている。
しかもずっと私を見つめてる。
スマホが私を見つめてる。
見つめてる。見つめてる。見つめてる。
私はスマホを足で踏みつぶした。
なのにまだ、スマホは私を見つめてる……
【友達作り】
僕には感情が無い。
喜怒哀楽だけでなく後ろめたいという想いも罪と言う想いも……
小さい頃に事故に会い、脳の感情を司る部分が損傷したらしい。
友達は多い。
みんなが僕を睨みつけ、いつも僕から離れない友達が沢山……
友達は作るものだ……
【いる!】
俺は幽霊は存在すると思う。
いや実際幽霊はいる!
誰が何と言おうと!
どう反論されようと!
絶対幽霊はいる!
以前の俺はみんなと同じように懐疑的だった。
しかし、今なら断言できる!
幽霊はいるんだ!
俺は、死んでからその事に気が付いた。
【IT】
得体も知れないソレに追われて、必死に自宅にたどり着き、玄関を開けた。
しかし、そこにはソレが……
そこまでで私は気を失わないっと
そして後ずさりしないっと
悲鳴を上げないっと
いっと…… いっと…… いっと……
いっと…… いっと…… いっと……
アハハハハハハハハハ……
【異界の悪霊】
奴の解剖に立ち会った時、奴の魂が私の中に入って来た。
それ以来、奴は私を侵食している。
いずれ奴が私を支配する。
国の情報が奴から漏れる前に何とかしなければ……
奴の抵抗に抗い、最後の力を振り絞って、
私はジェームズ・フォレスタル自身である内に窓から飛び降りた。
【家族】
私は家族から嫌われていると思っていた。
妻や娘の為にと身を粉にして働いた。
お金の苦労をさせないようにと……
しかし妻も娘も私を避ける様になり汚い物を見るような目で見た。
私も家族に憤慨していた。
今、家族は私の葬儀で心から泣いている。
私が間違っていた。愛してるよ。
【6人目】
実際は刑事を長年やっていても殺人事件に出会う回数は少ない。
ましてや連続殺人事件となれば出会う事などまずない。
なのに、今日の遺体発見で連続5件目だ。
俺はヤジウマを見渡した。
その中に1人、気になる男がいた。
じっと俺を見ている。
昨日、ここで俺とすれ違った男だ……
【ドッペルゲンガー】
物理学の世界では個人個人で「今」が違う。
相対性理論による概念だ。
時間は虚構だとする説や未来はすでに決まっていると言う説もある。
彼女は私に言った。
「今生きているあなたと死んだあなたは平行して存在する。明日あなたは死ぬ」
彼女は明日死んだ私の霊だった……
【あらっ?】
今朝も目が覚めた。
気持ちの良い朝だ。
私は少しごろごろしていたが、学校遅刻しちゃマズいと思って、
気合を入れて起き上がったら……
勢い余って、身体を忘れて霊体だけが起き上がっちゃったわw
いかんいかん、やり直しだわw
【憑り殺された】
東京の大学に受かって一人暮らしを始めた。
安いアパートだとは思ったんだけど、
まさかあいつに憑り殺されるとは……
俺の人生これからなのに、悪霊に憑り殺されるなんて……
俺はあいつに憑り殺された数人と一緒に、あいつを憑り殺す事にした。
【エアコン】
兄が変死した。
昨夜、電話ではとても元気だったのに……
兄の遺体は布団の中でミイラ化していたそうだ。
発見者の兄の彼女は、部屋に入った時、後ろから突風が吹き込み、
肌が荒れて唇が切れたそうだ。
兄の部屋のエアコンは除湿モードになっていたという……
【独房】
そうなんだ…… 明日なんだ……
でも、何度も言うように、俺は無実なんだ…… やってないんだ……
君ら以外に誰も聞いてくれない……
ん? なんで君らは笑ってないの? 部屋が狭いよ……
俺は、10人も殺ってないんだよ……
【手紙】
君は今、画家を目指して絵の勉強をしているだろう。しかし絵を描くのはやめなさい。私は途中から誰か得体の知れない者に絵を描かされている。最悪の終末の絵だ。それが現実になろうとしている。私が書けば世界が滅びる。私は死を選ぶ事にした。この手紙が過去の私に届く事を願う。
【腐り目】
私の左目は義眼でした。
ある時、裏山で腐りかけた遺体を発見してしまいました。
私は、何を思ったのか今では思い出せませんが、自分の義眼をその場で取りだして遺体の左目と交換してしまいました。
何故そうしてしまったのか?
