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コンビニ日記[それマジっすか!]  作者: SV和也
第一章 AチェーンFC店時代
3/15

FirstStage アルバイト時代編 初めての夜勤

夜10時に出勤。

店内には、馬鹿みたいに客がおり、幹線道路沿いの高速道路入口付近であった

せいか、明け方まで、客足は途絶えず、なかなか休憩すらとれない感じで、

その日は、朝4時頃までバタバタしていた。


客が減った頃、店長が話はじめた。


[どうよ、うちの深夜は?]

    って言われても、俺、深夜に働くの初めてだし・・・


[思ってたより客多いでしょ?]

[これから2時間くらい暇になるんだけど、朝方、パンが届くタイミングがあ

って、その時間と一緒に、客がなだれ込んでくるから1時間が戦争だよ]

    そこまでして必死に、コンビニにパン買いに来るのでしょうか?

    まさか、そんな方々おられるのですか?

    そんな事を思ってたら。


[で、実際のとこどうなのよ?]

    そう言われましても・・・


ちょうど、そのタイミングぐらいに、ガヤガヤと5人の男性が入ってきた。


いらっしゃいませ~ と声をかけたら、いきなりクスクス笑われた。


[若いねぇ~なんか意気がいいねぇ~]クスクス

     はい? そういわれましても・・・


それは、店長の親戚の人と、元バイト、店長の友達が、示し合わせて、俺を

見に来たらしい。


[店長の代わりに、店長になるの、この子でしょ?]

[マジで、辞めておいたほうがいいよ、人生踏み外すよ]クスクス

     いきなり、そんな事いいますか・・・・なんですか、あなた方は・・・


[店長は、身内なのに、あのオーナーの性格についていけなくてやめるんだよ]

     そうなんですか。

     といわれても、昨日、一瞬しか話てませんし、性格知りませんし。


[コンビニが嫌とかじゃないから、他のチェーンに行くんだよ、この人]

     へぇ~そうなんですか・・・


こんな話を延々と聞かされ、2時間くらいの間の暇なひと時は、この日、愚痴

を聞く形で、終わった。


朝になり、パンが馬鹿みたいな量届いたかと思った頃。

ガヤガヤと、職人達の集団が、次から次へと、入ってきた。


[店長、おはよう!]

[今日も元気かっ!]

やたらデカイ声の集団が、次から次に入ってきて、店長!店長!と言いながら、

煙草と弁当とパンとジュースのセットを買っていった。

おそらく平均で、一人1500円の買い物だろう。


朝の6時頃から7時30分頃まで、延々、客は続き、そのたった2時間弱の時

間で、30万ほどの売上げを作った。


この店は、50万の売上げの店で、この時間だけで、30万売る。

なんてこった。と思いつつ。


眠くなってくる明け方に、こういう客の相手をすると、完全に目が覚め、仕事

の終わる引継ぎ時間の8時なんて、あっという間だった。


その日の朝。

店長と、友達5人は、そのまま車で朝メシに行く!と出かけていったのだが、

初日という事で、俺は、帰宅した。


------------------------------------------------------------


朝、自宅に帰ると母が待っていた。

そりゃそうだろう、気になって仕方なかったのだろう。


いつもより遥かに豪勢な朝ごはんが食卓に用意されており、話を聞くぞ!という

体制で、待ち構えていたから、昨夜の出来事すべてを話しした。


母いわく。


[別にそのオーナーがどうであっても、1年したら、チェーン本部に正式に就職

できるんでしょ?って事は、要するに、そのお店の正式な店長を探す間、代打の

店長になっててって話なんでしょ?]

    う~ん・・そのような、そうでもないような・・・

    なんとなくだけど、そのお店の人達は、1年後、本部に就職って話を

    全くしてなかったし、ずっと頑張れば退職金どうのこうのって言って

    たような・・・


[だったら、とりあえず働いて、嫌になったら辞めればいいし、長くても1年し

たら本部に就職だったら、そのオーナーが性格悪くても、1年なんて、あっとい

う間だから、やってみたらいいじゃん]

    そんな簡単な話なのでしょうか?そう思いつつ。


[月25万で1年だと、300万とボーナスでしょ。400万くらいは稼げるん

だから、車を買い替えも出来るだろうし、貯金も出来るじゃん!]

    確かに、高額ですよ。今の俺にしたら・・・


[ダメなら、嫌なら、いつでも辞めれるんだし、最悪1年我慢って考えたら、

やってみたらいいじゃん!って思うよ・・・]


もともと、母はポジティブな性格だったせいか、俺も、そういうところがあって

二人で、能天気に、嫌なら辞めるか!的に、とりあえず、様子を見ながら、続け

るって事で落ち着いた。


まさか、それから20年近くも、この世界にドップリになるとは、この時点では

全く思ってもみなかったのだが・・・



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