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コンビニ日記[それマジっすか!]  作者: SV和也
第一章 AチェーンFC店時代
8/15

SecondStage 店長見習い時代編 感覚で見えたもの

発注をはじめ、しばらくすると、なんとなくの感覚が見えてきた。


 絶対に無いと困るもの=無ければ客が怒る=基本アイテム

 あったら喜ばれるもの=無くてもいいけど=プラスアルファアイテム

 目玉になるもの=話題性だけのもの=新商品


といった感じで、基本アイテムだけは、絶対に切れてはいけないから、

そこは多めに注文し、最悪の事態に備えておかなければいけない。


プラスアルファの多くは、本部からの推奨品であったりすることが多い。


目玉品になる新商品が、結局、問屋からの自店仕入れに頼るしかない。


という具合に、商品ごとのポジションがあることが感覚的に見えてきた。


例えば、ラーメンでいけば

どん兵衛・UFO・カップヌードルは、基本アイテム。

そこに何を足していくか。


例えばお菓子でいえば

チップスが、ポテトチップスはかルビーと湖池屋の両方が必須で、

おかきが、ぼんちあげ・ぽたぽた焼・ハッピーターンあたりが必須。


雑貨は、特に基本というよりも、棚ごとに、揃えるだけで、目玉品として

の新商品があっても、さほど動かないので、あればいいね程度の棚にしか

見えない。


お菓子・レトルト・ラーメン・パン・弁当が動きの中心であり、そこで、

どう店の特徴を活かした品揃えができるかが、売上げを引っ張る元になる。


雑誌は、週刊誌の発売日には人が集まってくるのを見れば、確かに客寄せ

であるが、立ち読みも多いのが正直なところで、利幅を考えても、あまり

うまみは無いのだが、無いと困るのも現実で、特に、ジャンプやマガジン

などは、1冊でも多く並べれるように、毎週毎週、仕入れ交渉をするべき

である。交渉しないと、放置プレイにしていると、自動振り分けで、最低

数しかまわってこないから、即品切れになり、信用を失いやすい。


感覚がつかめてくると、実際、自分の仕入れ感覚で売上げが左右する現実が

面白くて仕方なくなっていった。


--------------------------------------------------------------

そんな感じで日々をすごしていった俺。


ある夜の出来事。

それは、店長が完全に辞めた日から、ちょうど、半年くらいした頃。

深夜勤務していたところに、本部のSVがやってきた。


この店で、働いてかなり経過していたのに、初めて会ったSVだった。


[店長!お疲れ!]

 はい?あなた誰っすか?

[本部のSVです。今日は店長に仕入れの件で話があって・・・]

 えっ?まだ見習い店長ですが・・・


レジ前で、そういった簡単な挨拶をしたSVさんは、最初から厳しい口調で、

いきなり話をし始めた。


[本部としては、今の自店仕入れを辞めて欲しいんだ!]

 えっ!それを俺に言われても・・・

[チェーンとしてルールがあるんだから、守って欲しい!]

 けど、オーナーがいいって・・・

[本部注文が基本で、緊急的に自店仕入れは認めるってのが基本]

 毎週、大量に仕入れてますね、うちは。

[店長になってから、確かに売上げは上がってるけど、自店仕入れも増えた]

 自店仕入れ分が売上げを引っ張ってますもん

[だからといって許されない!]

 それはオーナーに言ってくださいませ

[今日は、店長として名札と名刺を渡しにきた]

 おおおおおお!!

[いい機会だから警告!自店仕入れをやめなさい!それが本部の意思です]

 それはオーナーに言ってくださいませ。


そんなやりとりがあったのだが、店長と書かれた名刺と、名札にしか頭が

いっていなかった俺としては、自店仕入れを辞める気も無ければ、初めて

会ったのに、いきなりゴチャゴチャ言われたので、このSVは苦手な存在の

人として位置づけされてしまっていた。


だから、つい暴言を・・・

 「だって、売れてるし、客も喜んでるし、どこよりも早く並んでるって

  お客さんが増えた現実があるんだから、結局、本部の商品に魅力が

  無いから、そういう事になるんでしょうが!仕入れに関しては、確かに

  買いに行ってるのは俺だけど、オーナーにも前の店長にも、それが基本

  っていわれてるし、それを代えるのであれば、まず、俺じゃなくて、

  オーナーと話し合いが先でしょうが!」


そう言った瞬間、SVさん、かなりブチ切れて

[店長!以前がどうとか関係ない!今は私が担当SVであって、担当の指導が

絶対なのがチェーンであることの基本!チェーンから脱退するって話だったら

仕方ないが、チェーンでありたいのなら、他店に迷惑かけないよう自店仕入れ

をやめ、本部一括仕入れにしろ!それが今日の警告だ!]

  ほうほう、それで?

  俺に言ってもむだでしょうに・・・


[来週中にはオーナーとも話しするが、自店仕入れは罰則対象だから、これは

キッチリ対応してもらいますから!]

  とか、俺に言われても・・・

  俺が契約してるわけではないし・・・


延々1時間の説教ののち、SVさんは帰っていった。



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