今では後悔しています……
見えるのです。それが……
【個人的恐怖(実話)】
私は解離性障害です。
どうしても払拭出来ない恐怖があります。
1.私の中にいるという十数人の人格は本当に自分の解離人格なのか?
憑いているのでは?
2.そもそも今認識している主人格は本当に主人格なのか?
3.この世界は現実なのか夢なのか分からない……
【低血圧】
私は低血圧症だ。
上が74、下が計れないという時も良くある。
低血圧症は、脳に血が回らずに死亡する例も多い。
高血圧に比べても薬はほとんど存在しない。
動物タンパク質を摂取して血量を増やす位だ。
肉の中では、豚肉が一番好きだ……
さて、今日も豚どもを狩りに行こう……
【とんとんはい】
先日、しばらく会っていない高校時代の友人が逝った。
他の友人によると、彼は最近様子がおかしくて、
「とんとんはいが来る」と呟いていたそうだ。
肩をとんとんと叩かれ振り返ると誰もいない。
一陣の風がふいて「はい」と聞こえる。
数日で迎えに来ると言っていたそうだ。
【誕生日(実話)】
私には誕生日にあまり良い想いがない。
今朝も熱が出てだるく、ドアまで壊して娘に直してもらった。
他にも上手くいかない日もあるだろうし、誕生日という事で目立つだけかもしれない。
しかし、誕生日にはいつも実感する事がある。
将来、私の命日は8月3日になると……
【単なる紹介①】
広島県と言うとあまりオカルトと関係ないように感じる方も多いかもしれません。
心霊スポットはかなりあります。
最怖と言われる己斐峠・毒ガス工場のあった大久野島・家族も被害にあったのでこういった紹介は気が引けますが原爆ドーム周辺・仕事の関係で行ったのうが高原等…
【単なる紹介②】
遺跡で言えば、初の日本ピラミッド葦嶽山やその側の巨石遺跡・宮島弥山の巨石遺跡とヒエログリフ群・のうが高原の巨石遺跡・古神社や古寺と遺跡を結ぶと現れる直線(レイライン?)等……
【単なる紹介③】
被爆関係者なのでこういう話題に上げるのは気が引けますが、原爆ドーム周辺は霊の目撃が相次ぎ、うちの人も少女の霊が出たと言っていました。
己斐峠は、何度も通りましたが、かなりキます。さすが広島最怖心霊スポット。
のうが高原は立ち入り禁止廃墟で蛇だらけです。
【魚切ダム】
以前、バイクで魚切ダム周辺を攻める練習を1人でしていました。
このダムは広島でも有名な心霊スポットです。
ダムの上に差し掛かった時、曲がろうと車体を倒したのに曲がらず無理やり転倒してダム落下からは助かりましたが、何故左折体勢のまま前進したのか未だに謎のままです。
【書魂】
言葉にすると現実になるという事は良く聞く。
言霊と言うらしい……
怪談を書くようになってから、私の部屋にどんどん人が増えていっている。
先日の健診の時、精神科医に相談したら幻覚と言われた。
今朝も1人増えていたのですが、先生これも幻覚ですか?
【リアル恐怖】
以前、ビデオレンタル店に勤めていた時の事……
電話があり呼び出された所は、ヤクザさんが運営する賭博ゲームセンター。
私は1人、十数名の組員様に囲まれて、
「忙しいけぇ、ビデオ届けてくれんかのぉ~」と……
マジ怖かったですTT
店長が後に対応してくれました。
【逆目】
目の手術が終わった。
やっと外を眺められると思うと心弾んだ。
しかし……
包帯を取って目を開けたら、全てが逆さに見えていた……
【霊山】
昔、山登りが好きだった。
廿日市市にある極楽寺山(旧観音山)は、手頃な割に途中から崖登りになるので楽しくてよく登った。
頂上には極楽寺という古寺がある。
後少しで頂上という時、大きな笑い声が聞こえた。
登ってみると誰もいない……
国宝の千手観音が笑っていた……
【我々はすでに絶滅してないか?】
先日から違和感を感じる。
何かがあった訳でもない。ただ違和感が続く。
あえて何かに例えるなら生きている実感がないのだ。
私は本当に生きているのだろうか?
