表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とても幸せに暮らしています~私とモフモフと過保護の日常~  作者: シーグリーン
暇を持て余した神の使いの就職活動編
4/22

4 あくどさでも誰にも負けない

 



 様子を見に来てくれた男性3人そっちのけでチカチカさんとの話し合いを進めた結果、ダクスが真珠を集め、デザインを私と島のみんなが考え、それをチカチカさんパワーを追加したナナが加工する事に決まった。


 良かったね、ダクス。可愛さ以外にも仕事が出来たよ。




「ごめんなさい、話の途中で」



 メンズに向き直り謝る。



「気になさらないでください」

「そうですよ~」



 アルバートさんも勢いよく頷いているので、気を悪くした人はいないようだ。優しい。

 カセルさんは白フワと遊んでたみたいだから御使い相手じゃなくても気は悪くして無さそうだけど。



「追加で真珠を加工した装飾品も売り出そうかと」



 そう説明するとサンリエルさんの目が少しぱちりとした。やだ、可愛い。



「真珠の加工ですか?」


「はい、色んな形のものを少数、季節限定商品として」



 季節ごとにデザインが異なった商品の方が見るだけでもワクワクしてもらえると思う。

 気軽に買える値段にはならないと思うし、恋人や旦那さんを連れて見に来てくれるだけでも嬉しい。



「ヤマ様が手作りされるんですか? どんな装飾品なのか楽しみです!」



 カセルさんが楽しそうに聞いてきた。



「守役と協力して作成します。はじめは……花の形とか守役の形の耳飾りとか……?」



 地球に宝石や真珠でそんな形をしたものがあるのかどうか詳しくないので知らないが、ここエスクベルでは構成されるエネルギーの要素が地球と異なりうんぬんという話なので――難しい話だったので適当に頷いていたら頬を突かれた――まあまとめると、チカチカさんなら何でもできるよという事だ。



「買います!」

「買います」



 私の返答にカセルさんとサンリエルさんが言葉を発し、しかもカセルさんはがたたっと席を立って前のめりだ。

 キイロに羽でバサバサ威嚇をされているが本人は満面の笑みなので全く威嚇の効果は無い。

 アルバートさんは1人だけ出遅れておろおろしていたが、彼にも購入の意思はあると見た。高いぞ。大丈夫か。特別に分割でもいいぞ。



 でも耳飾りなんだけどな。地球でもピアスをしている男性はいたけど、普段使いでゆらゆら揺れるタイプのものをしている人は……いない事はないか。

 ……覚えている範囲の記憶では。



 ここの男性は耳飾りのようなものは身に着けていないし、もしかして男性には耳関係じゃない方が良いのかな? 刑事とか弁護士が服につけてるバッジみたいなものとか。



「ヤマ様、おそらく出来上がった品はその素晴らしさゆえ入手先等をしつこく詮索されると思いますが、どうされますか? それと以前ヤマ様に許可を頂いた絵画などに関しては売買されていますが、守役様を模した装飾品などは不敬にあたる為表立って売買するものはおりません」


「お店も欲深い人間に狙われる可能性がありますね~。そんな事したら2度と人目に出られないようにするだけですけど」



 ブラックカセルは笑顔と相まって怖いな。



「防犯に関してはどこよりも安全でしょうけど……守役の形も一般的には不敬にあたりますか~」



 大事なお仕事も終わったし保護者も甘いしでもう何でもいっかという気持になりつつは、ある。



「そうだ。商人ヤマチカはクダヤ不在の間は新たに見つかった親族に会いに行っているという設定でしたので、入手先に関してはその親族の伝手とか。私はあくまでも仕入れている側という事で。私が作っているとなるとそれはそれで面倒が起こりそうですので」



 こっちに戻ってきて初めに挨拶に行った際アレクシスさん達にその親族について軽く聞かれたが、カセ&アルもその場にいたしなんとかなったんだよね。


 今日の相談でアレクシスさん達には装飾品の伝手はないと説明したが、見つかった親族に新しい作物の相談をしたら実は伝手ありました、でいけるかもしれない。

 クダヤの人達はチカチカさんが関わっているとその事実を知らなくても判断基準が緩めになる傾向にあるし。



「守役様の形をしている事についてはねえ……? みんな嫌?」



 そう聞くと島のみんな全員から「はるなら良い」と返事が。ですよね。



「ではもう御使い様から許可が出たとかにします? 失われた伝統技法を甦らせた事に対する褒賞として……とか?」



 真面目に商売している人達ごめん。

 いちおう御使い本人だからひいきとかじゃないんだ。でもごめん。

 こんなんでたくさん儲けてごめん。しかも元手は0円っていうね。

 親の七光りどころじゃない。28光くらいいってると思う。



「かしこまりました。ではそのように対外的には説明致します」

「お金貯めるぞ~!」



 クダヤの人達簡単過ぎ。さすがチカチカさんのお膝元。





 色々と打ち合わせ(という名の御使い様守役様の提案を全肯定するだけの会話)が終わり、拠点の畑を拡大し追加で表向きの農地を用意すること、アクセサリーを並べる鍵付きのガラス棚の作成、サンリエルさんのお菓子作りに対する報酬等が決定した。



 ちなみに報酬は、「ハンカチにヤマ様のお名前と私の名前を神の文字でお記し頂きたい」と言われたので、『ヤマ・ブランケット サンリエルさんへ』と虹色ラメで書いたものを渡す事になった。



 いざとなったら握手券と生写真(サイン付き)を売りつけようと思う。副業だ、副業。

 保護者にしばかれそうだけど。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