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事実誤認のご報告並びに謝罪「モウソウチクのタケノコにも美味しく食べるための冷凍方法が有ったよという話」

 大げさな題にもかかわらず、誰得な雑文で申し訳ない。

 タケノコの冷凍保存について、である。


 本当の事を言うと、この件に関しては気が付かなかったフリをして、しらを切り通す選択肢も有ったのだけれど、事実を知ってしまった以上はそれも心苦しく、自ら過ちを認め謝罪する事にした。


 大変申し訳ない事をしてしまいました。孟宗竹の冷凍品、美味しゅうございました。


 その文章というのは

『真竹のタケノコは冷凍保存しても美味しく食べる事が出来ます』

という表題のエッセイで、その中で私は「孟宗竹のタケノコは冷凍出来ない」という、大きな間違いを記述していた。


 2017年は梅雨時期の雨量の問題のせいなのか、真竹のタケノコの立ちが壊滅的に悪く、タケノコ好きの私にとってはちょっと残念な年となった。

 まあ、タケノコが無くとも死にはしないので、物足りない気持ちを抱えつつも普通に日常生活を送っていたのだけれど――頂戴したのですな。孟宗の冷凍モノを。


 普通に美味かった。


 ――やっちまったな。

 とは思ったけれど、今や腐海の底に沈んで完全犯罪が成立しているってな雑文よ、死体が出なければ捜査される事もあるまいと、タカをくくってカササギを確認したら、豈図あにはからんや今でも月に数人の読者様から御訪問賜っている。


 私は何時の日にか過去の過ちを指摘されるかも、と怯えながらも、見てみぬフリをしてこの問題を無かった事にしようと後ろ向きな決意を固めた。

 ……いや、それも嘘だ。単に怠惰ゆえの先送りを決め込んだだけだ。


 けれども『天網恢恢疎にして漏らさず』。

 連日エッセイランキング会場での盛大なバトルが続いているのが気になって、順に作品を謹読していた私は、日間ランキング下位にくだんの拙作が何食わぬ顔をして並んでいるのを発見してしまったのだった。

 ――これは、もう逃げきれない。

 ポイントを入れて下さった読者様には感謝すること限り無しの気持ちを抱きつつも、ランキングを前にフリーズしてしまった私は、コロンボ警部に「動かぬ証拠」を突き付けられた真犯人の気持ちであった。

 ――ウフフフフ、やるじゃないか! 明智君。

 (探偵役がコロンボ警部から明智小五郎に入れ替わってしまったのは、追い詰められた作者の錯乱です。)


 読んで下さったかたがた、本当に申し訳ありません。

 私が間違っておりました。

 適切な方法を取りさえすれば、孟宗竹もうそうちくたけのこも、ちゃんと美味しく冷凍保存できます。

 しかも、香りが抜けてしまうのに目を瞑れば、冷凍品は食感食味共に、けっこうイケます!


 ……困っちゃいますよねぇ……。


 さて、これ以上は、しでかしてしまった事を悩んでも仕方が無い。

 具体的な方法論に移ろう。

 孟宗竹の冷凍法は、茹でてスライスして冷凍すれば済む真竹のそれと比べれば、少々手が要る。


 冷凍するのに使う孟宗竹のタケノコは、生ではなく、一旦塩蔵したものを使用する。

 塩蔵タケノコの作成には特殊な処は無く、一般的なレシピに従えば良い。


 その塩タケノコを、塩抜きする。

 塩抜きの方法は水に晒して塩を抜くだけ。

 処理時間や水量、換水回数などは普通に塩タケノコを食卓に上げる時の方法にならうとよい。


 それで塩抜きが終わったら、スライスして笊などに並べ、日に当てる。

 この時に重要なのが、乾物のナマコや干し鮑みたいにカリカリに乾燥してしまうまで干し上げない事だ。

 表層の水気は飛んでいるけれど、芯まで乾ききっていない「強めの生乾き」程度で治める。

 この具合が、文章で説明するのが難しい。

 実際に触ってみれば即座に理解出来るのだろうけれど、タケノコを干す作業なんて、普通その機会すら無いからなぁ……。

 日差しや風の具合もあるので、一日半とか三日とか時間での説明も難しいし。


 とっ……兎に角、「適度に乾燥させたら」、生干しの状態の孟宗竹を出汁で煮上げて粗熱を取り、少量の煮汁と共に冷凍してしまえばOKである。

 煮物として食するのなら、冷凍前の出汁の味付けを通常の煮汁程度にしておけば良いが、天ぷらネタや酢豚用なら薄味(最低限)に止めておく。

 コツはその程度だ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ここまで書いた状態で、この駄文のシメをどう落とすかに詰まってしまった私は、気分転換も兼ねて、また短編エッセイジャンル読書に舞い戻った。

 皆様が至極真面目に激論を戦わせている。

 そんな熱いバトルフィールドに、こんなマヌケな言い訳文を投下して良いものかどうか……。


 ところがである。……私は日間ランキングに別の過去作が載っているのに気が付いた。

 『博多駅前陥没事故と元寇と巨大人魚』という短文である。

 ポイントを頂戴したのだ、という喜びを感じると同時に、私は「こっちの方ではヤラカシテないよな?」と久方ぶりに恐る恐る本文に目を通した。


 ――こっちでも、失敗してる……。


 そうなのだ。投稿前には気を付けてプレビュー機能で読み返したのにも関わらず、人魚塚のある龍宮寺の場所を「櫛田神社の南」と書いていた。

 正しくは「櫛田神社の東」だ。

 現地まで出かけて人魚塚の写真まで撮ったのだから、間違いはない。

 (「てつはう」の実物は、長崎県鷹島の資料館で、海底からの引き上げ品を見て来ました。投石器の復元品の展示等もあり、面白い資料館ですよ。)


 ポイントを入れて頂いた神様が、どちらにおわす御方か知る由も無いが、オッチョコチョイな私の愚行は白日の下に晒される事と相成ったわけである。

 (あ! 悪いのは当然、私自身だけであり、お読み頂いた事、間違いに気付かせて頂いた事、共に感謝いたしております!)


 ここまで圧倒的にグダグダになってしまったら、〆のフレーズなど格好のつけ様も無い。

 陳謝在るのみである。


 本当に申し訳ありませんでした!

 孟宗竹のタケノコにも冷凍保存の方法はあります!

 人魚塚の場所は櫛田神社の東です!


 以上!


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― 新着の感想 ―
[一言] 孟宗竹のタケノコは(適切な調理を行わないと)冷凍出来ない、ってことで元のエッセイもそう間違った話ではないのでは? だってこんなの面倒くさすぎですよ 真竹と違って手間かかりすぎです これはもう…
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