第七話 キノコ狩りの人
乙山ダンジョン総合スレ8階目
142:名無し、帰還したってよ
沖縄ダンジョンで大量未帰還が発生
144:名無し、帰還したってよ
すれち
147:名無し、帰還したってよ
144は未帰還になりました
169:名無し、帰還したってよ
第一階層に二人組で潜ってる男女がいたんだわ
異常に強いけど、男の方があきらかにヤバげ
誰か知らん?
172:名無し、帰還したってよ
>>169の五位が貧弱すぎてわけわからん
174:名無し、帰還したってよ
誤字ってる奴に言われましても
195:名無し、帰還したってよ
>>169
先週から大塚って復讐鬼が潜ってる
刃が片方しかない高枝切りばさみを使ってる男とバスタオル使いの女の組み合わせだろ?
201:名無し、帰還したってよ
>>195それだわ
復讐鬼なら納得
ちかづかんとこ
212:名無し、帰還したってよ
今日も夜間平原にキノコ狩りの人がいた
きめぇ
215:名無し、帰還したってよ
乙山ではよく見られる光景
227:名無し、帰還したってよ
六本脚のタチ○マみたいなのに乗ってる大学生くらいの奴
めっちゃかわいい女子中学生を連れてキノコを轢いて回ってる
まじできめえんだけどあれ
246:名無し、帰還したってよ
>>227
嫉妬か
248:名無し、帰還したってよ
>>227
ロリコンの嫉妬醜い
252:名無し、帰還したってよ
>>227
実は男の娘らしいぞ
265:名無し、帰還したってよ
沖縄ダンジョンの未帰還者の遺留品発見
やっぱ死んでたか
272:名無し、帰還したってよ
>>227
ロリコンに見せかけたショタコンホモの嫉妬麗しい
283:名無し、帰還したってよ
なんでホモがいるんですかねぇ(歓喜
287:名無し、帰還したってよ
なにこのスレ怖い
290:名無し、帰還したってよ
沖縄ダンジョンの未帰還者だけど死亡推定時刻を過ぎてるはずなのにコンビニの防犯カメラに映ってたらしい
国内初のアンデッド系魔物かも
294:名無し、帰還したってよ
アンデッド系ならまたサハギンナイトパーティーみたいになるのかな
298:名無し、帰還したってよ
沖縄沖縄うっせえんだよ
スレチだっていってんだろうが
眠れなくなったらどうしてくれんだよ
305:名無し、帰還したってよ
>>298
>>227が添い寝してくれるぞ
308:名無し、帰還したってよ
>>305
ホモは勘弁
311:212
なんで俺が叩かれる流れになってるんだよ
315:名無し、帰還したってよ
ついにコテつけだしたか
308:212
キノコ狩って回っててきめええええええええええ
たった一日で魔力強化してたしどんだけ殺してんだよ
316:名無し、帰還したってよ
キノコ狩って回る(意味深
321:名無し、帰還したってよ
たった一日とか言ってるけど
もしかして後をつけてたのか
326:名無し、帰還したってよ
キノコ狩りの人のケツが狙われてる
331:名無し、帰還したってよ
美少女中学生連れてるなら当然の報い
掘られて目覚めるがいい
341:名無し、帰還したってよ
そもそもダンジョン攻略が十八禁なのはスルーですかそうですか
357:名無し、帰還したってよ
>>341
つまりショタじゃなくホモですね
ヤった!
367:212
ホモネタ飽きた
このスレ自称冒険者しかいないのかよ
動かないキノコしか狙わないチキン野郎きめぇっていってんだよ
そんなに不思議な事じゃねぇだろうが
しかもチキン野郎は機械にへばりついてるだけで何もしてねぇし
あんなのが冒険者とか何の冗談だって話
そもそもまともに戦いもしない奴がダンジョン氾濫の時に役に立つはずがないだろ
役立たずが狩るより俺みたいな本物の冒険者がキノコ狩って魔力強化した方がよほど戦力になるんだよ
こんな簡単な事も分からないとかマジでおまえら冒険者かと
俺みたいな本物の冒険者は命かけてんだよ
369:名無し、帰還したってよ
長文
本物の冒険者、発言
目立ってる冒険者への嫉妬
>>367
お前『†慈悲深き電光†』さんだろ
371:名無し、帰還したってよ
殺伐としたスレにクラン『†慈悲深き電光†』さんが!
378:名無し、帰還したってよ
『†慈悲深き電光†』ってなに?
ネオンサインなの?
