7話
中間テストも無事終わった金曜の午後。珍しく生徒会がなかったため、由奈と風琴は部活に行った。幸斗は伊緒里と遙斗を生徒会室に呼び出していた。
「遙斗、明日はさりげなーく2人っきりにするから、頑張ってね」
満面の笑みで言う幸斗。それに対し、遙斗は引きつった笑みを浮かべ、伊緒里は驚いた表情になったが、すぐに事情を理解し、頷いた。伊緒里が頷いたため、遙斗は諦めたような表情になり、何も言わなかった。ただ終始幸斗のことを引きつった笑みで見ていただけであった。
そして次の日────
待ち合わせの場所は学校の最寄駅。そこからバスで遊園地に向かう。ここら辺では少し有名な遊園地で、人気も高いらしく、風琴は今まで行ったことがなかったらしく、大変楽しみにしていたとか。
「伊緒里先輩、幸斗会長、早いっすね〜」
2人は既に駅に着いていた。そこに遙斗が自転車を押しながらやって来た。
「遙斗、相変わらず自転車好きだね〜。愛車?」
幸斗と伊緒里は前々から遙斗が自転車好きだということを知っていたため、今乗ってきた自転車がクロスバイクだったりロードバイクだったとしても気にしないのだった。
「うぃっす!この前の誕生日に親に買ってもらいました!」
自転車の話をするときの遙斗は生き生きとしている。普段以上にテンションが高くなり、表情も豊かに思える。
「とりあえず、駐輪場に止めておいでよ〜」
「そうさせていただきます!」
伊緒里が、このままでは自転車トークが炸裂すると考えたのであろう。遙斗は言われたとおりに駐輪場に自転車を置きに向かった。
「す、すみません、遅くなりました」
遙斗が駐輪場に行ってる間に、由奈と風琴が到着した。2人とも少し息を切らしている。おそらく走って来たのであろう。
「大丈夫だよ。時間より早いくらいだし」
幸斗が、問題ないと伝えると2人は安心したような表情になった。
4人で少し中間の話をしていると、遙斗が戻ってきたため、早速遊園地に向かったのだった。
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