あなたは本当に生きていますか?
生きているつもりじゃないですか?
生きている証明が出来ない……
【殴られる】
今日は多くの人から殴られる……
それはあの日から始まった。
最初は冗談を言ったら友人から軽く殴られた。
その日からどんどんと友人知人から殴られる。
今日は通りすがりの人々も会社の人達も、
ただ理由なく、薄笑いを浮かべ「死ね」と言いながら……
【蝉(実話)】
私が最初の金縛りを体験したのは小学生の頃です。
私は蝉の鳴き声でふと目を覚ましました。
聞き入りながら寝返りを打とうとして身体が動かない事に気が付きました。
どんどん蝉の声が大きくなり耐えられなくなってきました。
そして……
今が冬だと気が付いたのです……
【バイクレース】
後、1周…… すぐ後ろに着かれてる……
陽炎立つ暑さで集中力が続かない……
次のコーナーで俺は、抜かれて優勝を逃すだろう……
早速1台のバイクが抜いてきた。
そして、そいつは、俺にがんばれと言うように手招きした。
18年前にこのサーキットで逝った父だった……
【潔癖症か?】
心霊スポットと言われているダムに行った。
そこでジュースを飲んで、ダム湖にペットボトルを捨てた。
家に帰ると捨てたはずのペットボトルが机の上にあった。
その机の上には血文字でこう書かれていた。
「人の住処にぽい捨てするな」
あれからゴミはきちんと分別している。
【親心】
父が逝った日の事。
俺は病院の待合室で泣いた。
親孝行らしい事は何もして来なかったし、
父を疎ましいと思い続けていた。
俺は何て事をしたのだろう。
悔やまれて涙が止めどなく流れた。
そんな時、声がした……
「生まれてくれただけで良いんだよ。ありがとう」
父の声だった……
【ミイラ】
中東の遺跡で石棺が発見された。
急に外気に触れさせると中の遺体の破損もある為、発掘チームは先にX線調査をした。
中の遺体は保存状態も良くミイラ化しているのが確認された。
しかし石棺を開けるとそこは空だった。
その日以来、発掘チームには次々と……
【百物語】
今日は俺が死んでから1年目の命日だ。
幽霊仲間がバースディパーティーを開いてくれると言う。
幽霊世界のバースディパーティーには恒例の行事があるらしかった。
祝いが始まって俺は驚いた。
1ホールケーキの上に蝋燭が百本立っていた……
1本ずつ吹き消すのが難しそうだ……
【迷信】
私の住む村には、こんな迷信がある。
夜、陽が沈むと北にある泉から死者が現れ村中を徘徊するから、決して夜に外へ出てはならないと……
ある日、母が逝った。
喧嘩したままだった……
私は、母に謝りたくて村の禁を破って、夜外に出た。
迷信は迷信だった……
私の頬に涙が伝った……
【海の中で】
数年前の夏、私は同僚と共に島根の海水浴場に行きました。
私は、シュノーケリングを楽しもうと海に浮かび、海中を見ていました。
太陽光の届く深さの魚たちはキラキラと輝き、とても綺麗でした。
ふと顔に何かが横から被さりました。
それはクラゲのような半透明の人の顔でした。
【宗派】
イエスは言われた「何故怖がるのか。信仰薄い者たちよ」
そう聖書にはあります。
クリスチャンである私は、どんな悪霊であろうと神のご加護があると思っていました。
ある日からずっと体調を崩しました。
牧師先生に尋ねると先生は言われました。
「いけない。憑いているのは他宗派だ」
【逆さ虫】
あれは高校生の夏でした。
私は、扇風機をつけてタオルケット1枚で昼寝していました。
ふと目を覚ますと、目の前に女の顔が……
女は天井からぶらさがり、私の顔の横には女の髪の毛が垂れていました。
女が口を開きました。
そしてその口から大量のゴキブリが私の顔の上に……
【呟怖】
私は、いつものように呟怖を投稿しようとツイッターを開き、ツイート画面にして書き込もうとした時です。
ディスプレイの書き込み画面に、どんどん文字が勝手に書き込まれ始めました。
その書き込みを見て青ざめました。
「死ね死ね死ね死ね……」
全て消してからこれを書いています。
