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コンビニ日記[それマジっすか!]  作者: SV和也
第一章 AチェーンFC店時代
5/15

SecondStage 店長見習い時代編 自分の意思で

深夜勤務明けの朝、指定された場所に車で出向いた。

そこは、コンビニに並ぶ商品のほとんどが揃う業者用の流通センターで、卸問屋

の集まる場所だった。


数分待った頃、店長が現われた。

[わりぃわりぃ]と笑顔で近づいてきたかと思えば、おもむろに、自分の車から

やたらでかい台車を出してきた。


[さぁ行くぞ!]

   ってか、ここで何をするんだよ、台車まで持って・・・


わけがわからないうちに、台車を押す係に任命された俺は、ただただ、黙って

店長の後ろをついていった。


[あのさぁ、うちは、一応、大手チェーンだから、基本は、本部に商品を発注

するじゃん。けど、特別条件があってね、自店で仕入れて並べることができる

んだよ、だから、こうやって、仕入れにきてるんだ、これが俺の仕事]

    ああ、それで夜中に荷物を持ってきてたんだ!と初めて知った。


[ここで、自分が気に入った商品を値段交渉して、仕入れて売る。売れたら

ラッキー、売れなかったら最悪。そんな感じ]

    そんな感じって・・・


[お前は、すでに、売場の商品をあらかた覚えているのは知ってる。だから、今、売場に無いもので、これ!って思うものがあったら言ってみ!!]

    こんな莫大な量の中で探せとおっしゃるんですね、あなたは・・・


そう思いながら、店長の後を着いていくと、まずは、お菓子コーナーに着いた。


問屋の人達は、店長の事をよく知っているらしく、みな、声をかけてきた。


[これから、こいつが、俺の代わりに仕入れにくるから、宜しくね!!]と、

店長は、会う人、会う人に、説明してた。


俺はといえば、店長に出された課題をこなす方に頭が集中していて、ただ、商品

を見てまわるので精一杯だった。


[チェーンで営業してるとさ、基本、本部から仕入れじゃん。ってなると、発売日には、店に並んでなくて、遅れて並ぶこともあるし、本部の担当が馬鹿だったら、

売れるアイテムを見逃すって事もあるんだよ、だから、うちは自店仕入れ!]

    なるほど、ある意味、理にかなってる。

    けど、グロスメリットが無いので、仕入原価は高くなるのでは??

    そんな事を考えながら、ただただ、商品を探していた。


すると、お菓子担当の人が、ニヤニヤしながら、俺を奥に連れて行き、今日だけ

特別に、これを5ケース売ってあげる。その代わり、いくつか買って欲しいのが

あるんだよ、と、俺に、渡したのは、ビックリマンチョコの箱だった。


確かに、毎週2ケースしか入ってこないし、販売制限がかかってて、1人1個し

か買えないから、5ケースもあれば、常連のお客さんは喜ぶよね・・・。


そう思って、その話に乗ろうとしたら、間に店長が割ってきて、

[5ケースなの?いつも10ケースくれるじゃん!新人だと思ってからかってるじゃろ!はははは]

   げっ!いつも10ケース仕入れてたんかい!

   店で見た記憶無いけど・・・


[ああ、10ケースね、うちじゃなくて、子供が多い、他の店に回してる]

[今度から、お前の采配で、どこに回してもいいよ] 

   そういうことか。

   けど、俺は、自分の店しか知らないから、他にまわさないけど・・・


そんなやりとりをしながら、お菓子、レトルト、ラーメン・雑貨と周り、最後に

惣菜・弁当などのコーナーに行った。


ああ、これ、毎朝、業者が持ってくる惣菜だぁ!見たことあるわ。

そういう惣菜がいくつかあって。


ここだけで、全て揃ってしまうじゃん!って問屋だったから、結局、朝10時に

着いたものが、終わったのは、夕方4時くらいだった。


車に荷物を積んでいる最中

[次から、お前が1人で来てね!俺、マジでこれないし・・オーナーに仕入れに

行くって言えば、お金預けてくれるから、好きな物仕入れてOKだからね!!]

    おいおい、もう1人立ちですかい!

    いきなりすぎじゃありませんかっ!


[今日、夜勤でしょ、これ、全部、店におろしといてね]

    俺の車、パンパンなんですけど・・・

    こんな事、毎回するんすか!!


店長は、といえば、俺からすれば、かなり適当で、放置プレイをよくしてくれる

ので、教えて欲しくても、自分で考えろ!自分の好きにしろ!なので、結局、

全て、自分で、悩み、解決せざるを得ない、そんな感じで・・・


[これで、自店仕入れは引き継いだから、後は、本部への発注を来週から教える

から・・・そしたら、引継ぎ完了なんで、見事に君は店長だ!ははは]

     いや、ははは、じゃないし。

     こんないい加減な状況で・・・

     まだ、バイト君に毛が生えた程度なんですけど。


そう思っていても、この人は、これ以上、教える気がないみたいだし、実際、

すでに他のチェーンに就職しているし、引越ししてるから、そう簡単にも

来ないし、当時は、携帯なんてなかったから、連絡をつけるという事が、結構

むずかしかったから、仕方ない、やるか!と思うか、無理!と諦めるかしか

選択肢がなかった。


ポジティブ系の俺は、当然、じゃぁ、なんとかやってみるし!って・・・


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