385:名無し、帰還したってよ
>>378
乙山スレのアイドル
ハンニバル・バルカからクラン名を取ろうとしたら
登録書類で雷の下の部分を伸ばす致命的な誤字で一躍アイドルに駆け上った
ダンジョン内で他の冒険者が弱らせた魔物を横取りするハイエナ行為が多いクランとしても有名
389:名無し、帰還したってよ
うわあハイエナか
えんがちょ
410:名無し、帰還したってよ
電光さんいつも通りの逃亡
※
携帯端末で冒険者が集う掲示板を眺めていた杷木儀は、デスクの上のパソコンを起動して異世界貿易機構の内部情報にアクセスした。
職員それぞれに与えられているパスワードを打ち込み、配属されている乙山ダンジョンのデータベースを閲覧する。
「これか。あぁ、南藤さんだったか」
掲示板にあったキノコ狩りの人、その正体にあたりを付けた杷木儀は先日ダンジョンへ案内した青年を思い出す。
それなりに鍛えてそうな体格だったが、冒険者としては平均を下回るぐらいだろう。身長もさほど高くはない。本人もそれを理解しているのか、武装にドローンを用意するというやや特異なスタイルだ。
しかし、六本脚の機械というのは見覚えがない。
杷木儀がつい最近魔力強化を行った冒険者の名簿を呼びだすと、パソコン画面にすぐさま表示された。エクセルで表示されたその名簿を検索してみると、すぐに南藤の名前がヒットする。
「八件?」
ヒット件数を見て杷木儀は思わず呟いた。
一カ月とちょっと前にダンジョンに潜るようになった新米冒険者の魔力強化回数としては異常な数値だった。最初の強化はさほど魔力を溜めていなくとも可能とはいえ、多くて二回できればいい方だろう。
「そうか。二人だけで潜ってるから効率がいいのか。いや、しかしこの数は索敵能力も相応にないと難しい……ドローンのおかげか?」
少し腑に落ちなかったが、八件分の魔力強化内容を確認する。
三種のドローンにそれぞれ二回、六本脚の機馬という武装に二回。どれも最初の一回は機械類では鉄板の分解耐性だ。しかし、二回目はドローン毬蜂の望遠レンズの機能強化、ドローン団子弓の空気銃の射程強化、ドローン雷玉のテーザー銃のワイヤー強度増加、機馬の脚部強化など特殊な能力の付与ではなく既存能力の強化に重点を置いている。
すでに戦闘スタイルを確立しているため、余計な能力を付けるよりも戦闘スタイルを伸ばす方針のようだ。
強化された物品を見て、杷木儀は違和感を強めた。
「防具類の強化実績がない……」
ドローンで遠距離の敵を排除、機馬で近距離の敵を轢殺するスタイルを貫いていることになる。
しかし、乙山ダンジョンの第一、第二階層はガスキノコ、不意打ちカラスといった身を隠す能力に長けた魔物ばかり。南藤のスタイルを貫き通すには優れた索敵能力が必要になる。
ドローンによる上空からの索敵はそこまで有効なのかと、杷木儀も感心する実績だ。
「――杷木儀先輩、ちょっといいですか?」
「はい、どうぞ」
声を掛けられて振り返ると、新卒の後輩が立っていた。
「とりあえず、差し入れです」
「ありがとう。気が利きますね。それで、どうかしましたか?」
差し入れだという缶コーヒーを受け取りつつ、後輩に話を促す。
後輩は杷木儀のパソコンを見た。
「魔力加工品を発注したいというメールが入ってまして、どう処理していいのか分からないんです」
「その手のメールは支部長に届くはずですけどね」
「すみません。言葉が足りませんでした。支部長から回されてきたんです。分からないところは杷木儀先輩に聞くように、と」
「分かりました。メールをこっちに転送してください」
「はい」
デスクに戻った後輩がパソコンを操作する音が聞こえて来たかと思うと、杷木儀のパソコンがメールを受信した。
魔力強化で効果を増幅した医薬品などは異世界貿易機構を通して冒険者に発注する事になっている。企業の中には冒険者と直接契約を結んだり、スポンサーになったりすることもあるが、魔力強化品は移動や販売に認可が必要なためどうしても異世界貿易機構を通す事になるのだ。
杷木儀はメールの文面に二度目を通し、内容を頭に入れる。
魔力強化した軟膏、俗称で言うところの塗りポーションの製造を依頼したいという内容だ。特定の冒険者と契約を結んでいる企業ではないため、異世界貿易機構が中間マージンを取って冒険者に依頼する形になる。
発注個数と納期を考えれば、五、六組の冒険者グループにお願いする形になるだろう。
杷木儀は立ち上がって後輩の下へ向かう。
「軟膏に魔物の血を浴びせないと魔力強化ができませんから、依頼する冒険者の選定にも少しコツがあります。まずは乙山ダンジョンに潜っている冒険者の一覧を見てみましょうか」
後輩に手順や考え方を説明しながら、杷木儀は依頼する冒険者に心当たりを付けていく。
「では、明日にでも彼らに連絡を取って、依頼してみましょう。私も一緒に行きますから」