【UFO】
私は世間が噂するようにUFOには宇宙人が乗っていると思ってない。
思ってないと言うか知っている。
先日、それはやってきて先日逝った父が降りてきた。
父は言った。
一緒に飛ぼうって……
霊界への入り口が空に開いていた……
【カフカ】
友人が得意げに語った……
「人類が滅亡してもゴキブリは生き残るんだろうな」って……
朝、起きたら家族がみんな巨大なゴキブリになっていた。
恐怖で俺は家を飛び出した。
外は、犬も猫もそして多くの人も変身していた。
そして俺も……
人類は滅亡した…… いや滅亡を逃れた……
【彼女】
彼女は、最近変だった。
いつもボーっとしていて、良く見ると瞳孔が開いたままに……
何を聞いても「別に……」
ある日、授業中に彼女は急に立ち上がり叫び出した。
そのまま硬直し、棒が倒れるように倒れた。
今、彼女は病院にいる。
噂では古代の言語を延々と呟いているらしい……
【虫】
最近、私の部屋が変なんです。
小さな虫が大量に湧いてくるんです。
コバエやカツオブシムシや小さなゴキブリや……
原因は分かっているんです。
虫達は私の身体から湧きだしているんですよ。
だって、私…… どんどん腐ってるから……
【見ている】
人が私を見ている。
全ての人が私を見ている。
電車の中でも通りを歩いていても会社でも……
目が怖い……
みんなが見ている……
犬も猫もぬいぐるみも私を見ている。
みんなが見ている……
死んだ人までも……
【異世界】
俺は驚いていた。
通りの角を曲がった時だった。
沢山の人が歩き回り、話したり買い物したり仕事したりしている。
大量の車も渋滞気味に道路を走っている。
ここはどこなんだ? 人っ子1人いない場所だったのに……
人類はすでに俺以外滅亡したはずなのに……
【上から】
目の前に人が落ちてきた。
下敷きになった数人がとばっちりを受けた。
ある者は痛みで叫び、ある者は動かない。
何があったのかと上を向いた。
大勢の人がビルの上から降って来ていた。
私は軽い怪我ですんだが、そのビルに調査に入った警官隊も消防隊も次々と飛び降りた……
【ダイブ】
僕は、今日何度目かのダイブを岩の上から川の深みに行った。
飛び込んでから水の感じが変わった気がしたけど、あまり気にせず水面から顔を出して驚いた。
山の中の川に飛び込んだはずなのに大海に出た……
運良く通りかかったタンカーに救われた。
飛び込んでから半年経っていた……
【忌み地(実話)】
小学生の頃、山の中の絶対草木生えない広い空き地で良く遊んでいた。
向かいの老女にその事を言った時ひどく怒られた。
「あそこは忌み地じゃけぇ、行っちゃぁいけん。二度と行くな」と……
理由を聞いても答えてくれなかった。
最近、そこに何かが建とうとしている……
何故忌み地だったのかは、それを知る世代がもういないので分かりません。
何が建つのか分かりませんが、何もない事を祈ります。
私が育った場所には、その町最強の心霊スポットのH病院という廃病院がありましたが、今そこは取り壊されて住宅が建ってます。
あそこも言わば忌み地なのでご無事を祈ります
【九官鳥】
俺が住んでいた所に殺人犯が立てこもった。
「お前もいざとなったら俺と一緒に死んでくれ」と何度も言っていた。
犯人は射殺命令が出されSATに撃ち殺された。
気味が悪いので俺は飼っていた九官鳥と一緒に引っ越した。
ある日、九官鳥が言った。
「お前も一緒に連れて行く……」
【窓の外】
夜、窓の外を見ていた……
田舎なので街灯もなく外は漆黒の闇……
良く見ようと部屋の電気を消す……
おかしい……
そろそろ目が慣れて来ても良いはず……
窓の外は二度と明るさを取り戻す事がなかった……
永遠に……
塗り込めたような漆黒が続く……
【分れた者か?】
人類は二本足で立つ時に海辺で住み、浮力で立つ練習を何代かして陸に上がったという説がある。
イアイアクトゥルフフタグン……
あの時、海の中で俺の足を引っ張った魚顔の人型は、その時分れた別の人類なのだろうか?
