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青い記憶  作者: 宮森マヤ
5/9

T 昼休み

「本棚の下敷きになったことある?」

 高校。お昼休み。教室でのおしゃべり。

 昨日も一昨日も同じ。たぶん去年も同じ。きっと来年も同じ。卒業したら……さすがに同じとはいかないけど。

 隣にはカナとエリコ。

 私は、机に頬杖ついてグラウンドを見ていた。制服のままサッカーしてる男子を見て、よくあんなことできるな、と思っていた。一人が、見ている方も気持ちよくなるようなシュートを決めた瞬間、私はつい頭に浮かんだ光景のことを声に出してしまった。

「本棚? どーしたのトモ?」

「えっごめん。なんでもないよ」

 エリコに覗き込まれて、とっさに笑顔を作って誤魔化す。

 エリコのスマホから、さっきまで話してたアイドルの新曲が流れていた。

「本って言えばさ、これチョーよかったんだけど」

 カナが見せてきたスマホの画面には、自由に文章を投稿できるどこかのサイト。タイトルだけで恋愛ものと分かる。

 私も右手のスマホを見る。ブラックアウトした画面にぼんやりと私の顔が映る。

 今は本棚もCDを収めるラックもいらない。全部、この機械の中に入るから。

 だったら、さっき浮かんだ光景は誰の記憶?

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