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リアル  作者: やなぎ
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新たな出会い

桃の隣を歩く私、顔をあげ桃を見る。


「そういえば桃、また身長伸びた?どんどん離されて行っちゃうなぁ。」


「ん?あぁ、そうだな。昔は俺の方が低かったのにな。」


桃は「こんぐらいだった。」と笑いながら自分の胸元辺りに手を当てる。


おそらく桃は中3の秋ぐらいのことを想像しているのだろう。今が高1の秋だからちょうど一年ぐらいってところかな。一年で15cmって伸びすぎだろって思うけども。


ちなみに私は中二の頃あたりで身長はほぼとまっちゃった。まぁ女子としては高すぎず低すぎずって感じで丁度いいと思っておこう。


「あの、ちょっといいですか?その制服カナリア学院のですよね。私、そこに行きたいのですが、道に迷ってしまいまして。」


びっくりしたぁ。いきなり声かけられるのって驚くよね!


「は、はい。登校中です!」


反射的に喋っちゃったから会話として成立してない……。あー、もう、恥ずかしい。


「そうだけど……。君は転校生?一緒に行こうか。」


桃は普通に応答している。


私一人でテンパってるのね……。


桃の応答で私は冷静さを取り戻し、声の主を観察した。


下からうちの学校指定の靴。これまた指定の鞄。そしてうちの制服。うちの生徒であることは間違いないだろう。


栗色の胸元まで伸びる髪、見事なカール。大きな瞳に、小さく可愛らしい唇。私より少し小さいぐらいの身長。うん、すごく可愛い。


「はい。今日転校してきました。高橋渚っていいます。一年生です。」


「俺は桐生桃。同じ一年だから敬語とか使わなくていいよ。」


「そうですか?あ……。そう。じゃあ敬語はやめるね。」


「私は本田梗。私も同じ一年だよ。よろしくね!」


「桐生くん、本田さん。ありがとう。二人と出会わなかったら学校までたどり着けないかもだったよー。」


「私の準備がおそかったおかげねっ!準備が遅いのも悪いことばっかじゃないってね!」


得意げに桃に向かう。


桃はジト目で


「あぁ。そうだな。」


肯定した!?


桃の口はさらに言葉を紡ぐ。


「高橋さんのことは助けになれてよかったとは思うが、3人仲良く一限遅刻だぞ。」


桃は少し怒っているように見えたが、私は気にしないっ。


「私のせいよね……。ごめんなさい。」


高橋さんが申し訳なさそうにしている。


私は桃をキッと睨み、高橋さんの手を取り。


「急ごう!」


高橋さんには笑顔を向け、走った。





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