イアイアクトゥルフフタグン……
【飛び込み】
初めて終電に乗ろうとしていた時の事。
電車がホームに入って来た途端に隣にいたサラリーマンが飛び込んだ。
なのに電車は急ブレーキをかけるでもなく普通に停まる。
俺は慌てて近くの駅員にその事を訴えたら、彼は何事もなかった様にこう言った……
「ああ、いつもの事ですよ」
【うるさい!】
授業中、俺は隣の友人と騒いでいた。
この先生の授業の時はみんなが騒ぐ。
大人しい先生だったし授業もつまらなかったから……
その日はさすがに先生も我慢の限界に来たらしく、友人に向かって「うるさい!」とチョークを投げつけた……
チョークが友人の目に刺さっていた……
【お坊さんから聞いた必殺技(実話)】
知り合いのお坊さんに以前、こう聞いてみた……
「悪い霊に憑りつかれたら、どうすればいいかな?」
彼は、ニヤリと笑ってから教えてくれた……
「両肩に向けて指を鳴らすと簡単に離れるよ」
【一喝】
以前、法事で親類一同が集まった時の事。
何かと不幸続きだった一族だったので、叔母が住職にこう切り出した。
「先祖が祟っているんでしょうか?」
住職が一喝した。
「先祖が自分の子孫を祟るかっ! バカ者!」
たしかにそうだ……
だって一族を祟っていたのは別の霊だったから……
【乾杯】
今夜は同僚たちと居酒屋へ……
入ってすぐ同僚たちは「とりあえず生」と……
俺は呑めないのでウーロン茶……
しばらくして生が届いた……
生と言っても生首だ……
「かんぱ~い!」
ゴツゴツゴツゴツ……
生首をぶつけ合い、みんなはそれに噛り付いた……
【ガッタンゴットン】
私はふと乗った電車に揺られて目を覚ました。
飛び乗った最終の電車……
いけない。疲れているとはいえ、眠ったら乗り過ごしてしまう。
だけど、私は気が付いた……
このまま終点まで乗っていても良いのだと……
そう、私は飛び乗ったのではなかった。
飛び込んだのだ……
【おっさん臭い魚】
釣り堀で私が釣りをしていると「釣れるんかいね?」というおっさんの声がした。
辺りを見回しても客は私だけ。
「こっちじゃって」
水面からイワナが顔を出して私を見ていた。
混乱する私を余所にそいつは勝手に喋り出した。
「加齢臭、気になるか?」
いや魚臭いです……
【思い悩む友】
深刻そうに伊藤が俺達に相談を持ちかけた。
「俺さ…… 自分が死んだ事がある気がするんだけどさ……」
みんな沈黙した……
実は最近、全員にそんな思いがあった。誰にも話せなかっただけだ……
「たしか事故でみんな死んだよな……」
何故か全員の頬に涙が伝った……
【地縛した男】
私の舌と首は伸び切っていた。
下着は漏らした汚物や精液で気持ち悪い。
どうやら私は地縛霊というものになったらしい……
ただ憑いた場所がマズかったようだ……
私は私の身体に地縛してしまっていた……
見つかるまでこの気持ち悪さは続くのか……
死ぬんじゃなかった……
【三千世界】
三千世界とは仏教用語で広い世界とか世間とかいう意味だそうだ。
本来は三千大千世界というらしい。
しかしこの世界、つまり今我々が住んでいる世界は幻想だった……
我々はただの過去の幻影。滅亡の記憶……
死んだ事を忘れた日常……
色即是空空即是色とは良く言ったものだ。
【星降る夜】
あまり知られていないが太陽を回る地球と同じ軌道には大小の衛星が多くある。
有名なイトカワもその一つだ。
ある日、小惑星がこの軌道を横切り衛星群に影響を与えた。
そして人類は最期に見上げた……
星降る夜を…… 真っ赤に燃えた星降る夜を……
あの日の竜達のように……
【猛者】
私の家の障子には何故か穴が空きます。
塞いでも張り替えても、すぐに穴が空きます。
そしてそこから誰かが私を覗くのです。
友人に相談したら泊まりに来てくれました。
そして彼は障子の穴から覗く目を見つけては……
「えいっ!」と……
指を突っ込んで、目潰ししてました……
【あの暑い日】
水…… 水をください……
この子が乳を飲んでくれない……
俺の腕はどこに行った…… 誰か一緒に探してくれ……
家族がいません……
熱い…… 熱い…… 痛いよ……
これは現実にあった風景……
人が鬼になった日の風景……
恨みが招いた結果が生んだ風景……
もう二度と……
【口の中】
その闇の中に男は立っていた。そして通勤帰りの私をいつも見ているように感じられた。
強い視線を感じる……
ある日、私は勇気を出して男に近寄った。
「何をされてるんです?」
そう言うつもりだったが……
男の目の部分には穴が空いていた……
そこにあるべき物は彼の口の中に……
【ウルタールから】
近所のノラ猫が死んだ。まだ生まれて半年の猫。
ゴミ置き場のブロックを投げつけられて頭が潰されていた。
その晩、その近辺の人みんなが同じ夢を見た。
通りを駆け抜ける沢山の猫達の夢……
次の日、多くの獣らしき何かに食い荒らされた中学生の遺体が発見された。
【黒ひげ危機一髪!】
私は恋人と黒ひげ危機一髪を楽しんでいた。
まだ黒ひげの首は飛んでない。大接戦だ。
もう残り少ない。緊張が走る。
この黒ひげは私たちの交際を認めてくれなかった。
別れてくれと言っても聞いてくれなかった。
私は最後に取っておいた刺身包丁を手に取った……
【不動坊】
新婚旅行から帰って来た私たちの新居は8階建てマンションの最上階。
その夜は旅行の思い出で盛り上がっていたが、窓の外に誰かが居るのに気が付いて戦慄を覚えた。
彼がカーテンを開けると、そこには屋上から飛び降りたらしい首つり死体があった……
うらめしいと死体が言った……
【メンヘラの子ら】
「殺すぞ! このやろう!」
それは殺す前に言って欲しかった言葉だねと、横たわる自分の亡骸に言った。
私の亡骸は、グワッと目を見開くとその目を私に向けて……
「そうだよね」と……
「何がそうだよねだ! 大人しく死んでろ!」と奴が叫んだ……
亡骸が笑った……
【役に立たない実話情報】
小学生の時、身体の弱い私と父で休み休み長さ2m幅1.5m深さ1㎡の池を庭に掘った。広島の土は真砂土と言って柔らかいにも関わらず、掘るだけで1週間弱かかった。プロの墓掘りさんでも恐らく丸1日はかかるだろう。故に死体を埋めるのに一晩で掘るのは不可能。
【愛を語る絵】
小学生の時、岡山の大原美術館で私は迷子になった。
いや、正確に言えば私は1枚の絵に魅了されて動けなくなっただけだった。
母の話によれば小1時間、私を探していたらしい。見つけた時は絵を見つめて微動だにせず、ただただ泣いていたそうだ。
芸術には本物の魔力があった。
これは実話ですが、これの何が怪談なのかと言えば、この時私は初めて芸術には本当の魔力があると知った瞬間だったからです。魔力は魔法使い等だけではなく実在する物なのだと知りました。
後に芸術には、もう一つの顔として人を狂わせる魔性もあると知りました。多くの友が犠牲になりました。
【芸術の魔性】
私は芸術大学に進み、友と4年間切磋琢磨した。
しかし天才は1%のひらめきと99%の努力と言うが、それはその1%が無ければ99%の努力をしても置いて行かれるという事だった。
引き離される才ある友と仲間……
今後私達は10年以上も嫉妬という魔性に狂う事になった……
ヤバい……
書いてて泣きそうになった……
芸術だけじゃない。プロになれなかった野球少年なども含めて……
有名になりたい訳じゃなかった……
ただただ自分の作品を世に出したくて……
努力を認めて貰いたくて……
観客の笑顔が見たくて……
もう振り切ったと思ったのに……
嫉妬は怖い……
【フルフェイス(実話)】
峠をバイクで攻めていた時期、その事故に遭遇しました。
側溝に落ち込んでいる男と人だかり……
道の反対側に落ちているフルフェイスのヘルメットだけでも拾っておこうとして私は固まりました。
そのフルフェイスから淀んだ目がこちらを見ていたのです……
【役に立たない実話情報2】
私は本物のメンヘラですv( ̄Д ̄)v イエーイ
解離性障害(解離性健忘・解離性同一性障害・離人)と重度の鬱です。
家族が鋏等の刃物やクレジットカード・現金・運転免許(最近、OK出たけどもう10年運転してないから運転しない)を医師の指示で管理しています。
救いは自覚している所ですねwww
【視点逆転①】
あなた誰って、何言ってるの!
私はあなたの妻でしょ! 夢の中で結婚式したじゃない!
夢の中っておかしいですって!
あなたと私の夢は繋がってるに決まってるじゃない!
大体、出会った時、目でプロポーズしたのあなたよ!
あなたは私の物なのよ! どうしてしらばっくれるの!
【視点逆転②】
ここはダメだ……
この公園には出入り口が1か所しかない……
いざという時逃げられない……
第一、ここには好みの子がいないじゃないか……
おじさんに相応しいかわいい子じゃないといけない……
一緒に遊ぼう…… ずっとずっと遊ぼう……
いつまでも一緒だよ……
【並走する者】
部下が何かが並走していると報告してきた。
双眼鏡で確認する。
波間に鱗が見えるが、その長さはまるでこのタンカーに匹敵するようで、東洋の龍かとも思えた。
そいつが上半身を水面から覗かせた時、言葉を失った……
人魚だった…… いやナーガなのか?
鋭い牙が見えた……
【待合室】
体調が悪くなって近くのそこそこ大きな病院に行った……
待合室には50人程待っていたので時間がかかるなと思った……
しばらくして私の名前が呼ばれ立ち上がりながら返事をして驚く……
後ろに座っていた全員が、「はい」と……
私は恐る恐る振り返った。そこには……
【黄泉戸喫】
彼女が初めて俺の部屋に来た……
彼女は俺の為に鍋を作ってくれた……
二人で楽しく鍋をつつき食べ終わった時、彼女が笑顔で俺に言った……
もう戻れないよと……
あれ以来、体調が悪い……
彼女の行方も分からなくなった……
今、自分から腐ったような匂いがしている……
【過激な思わぬ助っ人】
私は地下鉄で痴漢にあった。
私はこれでも日本拳法の有段者。
すぐに痴漢の腕をひねりドアに向かって叩きつけようと……
その時、開くはずのないドアが開いて痴漢は車外に……
ドアが閉まるとそのガラスに拳でグッドサインを作ってドヤ顔の居るはずもない女が映った……
【ファールボールにご注意下さい】
甥っ子を連れて球場に野球を見に行った。
初めての内野席ではしゃぐ甥っ子に向かってファールボールが飛んできた。
ボールが甥っ子の頭の上半分を吹き飛ばし、血と脳漿にまみれた私の耳に場内アナウンスが響いてきた……
ファールボールにご注意下さい……
【アポストロフィ・エス】
彼らは相手を間違えた。
あれらは絡んできた。
私らは人間ではないと言うのに。
それらは餌食となった。
これらは私らに咀嚼されている。
【鏡の国のアリス】
新居に入って1週間。
洗面所の鏡に複数の手の跡がついていた。
拭いても消えない……
業者を呼んで調べて貰った。
調べ終わった業者は言った……
これ、ありえない事なんですが…… 内側からついてますよ……
【ガソリンスタンド】
いらっしゃいませ~!
レギュラーですか? 廃屋ですか?
幽霊満タンですね~!
窓、拭きますか? 手形つけますか?
ハッシュタグを入れての140文字で表現する怪談は、
マジで難しいですね(^^;)
いつか書く小説の練習になれば幸いです。
小説にしても脚本にしても映像にしても、超短編はすごく難しい。
だけど難しいだけに練習になります。
超短編を作るのは、初心者向けの練習には最適です(^^)




